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オーストラリア ライフスタイル&ビジネス研究所:ワラビーズ、オールブラックスに敗れ2002年以来のブレディローカップ奪還成らず(ザ・ラグビーチャンピオンシップ 2023)

ワラビーズ、オールブラックスに敗れ2002年以来のブレディローカップ奪還成らず(ザ・ラグビーチャンピオンシップ 2023)

” ニュージーランド代表“オールブラックス”が、南半球の強豪4カ国による「ザ・ラグビーチャンピオンシップ」を全勝で3連覇を遂げ、6週間後に開幕するワールドカップへ向け弾みをつけた。

7月29日にメルボルンでオーストラリア代表“ワラビーズ”と対戦し、38-7と圧倒。このライバル対決にかかる「ブレディスローカップ」も防衛し、21年連続でキープすることとなった。

メルボルン・クリケット・グラウンドに8万3944人の大観衆が集まった一戦は、序盤から激しいプレーで沸いた。

前半3分、自陣深くでラインアウトから脱出を図るオーストラリアに対し、列で飛ばずにいたニュージーランドのLOスコット・バレットが、ジャンパーから近距離でボールをもらった相手SHテイト・マクダーモットに強烈なタックルを決めて落球させ、インゴールに転がったボールをFLシャノン・フリゼルが押さえ、ニュージーランドが先制した。

対するオーストラリアは7分、WTBマーク・ナワンガニタワセのブレイクスルーからチャンスとなってゴールに迫り、仲間のサポートを受けながらポスト下に突っ込んだNO8ロブ・ヴァレティニがライン上にボールを押さえたことがTMO(テレビジョン・マッチ・オフィシャル)で確認され、トライが認められた。コンバージョン成功で逆転する。

2002年以来のブレディスローカップ奪還を目指すオーストラリアは、LOウィル・スケルトンらがブレイクダウンで奮闘、WTBマリカ・コロインベテの出足鋭い強烈なタックルもチームを奮い立たせた。

しかし、26分、ゴール前でフェイズを重ねたニュージーランドに対し、オーストラリアは辛抱強く守っていたが、コロインベテがオフサイドの反則でイエローカードを提示され、流れが変わる。

数的有利となったニュージーランドは34分、敵陣深くに入ってラインアウトからモールで押し込み、再びリードを奪った。

37分には悲劇が起きた。スクラムで圧力をかけられたオーストラリアのPRアラン・アラアラトアが左足を壊し、自力で歩くことができず、ワールドカップを前に最悪の事態が考えられる。

優勢のニュージーランドは、前半最後にも攻め込んでゴール前で21フェイズを重ね、WTBウィル・ジョーダンが右隅にフィニッシュ。

19-7で折り返すと、黒衣の男たちは後半も激しいフィジカルバトルでオーストラリアにプレッシャーをかけ続け、スクラムでも優位に立ち、ディフェンスの粘り強さも見せた。

オーストラリアは負傷者が相次いで2枚目のイエローカードでも苦しくなり、ニュージーランドがさらに3トライを追加してライバルを下した。”(出典:RUGBY REPUBLIC

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オーストラリア ライフスタイル&ビジネス研究所:失業率 − 2023年6月

失業率 − 2023年6月

” 豪政府統計局(ABS)が20日に発表した2023年6月の失業率(季節調整値)は、3.5%と前月(修正値)から横ばいだった。

労働市場逼迫と移民流入の回復による人口増加を背景に、就業者の増加分が失業者の増加分の約3倍となった。

また就業者は、新型コロナウイルスの感染流行が始まった2020年3月より前と比べて100万人以上増えた。

雇用は予想以上に強く、オーストラリア連邦準備銀行(RBA)が8月の金融政策会合で政策金利を4.1%から引き上げる観測が強まっている。

失業率は、昨年6月から3.5~3.7%の範囲を上下している。

男女別の失業率は、男性は前月から横ばいの3.6%、女性は0.1ポイント下落で3.4%だった。

失業者数は前月比1万900人減少し、50万4,400人だった。このうち、フルタイム求職者は2万2,100人減の32万8,000人、パートタイム求職者は1万1,300人増の17万6,400人だった。

