お笑いコンビ 見取り図 盛山晋太郎さんの「小説幻冬」誌での連載エッセイが書籍化された『しばけるもんならしばきたい』を昨日読了。

(2025年)10月初旬に開催されたサイン本お渡し会で、盛山晋太郎さんよりお手渡し頂き、入手していた著書。
連載は約5年に及ぶ中、読者から
” 「すごい読み応えがある小説幻冬ですが、そんな中でひとつだけ漫画みたいに何も考えず読めるエッセイですね」”(p.2)
という感想が寄せられたそうで ^〜^; どういった内容が綴られいるかというと
” ただのアイスコーヒーの1杯で相当な快楽を得られる僕は、麻薬というものに手を出すことは一生ないだろう。そんなことをしなくても日常生活には合法的に飛べる方法がたくさん存在している。
日常生活の中の快楽。
ベタなところでいえば、テトリスの長い棒、サウナと水風呂の繰り返し、帰宅して靴下を脱いだ瞬間、勘で買った棚がピッタリ、ふとんのまだ触れてないシーツのひんやりした部分に足を入れる。”(p34)
に、
” 和歌山の海で色んな女の子にナンパをしすぎてビーチに苦情が入り、ライフセーバーさんに「この海から出ていけ!」と海賊しか言われないような怒鳴られ方をしたこともあるぐらいには克服したで。”(p189)
といった身近で共感できる内容に凡人離れした?!エピソードに、巧みな比喩で、お笑い芸人さん本でしばし馴染むのにページ数を要したりしますが、本書はのっけから引き込まれました。

全50話掲載されているうちの最終の「グッドラック」では
” 数年前まで、自分は本当に不運なやつだと思ってたんですよ。”(p255)
との書き出しから
” しかし、ここ数年を振り返って考えた結果、どうやら俺はただのラッキー男でした。”(p256)
と展開。取り上げられているのが幼少期から連載当時の出来事も含まれ、笑撃とは裏腹なトホホなエピソードも散見される中、
” 全てのラッキーが繋がって、今があるんですね。”(p257)
と「憧れだった仕事で生活ができる」ようになるまでの半生記的な読み方もでき、お笑い芸人の中でも高い評価を得ている芸人さんと思いきや挫折に試行錯誤を経て辿り着いた現在地への軌跡が、盛山晋太郎さんの感性とも読みどころとなりました。











