重松清さんが描いた空き家となった我が家を巡って錯綜するさまざまな思ひ:『カモナマイハウス』読了

小説家 重松清さんの『カモナマイハウス』を読了。

(2023年)7月、サイン本販売情報に反応して

「あれば買おう」と思って入店し、数点ストックされていた在庫確保.-

入手していた経緯。

4年半りとなる重松清さん本  << 2019年4月24日投稿:画像は記事にリンク >> 重松清さんが読み手に問うた働くこと、そして生きること・・:『ニワトリは一度だけ飛べる』読了

本書は、

” 総務省の調査によれば、全国の空き家数は二〇一八年の時点で八百四十九万戸だという。

「大阪府の人口が八百八十万人ぐらいだから、空き家一軒に一人ずつ住んだとしても、ほとんど入っちゃうわけですよね。二人とか三人で住むんだったら、大阪府がまるごと入ったあと、まだすごく余っちゃって・・」”(p13)

という空き家を題材に構成されたストーリー(小説)。話しの筋は・・

“「白石さんって、最近ときどき帰って来てるんじゃない?」

隣家の奥さんが教えてくれた。空き家の主が帰宅している、というのだ。部屋の雨戸は立てたままだったが、廊下や階段の小窓から明かりが漏れていたらしい。”(p53)

と、とある空き家の旧住民を巡る(切なくさせられる)紐解きから

” 「私は、空き家と『人』とのマッチングを常に考えています。この空き家にはどんな『人』が出入りすればいいだろう、この空き家はどんな『人』に必要とされているだろう、この空き家からどんな需要を掘り起こせば、新しい出会いがあるだろう・・・」”(p219-220)

と子ども時代を過ごした家が空き家となり、良くも悪くも業界で名を馳せる空間リノベーターから提案されたのが

“「埋葬する前に、亡くなった人との最期のお別れをすることです。ずっと昔は棺に納めたご遺体が腐敗して、白骨化するまでが『もがり』だったらしいのですが、さすがにいまはそれはできませんから、火葬場の順番が来るまでの一日、二日・・・ 場合によっては三日、四日・・・もうちょっとかかることもないわけではありませんが、とにかく、その期間を過ごしていただくわけです。”(p109)

という役割(ご遺体が火葬場に送られるまでの待機場所)を果たす「もがりの家」で、かつての我が家に愛着を持つ家族や処分を進めたい家族の思惑などが交錯し物語が進んでいきます。

購入本に書かれていたサイン

私個人に建て替えにより住み慣れた自宅が壊された過去に、母校取り壊しが伝えられた際に↓さまざまな感情が去来した記憶から

<< 2017年8月27日投稿:画像は記事にリンク >> さらば桃丘小学校 〜取り壊しが決まった母校にさよならをしてきた〜

登場人物が抱いた感情に共感しながら読み進めることが出来、顕在化している社会問題の一つとして多くの方々に現実感を感じられるストーリーといえるでしょう。


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