就業者数は3万2,600人増と市場予想を上回り、1,404万6,100人となった。フルタイム就業者は3万9,300人増の986万8,900人で、パートタイム就業者は6,700人減の417万7,100人だった。

総労働時間は600万時間増の19億4,700万時間。労働参加率は0.1ポイント下落の66.8%だった。希望する就労時間が得られない不完全就業者の比率は横ばいで6.4%だった。

■NSW州、45年ぶりの低水準

州別の失業率で前月から改善した州は、◇ニューサウスウェールズ(NSW)州 ◇クイーンズランド州 ◇西オーストラリア州 ◇タスマニア州――だった。NSW州の失業率は2.9%で、45年ぶりに3%を下回る低水準となった。

一方、悪化したのは、◇南オーストラリア州 ◇北部準州(NT)◇首都圏特別区(ACT)――となった。ビクトリア州は3.7%で横ばいだった。

■労働逼迫、緩和の兆候?

オーストラリア・ニュージーランド銀行(ANZ)のエコノミストは、経済活動の減速などを背景に就業者や総労働時間の増加幅は今後数カ月に縮小すると予想。

不完全就業率の状況などを考慮すれば、労働逼迫が緩和する兆候が見え始めているとした。

英コンサルティング会社オックスフォード・エコノミクスは、堅調な労働市場は賃金とインフレに上昇圧力をかけていると指摘。

RBAはインフレの上振れを見過ごせないとし、今後数カ月間に2回以上の利上げに踏み切ると予想した。”(出典:NNA ASIA

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オーストラリア ライフスタイル&ビジネス研究所:ワラビーズ、アルゼンチンに土壇場で逆転を喫しザ・ラグビーチャンピオンシップ 2023 連敗

ワラビーズ、アルゼンチンに土壇場で逆転を喫しザ・ラグビーチャンピオンシップ 2023 連敗

” ラグビーワールドカップ2023フランス大会でイングランド代表や日本代表などと一緒のタフなプールに入るアルゼンチン代表“ロス・プーマス”が、開幕まで約2カ月と迫った大舞台へ向け、南半球4カ国対抗戦(ザ・ラグビーチャンピオンシップ)で自信をつけた。

今年は黒星発進だったが、7月15日にシドニー(オーストラリア)のコムバンクスタジアムでおこなわれた同大会の第2節で、世界ランキングがひとつ上(7位)のオーストラリア代表“ワラビーズ”に挑み、試合終了間際のトライで34-31と逆転勝ちした。

ロス・プーマスは対ワラビーズ戦2連勝。オーストラリアの地で倒したのは5年ぶりだ。

前半に1トライずつ取り、粘り強いディフェンスも光って接戦に持ち込んだアルゼンチンは、10-10で折り返し、相手がシンビンで1人少ないなか迎えた46分(後半6分)、FWを使ってゴールに迫り、キャプテンのHOフリアン・モントーヤがピック&ゴーでインゴールにねじ込み勝ち越した。

その後、同点に追いつかれたが、59分にブレイクダウンで相手の反則を引き出してFBエミリアノ・ボフェリが約45メートルのペナルティゴールを決め、再びリードしたアルゼンチン。

69分にはスクラムを起点にテンポよく攻め込み、ディフェンスをひきつけたFLパブロ・マテーラからパスをもらったWTBマテオ・カレーラスが抜け、トライとコンバージョンが決まり、27-17とした。

一方、名将エディー・ジョーンズが率いる新体制となって地元で初勝利をプレゼントしたいオーストラリアは、72分、日本のリーグワンでも活躍する3選手が躍動して流れを変える。

WTBマリカ・コロインベテが左外をゲインし、内側でパスをもらったSOクウェイド・クーパーも力走でゴールに迫り、サポートについたCTBサム・ケレビがフィニッシュ。クーパーのゴールキック好調で3点差とすると、75分には自陣深くでピンチだったが、WTBマーク・ナワンガニタワセがインターセプトして約95メートル走りきり、逆転した。

