尾崎世界観さんが描いた、少女がカーテン越しに寄せた母への思ひ:『母影』読了

ロックバンド クリープハイプのVocal & Guitar 尾崎世界観さんの小説で第164回 芥川賞候補作『母影』を読了。

先月(2021年2月)、

<< 2021年2月16日投稿:画像は記事にリンク >> 尾崎世界観 X 西川美和「世界のまなざし、言葉と言葉以前の何か」『母影』刊行&『すばらしき世界』公開記念 視聴記

オンライン視聴したイベント⬆︎で入手していた著書。

カーテン向こう側の母

主人公の少女のお母さんが勤務する

“このお店はせまいから、探けんしてもつまらない。入ってすぐのところにテーブルと細長いイスがあって、その先にやわらかいカーテンにぐるっとかこまれたベッドが二つならんでる。

その向こうにはトイレがあって、その先の行き止まりはタオル置き場だった。

ちゃんとたたまれた新品のタオルは山になって、使って捨てたタオルはカゴの中で川になってた。

私はいつも手前のベッドにもぐりこんで、カーテンだけを見てる。

私が見てるカーテンはお母さんのベッドとつながってて、ときどきそこにお母さんの影が出るからだ。”(p3-4)

との情景描写で始まる本書は、

少女の母へ寄せる(想像力試される)想いに、切なさに、

“「お客さまにあるかどうかを聞かれた場合は、ちゃんと最後までお願いします。二回目からはある。これを徹底してください」

私は耳をすまして、お母さんの小さな返事を聞いた。

「ただし、こちらからいう必要はありません。あくまで、お客さまがあるかどうかを聞いてきた場合のみ、あります。

それと、ありそうでない、これが一番大事ですから。相手が警察かどうかもしっかり見極めて、ちょっとでも危ないと思ったらやらない」”(p30)

という一筋縄ではない設定も相まって、ストーリーが展開されていきます。

懐かしも今まで浸ったことないような・・

本を手にした時の「全124ページ、一気に読めそうだな」と、それに近い形で読了に至りましたが、

購入本に書かれていた尾崎世界観さんのサイン

懐かしさを引っ張り出されるような、否、赤裸々な描写もあり、おませで独特な心地に浸らされながら進みゆくストーリーでありました〜


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