桑田 恭 のすべての投稿

オーストラリア ライフスタイル&ビジネス研究所:移住の理想と現実 ⑪

移住の理想と現実 ⑪

” 多くの日本人移住者が程度の差はあるものの差別を経験する一方で、彼らの大半は、オーストラリア社会の雰囲気やそこで得られるバランスの取れた生活に肯定的な印象を持っている。

中でも多くのインタビュイーが、差別の経験を語った後に述べたのは、「それがアジア系だからだったかは分からない」、

「オーストラリア社会に限らずどの社会にも外国人への差別はある」、「日本の方が差別はひどい」などの言葉であった。

これらは、日本人移住者がミクロな差別を日常的経験として経験しつつも、オーストラリアで生きていくために、

その差別に対応するためのポジティブな言説を自分の中で構築するプロセスと捉えることができよう。”(『日本社会を「逃れる」オーストラリアへのライフスタイル移住』p192)

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岡田斗司夫さんに学ぶ「カリスマ」というビジネスモデル(生き方):『カリスマ論』読了記 前編

岡田斗司夫さんの『カリスマ論』を読了.-

岡田斗司夫さんの著作は、『いつまでもデブと思うなよ』に始まり、

最近で印象的であったのは『評価経済社会』など、

都度、岡田斗司夫さんならではの分析なり、世界観に覆われる体験を楽しみにしています。

今回はKindleの検索を通じて本書を知り、「どれどれ・・」といった具合で読者レヴューに目をやるも

醜聞やらでの酷評もあり、「うーん、、」といった感じで悩まされるも、過去の実績から直感で購入・・

結果的に本を読み始めて程なく、またしても岡田斗司夫さんの世界観に魅了されていきました ^^

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オーストラリア ライフスタイル&ビジネス研究所:移住の理想と現実 ⑩

移住の理想と現実 ⑩

” 四十歳代の女性は、これらの公共の場におけるアジア人差別が九○年代中頃に急速に表面化した点を次のように指摘する。

ボーリン・ハンソンが出てきた頃に、差別がひどかったです。全然知らない人にいきなり「Go Home!」って言われたり。失礼ですよね。

あの人が出てきたのは九六年だったんですよね。あの人が出てきて、そういう態度が表面化した気がします。

ずっと心の中に思っている人はボーリン・ハンソンが出てくるまでは態度に出す人は少なかったと思うんです。

一九九〇年代は、オーストラリアの「アジア化」が進行した時代であった(Ang and Stratton 1996)。

第一章で述べたとおり、多文化主義をオーストラリアの労働市場の穴を埋める戦略として位置付けたオーストラリアにとって、

一九九〇年代はアジア系住民の急増を経験することとなり、それを危惧した保守系の政党の代表格がクイーンズランド州を地元とするボーリン・ハンソン率いるワン・ネーション党であった。

彼女は、アジア系移民の流入が白人系住民の仕事を奪うとの議論を行ったものの、実際の支持は限定的なものであった。

しかし、彼女がメディアで繰り返し述べる反アジア系移民の論調は、地元住民の態度を表面化させる契機となり、

結果的に多くのアジア系移民が差別的言動を経験することとなった。”(『日本社会を「逃れる」オーストラリアへのライフスタイル移住』p191-192)

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シカゴ・ベアーズ、2016シーズンでの巻き返しへ:FA市場で進む戦力補強

NFL(プロ・アメリカンフットボールリーグ)が、3月9日から新年度に切り替わったことに伴い、

契約期間満了した大物選手、注目選手などの新契約(移籍)のニュースが相次ぎました。

Chicago Bears:シカゴ・ベアーズの動きもヘッドライン級の扱いで、取り上げられることしばし。

主だったところを取り上げると・・

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オーストラリア ライフスタイル&ビジネス研究所:移住の理想と現実 ⑨