しかし、4点ビハインドとなったアルゼンチンは試合終了間際の79分、相手の反則もあって敵陣深くに入ると、ゴールに迫ってFWがピック&ゴーを繰り返し、NO8フアン・マルティン・ゴンサレスがタックラーをかわしてインゴールに突っ込み、グラウンディングが認められ、これが決勝トライとなり、アルゼンチンが逆転勝利で歓喜した。”(出典:RUGBY REPUBLIC

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オーストラリア ライフスタイル&ビジネス研究所:ワラビーズ、エディー・ジョーンズの初陣を飾れず(The Rugby Championship 2023)

ワラビーズ、エディー・ジョーンズの初陣を飾れず(The Rugby Championship 2023)

” ラグビーワールドカップ連覇を狙う前回王者の南アフリカ代表“スプリングボックス”が、力試しとなるザ・ラグビーチャンピオンシップ(南半球4カ国対抗戦)で好発進だ。

現地時間7月8日に地元プレトリアのロフタス・ヴァースフェルドで同大会の開幕を迎え、名将エディー・ジョーンズ ヘッドコーチ率いる新体制となったオーストラリア代表“ワラビーズ”を43-12と圧倒した。

最初のトライは、埼玉パナソニックワイルドナイツでもおなじみのオーストラリアが誇る弾丸ランナー、マリカ・コロインベテが決めたが、南アフリカの両WTBも負けてはいなかった。

前半16分の逆転は20歳のキャナン・ムーディーの好走もあってチャンスを広げ、そのアタックをフィニッシュしたスピードスターのカートリー・アレンザはこの試合でハットトリックを達成した。

まだ両チーム拮抗していた30分には、南アがラインアウト後にブラインドサイドを攻め、走り込んできたアレンザが左外を抜けてゴールへ疾走。

後半11分には、重量級FWらの力強いボールキャリーとクイックリサイクルの連続で攻め込むと、アレンザが俊敏さと強さで2人のディフェンダーをかわして3連続トライを決めた。

7人制代表として東京オリンピックに出場後、15人制に本格転向して昨年スプリングボックスデビューした新星のアレンザは、この試合でマン・オブ・ザ・マッチに選ばれている。

南アのアウトサイドバックスには、2019年のワールドカップ優勝に貢献したチェズリン・コルビやマカゾレ・マピンピらもおり、層が厚くなっている。

初先発でグリーン&ゴールドの10番をつけたマニー・リボックのパフォーマンスも、同じSOのハンドレ・ポラードやダミアン・ヴィレムサには刺激となったに違いない。

一方のオーストラリアは、反則やエラーが多く、イエローカードをもらって数的不利の時間帯もあり、流れを変えることができなかった。相手にペナルティトライを2本与えてしまったことも反省点となった。”(出典: RUGBY REPUBLIC

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オーストラリア ライフスタイル&ビジネス研究所:シドニー湾のゴート島、アボリジニに返還。文化・観光に活用へ

シドニー湾のゴート島、アボリジニに返還。文化・観光に活用へ

” オーストラリア東部シドニー湾に浮かぶゴート島が、ニューサウスウェールズ州政府から先住民アボリジニに返還されることになった。

ミンズ州首相が今月1日、譲渡手続きを担う官民組織「移転委員会」と覚書を交わし、島の環境整備に4,300万豪ドル(約41億円)を支出すると表明した。返還後は文化・観光ゾーンとして活用される見通しだ。

ゴート島はシドニー中心街から北西に数百メートル離れた場所にあり、面積は東京ドーム(約4.7ヘクタール)よりやや広い5.4ヘクタール。

先住民の言葉で目を意味する「ミーメル」とも呼ばれる。かつてアボリジニの指導者らが住んでいたが、英国人の入植後に接収され、弾薬庫や兵舎、水上警察署が置かれた。第2次世界大戦後は州が所有。現在、イベント時などを除き一般市民は立ち入りできない。

今後の島の利用方法は、先住民の代表と州、国立公園当局などで構成する移転委員会で検討を進める。島内には1830年代の建物が残っていることから、文化遺産として市民や観光客に公開する案が有力だ。ミンズ氏は「この島は先住民との和解の象徴になる」と強調している。”(出典:JIJI.COM

