「female author:女性作家」カテゴリーアーカイブ

川上未映子さんが描いた10代を決死の覚悟で生き抜いた少女の軌跡:『黄色い家』読了

川上未映子さんの最新刊『黄色い家』を読了。

サイン本入手機会に乗じ、

残り数冊となっていたサイン本確保しての入手

手元に引き寄せていた一冊。

買ったは良いが、600ページに及ぶ大作で読み始め前の覚悟に、いざページを捲り始めてから読了に至るまで時間を要することになりましたが、

公的証明が出ないなど心許ない家庭環境、幼少期を過ごした少女が、藁をもすがる思いで頼りにした一癖二癖ある人物との回顧録といった内容。

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エリイ x 小泉今日子「記憶を綴ること」『はい、こんにちは — Chim↑Pomエリイの生活と意見』『黄色いマンション 黒い猫』刊行記念 視聴記

土曜日の夜、(2022年4月)月初に開催された本屋B&Bのオンライントークイベント

出典:本屋B&Bウェブサイト(画像はイベント情報にリンク)

エリイ x 小泉今日子「記憶を綴ること」『はい、こんにちは — Chim↑Pomエリイの生活と意見』『黄色いマンション 黒い猫』刊行&文庫化記念」を見逃し配信で視聴。

開催日の一週間前の告知で、「おっ、こんなのあるんだ!」と

出典:新潮 Twitter(画像はTweetにリンク)

サイン本入手機会に即反応していた経緯。

文が世に出るまでのあれやこれや

Chim↑Pomエリイさんのことは本イベントで知ることになりましたが、Chim↑Pomはアーティスト集団で、

2022/5/29まで森美術館で開催中のChim↑Pom HAPPY SPRING

小泉今日子さんとは既に幾度も接点があった様子。

エリイさんの著書『はい、こんにちは — Chim↑Pomエリイの生活と意見』を読んだ小泉今日子さんは、

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藤崎沙織さんが向き合ったSEKAI NO OWARIが走り始めるまでの日々:『ふたご』読了

SEKAI NO OWARI Saoriさんこと藤崎沙織さんの『ふたご』を読了。

昨年(2021年)秋に読んだエッセイ集から↓

<< 2021年10月21日投稿:画像は記事にリンク >> 藤崎沙織さんのアーティストの感性で綴られた日常に惹き込まれた:『ねじねじ録』読了

次は〜 といった具合で、直木賞候補作にもなった本書に注目していた経緯。

実体験に基づいたからこその

二部構成で、

” 家族が誰もいないのをいいことに、ソファの上に足を投げ出した。中学校は休みだ。”(p012)

の一文で始まる本書。主人公の西山夏子と一学年先輩 月島悠介との

” ただ関係を聞かれただけで、こんなにも傷ついてしまうのはどうしてなのだろう。月島と私だけが分かっていればいい。その考えがこんなにも脆いものだと思い知らされる日が来るなんて、想像してもみなかった。”(p119)

と、先輩後輩でもなく、友達以上ながら恋人でも括れない且つ刃物を突きつけられたりもする危なっかしい綱渡りの関係が、

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またしても岸田奈美さんの100文字ですむことが2000文字で伝えられる日常に惹き込まれた:『傘のさし方がわからない』読了

作家 岸田奈美さんの『傘のさし方がわからない』を読了。

昨年(2021年)企画されたサイン企画に合わせ、年末に購入/送付した本が

出典:岸田奈美のnote(画像は記事にリンク)

2月に返送されてきていた経緯。

岸田奈美さんの著書は、昨秋以来 ↓

<< 2021年9月21日投稿:画像は記事にリンク >> 岸田奈美さんが綴った愛ある日常が心に沁みた:『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』読了

通算3冊目で、巧みな文章表現に魅了、期待しての購入。

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上田未来さんが綴った6つの人類最初の犯罪史:『人類最初の殺人』読了

小説推理新人賞作家 上田未来さんのデビュー作『人類最初の殺人』を読了。

サイン本販売でフラグが立ち

サイン本、インパクトあるネーミング、印象的な装丁・・ から購入に至っていた経緯 ^^

そのインパクトあるネーミングに装丁等から好奇心刺激され、購入に至っていた経緯。

重たいテーマを軽やかに

本書には

 人類最初の殺人

 人類最初の詐欺

 人類最初の盗聴

 人類最初の誘拐

 人類最初の密室殺人

の六話を収録。

例えば、タイトルにもなった「人類最初の殺人」では

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川上未映子さんが示した生命の意味をめぐる真摯な問い:『夏物語』読了

先週、中間記を ↓

<< 2021年10月29日投稿:画像は記事にリンク >> 川上未映子さんが示した生命の意味をめぐる真摯な問い:『夏物語』中間記

アップロードした作家 川上未映子さんの『夏物語』を先月(2021年10月)末読了。

中間記を書いている頃には、描かれている話しの筋に凄みを掴めていませんでしが、

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川上未映子さんが示した生命の意味をめぐる真摯な問い:『夏物語』中間記

川上未映子さんの『夏物語』を読み始めて

第一部 二〇〇八年 夏

 1 あなた、貧乏人?

 2 よりよい美しさを求めて

 3 おっぱいは誰のもの

 4 中華料理店にやってくる人々

 5 夜の姉妹のながいおしゃべり

 6 世界でいちばん安全な場所

 7 すべての慣れ親しんだものたちに

第二部 二〇一六年 夏〜二〇一九年 夏

 8     きみには野心が足りない

 9 小さな花を寄せあって

 10   つぎの選択肢から正しいものを選べ

 11  頭のなかで友だちに会ったから、今日は幸せ

 12  楽しいクリスマス

 13  複雑な命令

 14  勇気をだして

 15  生まれること、生まれないこと

 16  夏の扉

 17  忘れるよりも

と、章立てされているところ「第二部  12 楽しいクリスマス」まで読み終えたので、そこまでのおさらい。

生々しさから根源的な問いへ?!

目次を書き出すだけでもサラッといける量ではないですが、ページ数にすると実に652ページ(!)

購入したきっかけがサイン本且つアメリカでも評判を得ていることによるもの。

アメリカでの反響伝わる本書(文庫版)帯

その安易さとは裏腹に、いざ読み始めると・・ 内容を含め相応の覚悟を求められる長編で、頭に全体像を上手く描けていませんが、

裏表紙に

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有川ひろさんが綴った猫と人が心を通わす七つの物語:『みとりねこ』読了

作家 有川ひろさんの『みとりねこ』を読了。

Twitterで見つけたサイン本販売情報から帯に踊る

購買意欲をアシストされた本書帯

稀代のストーリテラーが綴る7編、7匹の物語

なるコピーに好奇心を刺激され、

他店での売切れ情報に反応し、汗を掻いた成果もあり入手叶ったサイン本

真夏の夜、閉店間際の書店に駆け込んで入手していた一冊。

七様の猫の物語

本書は、

 ハチジカン 〜旅猫リポート外伝〜

 こぼれたび 〜旅猫リポート外伝〜

 猫の島

 トムめ

 シュレーディンガーの猫

 粉飾決算

 みとりねこ

の七話で構成。

それぞれ異なる猫と飼い主らが織りなすストーリーで、一話目の「ハチジカン 〜旅猫リポート外伝〜 」は、

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