川上未映子さんの『夏物語』を読み始めて
第一部 二〇〇八年 夏
1 あなた、貧乏人?
2 よりよい美しさを求めて
3 おっぱいは誰のもの
4 中華料理店にやってくる人々
5 夜の姉妹のながいおしゃべり
6 世界でいちばん安全な場所
7 すべての慣れ親しんだものたちに
第二部 二〇一六年 夏〜二〇一九年 夏
8 きみには野心が足りない
9 小さな花を寄せあって
10 つぎの選択肢から正しいものを選べ
11 頭のなかで友だちに会ったから、今日は幸せ
12 楽しいクリスマス
13 複雑な命令
14 勇気をだして
15 生まれること、生まれないこと
16 夏の扉
17 忘れるよりも
と、章立てされているところ「第二部 12 楽しいクリスマス」まで読み終えたので、そこまでのおさらい。
生々しさから根源的な問いへ?!
目次を書き出すだけでもサラッといける量ではないですが、ページ数にすると実に652ページ(!)
購入したきっかけがサイン本且つアメリカでも評判を得ていることによるもの。
その安易さとは裏腹に、いざ読み始めると・・ 内容を含め相応の覚悟を求められる長編で、頭に全体像を上手く描けていませんが、
裏表紙に
続きを読む 川上未映子さんが示した生命の意味をめぐる真摯な問い:『夏物語』中間記 →
作家 有川ひろさんの『みとりねこ』を読了。
Twitterで見つけたサイン本販売情報から帯に踊る
「稀代のストーリテラーが綴る7編、7匹の物語」
なるコピーに好奇心を刺激され、
真夏の夜、閉店間際の書店に駆け込んで入手していた一冊。
七様の猫の物語
本書は、
ハチジカン 〜旅猫リポート外伝〜
こぼれたび 〜旅猫リポート外伝〜
猫の島
トムめ
シュレーディンガーの猫
粉飾決算
みとりねこ
の七話で構成。
それぞれ異なる猫と飼い主らが織りなすストーリーで、一話目の「ハチジカン 〜旅猫リポート外伝〜 」は、
続きを読む 有川ひろさんが綴った猫と人が心を通わす七つの物語:『みとりねこ』読了 →
先の三連休の中日、作家 岸田奈美さんの『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』を読了。
先々週に読了した ↓
『もうあかんわ日記』(2021年5月)と2冊セットで購入していた、もう一冊。なお、出版されたのは2020年9月で本書が先。
日常の見事なエンターテインメント化
『もうあかんわ日記』を読んでいた時に実感していたことですが、(悲劇を含む)日常を読み物に昇華させたり、エンターティンメント化したりすることが見事=達人の領域で、
特に印象的であったのは、
続きを読む 岸田奈美さんが綴った愛ある日常が心に沁みた:『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』読了 →
作家 岸田奈美さんの『もうあかんわ日記』を読了。
書店、SNS上などで本書が話題になっていたことは承知していた折、東武百貨店池袋店内の旭屋書店池袋店で
見覚えのあったTweet⬇︎
の現物を見つけコレクター魂を刺激され・・購入していた経緯。
悲劇も人に語って笑わせれば
本書は、
続きを読む 岸田奈美さんが綴った悲劇をだれかに笑ってもらいたくて書いた日記:『もうあかんわ日記』読了 →
小説家 江國香織さんが、
” 読むことと書くことをめぐる散文集をつくりませんか “(p221)
との提案に応じて上梓された散文集『物語のなかとそと 江國香織散文集』を読了。
柴田元幸さん目当てであったものの、イベント参加記念に「江國香織さんの本の中から・・」と並べられた著書の中から本書に手が伸びていた経緯。
その時々の江國香織さんの感性に触れゆ
イベント時の対象書籍は『彼女たちの場合は』ながら、本書を選んだ結果を「正解」というように感じられたのは
続きを読む 江國香織さんの繊細でユニークな世界観に浸れた散文集『物語のなかとそと 江國香織散文集』読了 →
作家 江國香織さんの二年ぶりの長編小説『彼女たちの場合は』刊行記念イベント
「私たちが見たアメリカと、あの日の自分」『彼女たちの場合は』刊行記念トークイベントに参加。
といっても江國香織さんの作品は手にしたことがなく、もう一人の登壇者 柴田元幸さんがお話しされる内容目当てで参加。
小説家のリアル
イベント設定条件から、トークはもっぱら柴田元幸さん或いは質疑応答で参加者が質問者となり、
江國香織さんが回答される形式で進行。対象書籍を読んでいないと分からないやり取りも結構ありましたが、
続きを読む 江國香織 × 柴田元幸 「私たちが見たアメリカと、あの日の自分」『彼女たちの場合は』刊行記念 参加記 →
「冒険」に出たものだけが、大きな果実を手にすることができる