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オーストラリア ライフスタイル&ビジネス研究所:世界競争力ランキング2023 19位

世界競争力ランキング2023 19位

” スイスのビジネススクール、国際経営開発研究所(IMD)が発表した2023年の「世界競争力ランキング」で、オーストラリアは64カ国中19位と、堅調な労働市場とコモディティーの好調を背景とした交易条件により、前年比横ばいの結果となった。

ニュージーランド(NZ)は31位、日本は前年から順位を1つ落とし、過去最低の35位となっている。21日付オーストラリアン・ファイナンシャル・レビュー(AFR)が伝えた。

各国の競争力は、◇経済パフォーマンス ◇政府の効率性 ◇ビジネスの効率性 ◇インフラ――の4要素を測定して決定される。

オーストラリアは、平均寿命や健康保険制度で3位となったほか、信用度や食費、起業の手続き、法の支配などで高い評価を得た。雇用市場の逼迫(ひっぱく)と技能不足が続く中で、雇用全体の順位は7位に上昇した。

一方で起業家精神で62位に後退したほか、個人所得税の効率性は57位、法人税率は56位、生産性は46位と、オーストラリアの経済的地位を向上させると考えられている、より緊急で直接的な問題については、順位が大きく下がった。

加えて、サイバーセキュリティーは53位、エネルギーインフラは52位と低い順位となっている。

シンクタンクのオーストラリア経済開発委員会(CEDA)のチーフエコノミスト、ウィンザー氏は、「同ランキングは、経済の多様化が重要であり、新しい輸出機会を優先的に追求すべきであることが示された」と説明。

コモディティー価格に期待し続けるのではなく、何が起きても対応できるよう基本的な強みを生かしていく必要があるとの見解を示した。

■「豪は非資源国から学べ」

IMDの世界競争力センター(WCC)のディレクター、ブリス氏は、「オーストラリアのような資源国にとって、効率性をいかに繁栄に結びつけるかが課題となっている」と指摘。

スイスやシンガポールなど、天然資源を持たないにもかかわらず生産性の高い経済モデルを構築している国から、効果的な制度と政策について学ぶ必要があると指摘した。

日本の競争力は、アジア太平洋地域のみのランキングでは14カ国中11位だった。

今年の競争力ランキングでは、デンマークが首位を維持し、2位がアイルランド、3位はスイスとなり、これにシンガポールとオランダが続いた。米国は9位、英国は29位だった。”(出典:NNA ASIA via Yahoo! JAPAN

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オーストラリア ライフスタイル&ビジネス研究所:オーストラリア版新幹線実現へ向け、東海岸縦断ルート視野に高速鉄道局発足

オーストラリア版新幹線実現へ向け、東海岸縦断ルート視野に高速鉄道局発足

” オーストラリアで高速鉄道の実現を目指す連邦政府の高速鉄道局が13日、発足した。アルバニージー政権が青写真を描く「オーストラリア版新幹線」の開発計画を担う。

担当大臣のキャサリン・キング連邦インフラ・交通・地方開発・地方政府相は「高速鉄道は東海岸の州間移動に革命的な影響を与える。

持続可能な人口分布と地方に幅広い経済効果をもたらす。時速250キロを超えるスピードで大都市と地方都市間の高速移動を可能にするだろう」と述べた。

オーストラリアでは1980年代から約40年にわたり、高速鉄道建設のビジョンが浮上しては消えていった経緯がある。

今回の構想は、アルバニージー首相の労働党政権が昨年の選挙で公約。政権は手始めに、シドニーと北方セントラル・コースト間の第一期工事に5億豪ドル(約475億円)の予算を計上した。

建設費は10年前の試算で約12兆円

オーストラリア初の高速鉄道が具体化に向けて一歩踏み出した格好だが、全体構想の実現に向けたハードルは高い。史上最大級のインフラ整備の国家予算とされる1,300億豪ドル(2013年調査時の貨幣価値=現在のレートで約12兆4,000億円)もの莫大な建設コストの割には、費用対効果が見込めそうにないことが最大のネックとなる。

もっとも、シドニーとメルボルン、ブリスベンを結ぶ航空路は世界でも有数の混雑路線となっており、高速鉄道が開業すれば一定の需要を取り込めることは確かだろう。

走行時に温室効果ガスをほとんど発生しないため、カーボンニュートラル(温室効果ガス排出量実質ゼロ)を目指す国策にも合致する。

航空機の代替となり得るのか?