移住の理想と現実 ⑨

” 差別の場面をミクロな視点で見ると、外見以外にも「英語」が排除的意味合いで使用されている事例が多い。

次のインタビュー・データは、この点を示している。

サニーバンクという中国系の方が多い地区があるんですけど、サニーバンクに買い物にいくときに、チャイニーズの方は家族内ではチャイニーズ(中国語)でしゃべるんです。

それが気に入らないコーケージアン(白人系)の方もいるわけです。そばにいって、「Speak English」なんてわざわざ言うんです。

私は家族でしゃべっているんだからいいんじゃないって思うんですけど、私がそこで何か言って反感を買うのがいやなので、

心の中で怒ってても言えないんです。不愉快ですよね。(四十歳代女性。商社勤務中の海外旅行先で知り合ったオーストラリア人と結婚し移住)

オーストラリアは多文化主義社会が進展し、日常生活に「外国人」が溢れている社会である。

多民族社会化し、人口の二割以上が家族で英語以外の言語を話す社会においては、「われわれ(オーストラリア人)」と「彼ら(文化的他者)」を分ける基準として、「英語」が重要な役割を果たす。

英語を流暢に話す者は、オーストラリアに適応していることを示し、公共の場で大声で英語以外の言語を話す行為は、時に非難の対象となる。”(『日本社会を「逃れる」オーストラリアへのライフスタイル移住』p190-191)

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アル・パチーノが演じたジョン・レノンから手紙をもらったロックスターの生きざま:映画『Dearダニー』鑑賞記

先週末はMichael Landauのほか、自宅でAl Pacino:アル・パチーノ主演の『Dearダニー』を鑑賞.-

映画『Dearダニー 君へのうた』予告編

先週は Robert DeNiro:ロバート・デニーロ ↓

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<< 2106年3月6日投稿:画像は記事にリンク >> ロバート・デニーロが演じた非情と父娘の情の狭間での苦悩:映画『タイム・トゥ・ラン』鑑賞記

今週はAl Pacinoとなったのは、両俳優に格別の思い入れを抱いている人間としては贅沢な展開。

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オーストラリア ライフスタイル&ビジネス研究所:移住の理想と現実 ⑧

移住の理想と現実 ⑧

” 以上に述べた言語バリアやビジネスの習慣の相違が、オーストラリアでの仕事や生活において移住者が直面する現実的な問題である一方で、移住者は人種差別という心理的バリアにも直面する。

程度の差はあるものの、ほぼすべてのインタビュイーの間で日常生活において人種差別あるいはそれに近い経験を持っていた。

フリーランスの美容師を営む三十歳代の女性は、彼女が経験した差別意識について次のように語っている。

クイーンズランドって他の州に比べてひどいねー。アジア人嫌いって人多いでしょう。

ブリスベン、特にシティとスプリングヒルの(大手スーパー名)、ひどいねー。私文句言ったもん、「マネージャー出せ」ってね。

アジア人、日本人に対する態度がぜんぜん違う。美容師でサロンで働いてたときも、「こんにちは」って(顧客のもとに)行くと、(自分を)ちらっと見て「別の人にして」って。

まあアジア人だからそうなったとは言えないけど、やっぱりそうだったと思うよ、あれは。

この事例に見られるように、日本人移住者が経験している人種差別の多くは、「アジア系」への蔑視や差別に基づくものである。”(『日本社会を「逃れる」オーストラリアへのライフスタイル移住』p190)

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THE MICHAEL LANDAU GROUP with Special Guest Kirk Flecher公演を観にCotton Clubへ行ってきた

大阪から上京中の友人と東京駅前の商業施設KITTEで合流し、昨年9月以来で、丸の内にあるCotton Clubへ。

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昨秋以来のCOTTON CLUB〜

目当てのMichael Landauは、Los Angeles(Studio City)のThe Baked Potatoに始まり、

東京でも舞浜でも何回も観ているお気に入りのアーティストですが、「今回、いつ以来だろう?」と記憶を遡ってみれば・・

2013年10月のBlue Note TOKYOのSTEVE GADD BAND以来.-

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STEVE GADD BAND featuring Michael Landau etc(Blue Note Tokyoウェブサイトより/画像はLive Reviewにリンクしています)

Michael Landau自身の名義を冠したバンドとなると、おそらく2012年11月と、かなり久々。

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