イラストレーターなど(多方面で活躍されている)みうらじゅんさんの帯によると、
> 息苦しい社会に風穴を開ける珠玉のエッセイ95本
との『アウト老のすすめ』を読了。
発売記念イベント開催に動画の発信等
【還暦過ぎたらみんな同い年】「人生の3分の2はいやらしいことを考えてきた」l アウト老のすすめ
注目を集めている最中、狙いを定めていたサイン本入荷情報にタイミング良くアクセスし入手していた経緯。

本書は「週刊文春」での連載「人生エロエロ」(2022年11月24日号〜2024年11月7日号)から抜粋、加筆、修正されたもので、タイトルからみうらじゅんさんの老年考?と思いきや・・
” 平日の朝イチ上映回。僕を含めたかつての憧れ組が劇場に30人ほどいた。流石にポンチョ姿の老コスプレイヤーはいなかったけど、それなりに濃いメンツ。言うなれば『アウト老』である。”(p218)
と67歳を迎えているみうらじゅんさんの「老いてなお」といった日常に
” 僕がまだ駆け出しの漫画家だった頃、ある先輩から旅の土産だと言って頂いたのだった。
ぶっきら棒な口調でちょっと怖かった先輩はその時、「彼女に使えばぁ?」と言ってニヤニヤしてた。
しかし、僕は「こんなもの貰ったんだけど」と、差し出す勇気すらなかった。
それでしばらくアパートの押し入れの奥に隠していたのだが、引越しの際、運悪く彼女に見つかり、とても気まずい雰囲気になった。”(p248)
等、個人史も辿られた唯一無二の世界観が土台となったエッセイ。
” 待ちに待った映画『マッドマックス:フュリオサ』。初日の、しかも初回上映で観た。
前作『マッドマックス 怒りのデス・ロード』。これがもう最高で、全ての映画館は年がら年中、流しとけばいいと思ったほどである。
今回ももちろん良かった。ストーリーは単に行って戻ってくる。それだけのことなのだけど、スピード感とノリノリ度合がハンパない。結局、映画に限らず、人生というものはノリがいいか悪いか、それで決まると言っても過言ではない。”(p240)
という単純明快なメッセージ(人生訓?!)に共感させられたり、
“「本物のミイさんですよね?」と、声を掛けた。すると、
「あぁ、そうだよ」
と、タメ口で返してきたではないか。それですっかり安堵し、
「すみませんが、いっしょに写真撮って貰えませんか?」と願い出た。
「あぁ、いいよ」
今までの人生、一度も自分を「M」だと思ったことはなかった。むしろ「S」だと決め付けていたが、どうしたことかミイのタメ口にやたらグッとくる。”(p271)
と訪れたムーミンバレーパークで取った他勢と異なる行動に(だいぶ先行されていますが)同じコレクター気質を感じさせられたり、

はたまた
” 4月5日(金)雨のち曇り
安齋肇さんの展覧会場でトークショー。”(p219)
と自分が参加していたイベントについて触れられた日記に「あの時のことかぁ」と懐かしさをチクッとさせられたり、

読み進めている最中「なかなか終わらないなぁ」とも感じましたが、帯の(エッセイ)95本を見て納得 ^^ 300ページ超のこれでもかと繰り出されるみうらじゅんさんならではの世界観、エロ多めな日常への接近でありました〜