ただ、オーストラリアでは主要都市間の距離が長く、その間に一定の規模がある地方都市もほとんどない。シドニー・メルボルン間はおおむね1,000キロ、シドニー・ブリスベン間は900キロ以上離れている。

ルートにもよるが、単純計算すると、政府が想定する時速250キロの車両ではノンストップでも各都市間の所要時間は4時間前後かかる。

高速鉄道の需要が航空機を上回るとされる「4時間の壁」を超えられるかは微妙だ。

仮に、時速360キロを目指すJR東日本の次世代新幹線車両を導入したとしても、航空機に代わる都市間移動の主役になるかどうかは見通せない。

アルバニージー首相は先の選挙戦で「私のビジョンは、ブリスベンから(シドニー経由で)メルボルンまで走る高速鉄道だ」と述べていた。

東海岸の主要3都市を結ぶ南北約2,000キロの「オーストラリア版新幹線」が念頭にあることは明らかだが、現時点で予算化したのは第1期工事のシドニー北方のわずか約80キロの区間にすぎない。

最終的なルートや運行方式、開業時期などははっきりしていない。日本の新幹線全線(約3,000キロ)の約6割にもおよぶ壮大な全体構想の実現は、遠い将来のことになりそうだ。”(出典:NICHIGO PRESS

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オーストラリア ライフスタイル&ビジネス研究所:失業率 − 2023年5月

失業率 − 2023年5月

” 豪連邦統計局が15日発表した5月の雇用統計は、就業者数が予想以上に増加した。失業率は低下し労働参加率は過去最高となった。

労働市場が依然として逼迫していることを示す結果となり、オーストラリア準備銀行(中央銀行)に利上げ圧力がかかるとみられる。 就業者数は前月比7万5,900人増加。

市場予想は1万5,000人増、4月は4,000人減(改定値)だった。4月の減少はイースター休暇が影響したとみられる。 失業率は3.6%と約50年ぶり低水準付近となった。前月は3.7%、市場では横ばいが予想されていた。

労働参加率は4月の66.7%から66.9%へ上昇し過去最高を更新した。女性の労働力人口増加が寄与した。正規雇用者数は6万1,700人増加した。4月は2万8,600人減に改定された。

中銀は政策金利を11年ぶり高水準の4.1%まで計400ベーシスポイント(bp)引き上げているが、インフレ抑制に向けてさらなる措置が必要になるとの見方が高まった。

雇用統計を受けて市場が織り込む7月の0.25%利上げ確率は約50%となった。11月までに政策金利が4.6%に達することがほぼ確実視されている。

豪国債市場ではリセッション(景気後退)の可能性を示すシグナルとされる逆イールドが一段と拡大し、10年債と3年債の利回り差はマイナスに転じた。

ANZのオーストラリア経済担当責任者、アダム・ボイトン氏は雇用統計を受け、政策金利が8月までに4.6%でピークに達すると予想。従来予想の4.35%から上方修正した。

「軟調だった第1・四半期国内総生産(GDP)は雇用の伸びが今後数カ月でかなり鈍化することを示唆しているが、年初からの雇用データが全般的に強いことは否定できず、経済にある程度の勢いが続いていることがうかがえる」と語った。

オックスフォード・エコノミクス・オーストラリアのマクロ経済予測責任者ショーン・ラングケーキ氏は「労働市場は依然としてかなり引き締まった状態で、2023年の賃金上昇を後押しする」と述べた。

「豪中銀は6月の利上げ後もタカ派的なトーンを維持し、基調的なインフレの持続に懸念を表明している。今回の結果はこうした懸念を和らげることには全くならない」と指摘した。”(出典:REUTERS via Yahoo! JAPAN

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