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オーストラリア ライフスタイル&ビジネス研究所:「おかえり、ファーディー」スコット・ファーディー 6年半ぶりの釜石帰還

「おかえり、ファーディー」スコット・ファーディー 6年半ぶりの釜石帰還

” 「ファーディー!ファーディー!」

小さな体育館に子どもたちの愛らしい掛け声が響く。被災地・岩手県釜石市の小佐野小学校。

歓声の先では、あごひげ、坊主頭の197cmのオーストラリア人が楕円のボールを追いかけていた。

3月12日の月曜日の午前。震災時、釜石のラグビーチーム、釜石シーウェイブス(SW)に所属していたスコット・ファーディー選手が6年半ぶりに”里帰り”した。

『復興「ありがとう」ホストタウン事業』の一環だ。小学校では、6年生の子どもたちと交流し、タグラグビーを一緒に楽しんだ。

「子どもたちが元気で疲れました」と、ファーディーは顔をほころばせた。

33歳のラグビーワールドカップ2015年大会の豪州代表選手。まじめな性格は相変わらずで、子ども相手でも必死に走り回った。

「最高の時間を過ごせました。ずっと釜石のことを想っていました。懐かしい。まちの復興の様子も見ることができて、うれしかったです」

あの日、この日参加した子どもたちはまだ、4歳か5歳だった。2011年3月11日。ファーディーは釜石に来て3年目だった。「人生を変えるような瞬間」を体験した。

練習後、山側の自宅に戻った時に大きな揺れが始まった。まちの海側は津波に襲われた。釜石では1,000人を超える死者・行方不明者を出した。混乱、絶望、失意……。

震災直後、釜石を訪ねた際、ファーディーは怪力を生かし、元ニュージーランド代表のピタ・アラティニらチームメイトと一緒に救援物資センターで大きな荷物を運んでいた。ボランティア活動だった。

当時、ファーディーは26歳。オーストラリア大使館の車が釜石にやってきて帰国を勧めたが、その申し出を断り、釜石に残って救援活動に奔走していた。彼は「ここに仲間がいるから」と理由を説明した。

「だって、ラグビーはワン・フォア・オール、オール・フォア・ワン(ひとりはみんなのために、みんなはひとりのために)でしょ」

東日本大震災から7年を迎えた11日、ファーディーは釜石に戻ってきた。

いま、アイルランドのクラブチームに所属している。優しく、思いやりのあるファーディーは所属クラブのウェアやグッズの土産をわんさとスポーツバッグに詰めて、釜石に帰ってきた。

その日の夜は釜石SWの松倉グラウンドそばの酒・雑貨屋の隅っこでラグビー仲間と缶ビールを口にした。笑い、語らい、人生の不思議さを思った。「運」と「縁」である。

ファーディーと同じく2009年に釜石入りした長田剛コーチは顔をくしゃくしゃにする。3年間、一緒にプレーした。ふたりは大の仲良しだった。

「彼(ファーディー)とは、よく一緒に飲んでいました。ずっと釜石を忘れずにいてくれたのはうれしいですね。誇りにもしてくれているのかな」

ラグビーワールドカップ2019アンバサダーも務める釜石SWの桜庭吉彦ゼネラルマネジャーはこう、漏らした。

「心強いですね。ええ、彼の思いが。釜石に戻ってきて、昔のように振る舞ってくれる。心強いです」

12日朝、ファーディーはひとり、ホテルの周りを散歩した。震災当時、瓦礫(がれき)の山だった川、海沿いの市街地を歩いた。

まちはほとんど復旧している。でも、プレハブの仮設住宅はまだ、釜石市内には残っている。

復興はまだ、道半ばであろう。その過程において、来年秋、釜石でも開催されるラグビーワールドカップが復興を促進させる「希望」となっている。

ファーディーは、小学校訪問のあと、震災で津波に飲み込まれた鵜住居(うのすまい)地区に建設中の釜石鵜住居復興スタジアム(仮称)も見に行った。

鉄骨で組み立てられた櫓(やぐら)の上まで上がった。気温7度。潮風は冷たく、櫓の上はちょっぴり怖かった。

青空の下、北西の大槌湾に向かって翼を広げているように見える白色のメインスタンドの屋根がキラキラ光っている。観客席の設置や塗装工事、芝張りなどはこれからだが、土台部分はほぼできあがっている。

スタンドの屋根は新たな釜石の船出を象徴するかのごとく、白鳥が羽ばたいているようにも見える。ファーディーは漏らした。

「いいスタジアムだな。小さなラグビーのまちに小さなラグビーのスタジアム。でも、大きく、未来に向かって飛び立つみたいだ」

釜石でのワールドカップはお祭りみたいな大会にしてほしい、と言葉を足した。

「釜石の祭りを見て、熱い人が多いなと思っていました。ハートフルな人が多い。試合も祭りみたいになるんじゃないでしょうか。釜石ソング(釜石SW応援歌)も、釜石のフラッグ(大漁旗)も。にぎやかになる」

