「novel:小説」カテゴリーアーカイブ

筒井康隆さんが描いたスパイがはびこる社会、核が拡散された世界 etc:『アフリカの爆弾』読了

筒井康隆さんの『アフリカの爆弾』を読了。

数多ある筒井作品の中でも代表作に数えられることを承知していて、

しばし、頭の読みたいリストに載っていて巡ってきたこのタイミング。

最初、長編かと思いきや

 ・ 台所にいたスパイ

 ・ 脱出

 ・ 露出症文明

 ・ メンズ・マガジン一九七七

 ・ 月へ飛ぶ思い

 ・ 活性アポロイド

 ・ 東京諜報地図

 ・ ヒストレスヴィラからの脱出

 ・ 環状線

 ・ 窓の外の戦争

 ・ 寒い星から帰ってこないスパイ

 ・ アフリカの爆弾

の12作収録。

スパイ、人気俳優、異空間等・・

どのような話しが収録されているか、巻末の平岡正明さんの「解説」から拾うと

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ビートたけしさんが綴った師匠 深見千三郎さんとの日々:『フランス座』読了

ビートたけしさんの『フランス座』を読了。

昨年(2018年)末、ふら〜っと立ち寄った書店で、本書のサイン本を見つけ

無造作?に少量平積みされていたサイン本に即反応。

「これは〜!」と反応して、即レジへ向かい購入。

その後、一旦家の中で行方不明となったものの・・ 見つけ出したタイミングで読み始め。

サイン目当てで、内容は二の次というようなところもありましたが、

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清武英利さんが描いた、巨悪に挑んだ名もなき刑事たちの生きざま:『石つぶて 警視庁 二課刑事の残したもの』読了

ノンフィクション作家 清武英利さんの『石つぶて 警視庁 二課刑事の残したもの」を読了。

先月(2018年11月)開催された清武英利さん登壇イベント時↙️

<< 2018年11月22日投稿:画像は記事にリンク >> 清武英利さんが語った、幸運が尽きた後でも前向きな人たちの生きざま:『プライベートバンカー完結版』発売記念 清武英利トークショー 参加記

ちらっと本書に言及した部分から興味を持ち購入していたもの。

社会を揺るがした一大事件のリバースアングル

描かれているのは・・

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筒井康隆さんが描いた少女に舞い降りた束の間の・・:『時をかける少女』読了

筒井康隆さんの『時をかける少女』を読了。

今月(2018年12月)参加した筒井康隆展の「筒井康隆を語る」

<< 2018年12月8日投稿:画像は記事にリンク >> 筒井康隆展関連イベント 筒井康隆さんX松浦寿輝さん記念対談「筒井康隆を語る」参加記

で、会場の世田谷文学館を訪れた際、物販ゾーンの一角に本書(サイン本)が販売されており、

『時をかける少女』購入後のサイン本コーナー。この後、程なく全作品売れていきました

機を捉えて購入していたもの。

筒井康隆作品の代表作

『時をかける少女』が筒井康隆さんの作品であることは長く承知していたものの

(未鑑賞の)映画の先入観から無意識的に避けていたようなところがこれまであって、

秋口に読了していた『筒井康隆、自作を語る』で

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上田慎一郎監督が綴った、女子高生のファンタジーと不条理が交差する世界:『ドーナツの穴の向こう側』読了

カメラを止めるな!』を世に送り出し、一躍、その名を世に知らしめることになった上田慎一郎監督が、(今から十数年前)無名時代、

” バイトをする傍らで本作の執筆に集中した。毎日フルタイムで働きながら他のすべての時間を本作の執筆に費やした。

バイトの行き帰りの電車の中でも書いた。バイトの休憩時間もトイレにこもって書いた。165万円の借金を背負ったのだ。当然、貧乏だった。

家では具なしの名もなきパスタばかり食べていた。バイトへは白米にふりかけをかけただけの名もなき弁当を持参した。(見かねた同僚がおかずを少しずつ分けてくれたりしたっけ)。”(p153-154)

なる環境から書き上げた小説が、

『カメラを止めるな!』の空前のヒットをきっかけとして、蘇ることになった小説『ドーナツの穴の向こう側』を読了。

女子高生目線の・・

ストーリーの方は、

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筒井康隆さんが描いた 成金農家の月旅行、日本以外が沈没してしまった後の世界・・・ 七様の顛末:『農協月へ行く』読了

筒井康隆さんの『農協月へ行く』を読了。

筒井康隆展」開催中の世田谷文学館に立ち寄った際、サイン本として買い求めていたもの。

 農協月へ行く

 日本以外全部沈没

 経理課長の放送

 信仰性遅感症

 自殺悲願

 ホルモン

 村井長庵

の短編七篇が収録。

購入した時は気付いていませんでしたが

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筒井康隆さんが描いた生涯をかけ旅した男の生きざま:『旅のラゴス』読了

筒井康隆さんの『旅のラゴス』を読了。

「(筒井康隆さん作品の中で)何を読もうかなぁ」と考えていたところ、旅x筒井康隆ワールドに興味を持って購入。

電車内など細切れの時間などを利用して読み進めていたことから、当初は描かれている情景を描きづらかったものの

中途からグッと物語に引き込まれてくるのは、さすが。

” 三十年昔に気まぐれから突然旅に出て”(p209)

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筒井康隆さんが1965年に予知していた今日の監視社会とSNSの隆盛:『48億の妄想』読了

筒井康隆さんの長編処女作『48億の妄想』を読了。

先日、筒井康隆展を往訪した際に、

<< 2018年10月14日投稿:画像は記事にリンク >> 筒井康隆展 @世田谷文学館を訪れ、筒井康隆さんが辿ってきた軌跡に一筋縄ではいかぬ世界観を体感してきた

会場の世田谷文学館内で流されていたTV番組内で、

本作について1965年出版の作品でありながら、現代の監視カメラ、SNSの隆盛について記述されており、「予言の書」といった紹介をされており、興味を持っていた作品。

50年前の未来=2018年の現実

先日、読了していた『筒井康隆、自作を語る』では、

<< 2018年10月13日投稿:画像は記事にリンク >> 筒井康隆さんが、半世紀を超えるキャリア、作品へのわが思い入れに言及した『筒井康隆、自作を語る』読了

” 筒井 (中略)『48億の妄想』を、もう五十年ぶりで読み返したんですけど、傑作なんですよ(笑)。

ー それはみんな分かっています(笑)。

筒井 こんなもの、今は書けないですよ。よく書いたものだと思います。自分をほめてやりたい。”(p24-25)

という自信作で、話しのクライマックスは

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