ファーディーはこのあと、松倉グラウンドに車で戻り、釜石商工高校と釜石高校のラグビー部員にラグビーを指導した。

夜は、野田武則市長らと共にタウンミーティングに参加した。一日中、釜石市民との交流を楽しんだ。

「おかえり、ファーディー!」と銘打ち、来年のラグビーワールドカップへの期待などを語り合った。

そういえば、冒頭の小佐野小学校のタグラグビー交流のあと、ラグビーワールドカップのことを聞くと、ラグビーチームのキャプテン、小学校6年の及川勝太くんは目をキラキラと輝かせながら、こう言った。

「釜石のみんなが元気で明るくなれるような大会になってほしい。これだけ、まちが復興したんだというのを、みんなに見せられるような大会にしたいんだ」

小佐野小学校の2階の校長室。壁にはひとつの白い色紙が飾ってある。真ん中には大きな黒い文字でこう書かれている。”(出典:web Sportiva

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オーストラリア ライフスタイル&ビジネス研究所:聖パトリックデー 緑とビールで祝う

聖パトリックデー 緑とビールで祝う

” 17日の聖パトリックデーを祝うため、シドニーにあるオーストラリアで最長寿のアイリッシュ・パブでは100樽以上のギネスビールが「念には念を入れて」用意され、朝から緑色に身を包んだ客たちを迎え入れた。

ロックスにある「マーカンタイル」には、 朝7時の開店から400人が朝食を食べに訪れ、客の何人かはギネスビールをパイントサイズで飲んでいたという。

同パブには、夕方の4時までに2,000人以上が訪れており、朝食とランチの時間にはアイルランド人ダンサーが余興をし、夕食時にはアイルランドのバンドがフォークソングを歌ったり、民族ダンスのジグを踊ったりした。

NSW大学のアイルランド研究をしているローナン・マクドナルド教授によると、オーストラリア人の3分の1がアイルランド人の血を引いているという。”(出典:JAMS TV

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オーストラリア ライフスタイル&ビジネス研究所:35歳未満の日本不動産への投資が加速

35歳未満の日本不動産への投資が加速

” オーストラリア人は価格の安い日本の不動産への投資を加速しており、特にスキーリゾートが人気の投資先になっている。11日付サンヘラルドが伝えた。

専門家によれば、シドニーやメルボルンと比べて安価な日本の不動産は、特に国内の不動産が高すぎて手が出ない若いオーストラリア人を引きつけているという。

シドニー在住の港湾労働者のジェイク・ヒース氏(33)は約10年前、北海道のニセコのスキー場で働いた後、シドニーに戻る直前に日本で初めての不動産を購入した。

ヒース氏の夢は、ニセコにスキー客のための小さな家を建てることだが、オーストラリアと日本の間の融資条件の厳しさが障害になっているという。

同氏は半年前から融資を申請しており、承認されるのを待っている状態だ。同氏を含め、ニセコに投資を行うオーストラリア人は多い。

同じスキーリゾートである長野県の白馬村もオーストラリア人にとって人気の場所の一つで、7部屋の住宅が43万3,578豪ドル(約3,600万円)で購入できる。

オーストラリアのスキーリゾートのスレドボでは、ワンルームのアパートだけで24万豪ドルする。

日本への不動産投資を仲介するNippon Tradings Internationalのジブ・マーゲン氏は、顧客の40%がオーストラリア人だと説明。

日本政府が外国人による土地の購入や所有に規制を設けていないことを理由の一つに挙げている。

電信送金のOFXによれば、35歳未満のオーストラリア人による不動産投資のための海外送金は2015年から17年末の間に80%増加しており、このうち5割以上が日本の不動産投資用だという。”(出典:NNA ASIA

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オーストラリア ライフスタイル&ビジネス研究所:世界で最も億万長者が住む国TOP20(#14 オーストラリア)

” 中国を拠点に富裕層向け雑誌を出版している「胡潤百富(2018 Hurun Global Rich List)」がこのほど発表した報告書の中で、資産総額10億ドル(約1000億円以上)の超富裕層にあたる「ビリオネア(億万長者)が最も多く住む国」ランキング2018年度版リストを発表した。

世界で最も億万長者が住む国はどこなのか、注目のランキングをチェックしてみよう。”(出典:msn

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オーストラリア ライフスタイル&ビジネス研究所:増加するホームレス数

増加するホームレス数

” オーストラリア統計局(ABS)のデータによると、2011年から2016年の5年間で国内のホームレスの数は13.7%増加した。

ホームレス”には路上生活者、支援付き宿泊所や過密住宅で生活する人を含む。

2016年の国勢調査が行われた夜、国内のホームレスの数は11万6,000人以上。人口増を考慮すると、

10万人あたり4.6%に該当する。60%近くが男性で、65歳以上の女性の割合も急上昇した。20~30歳の男性が4分の1を占め、55歳以上の女性の割合も高かった。

ホームレス・オーストラリアのジェニー・スミス会長は、「ホームレスはライフスタイルの選択ではない。支援制度の機能停止であり、手頃な価格の住宅不足による問題」と話した。

ABSがホームレスのデータを発表したのは初めて。”(出典:Jams. TV

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オーストラリア ライフスタイル&ビジネス研究所:雇用ブームから、17年第4四半期の賃金及び給与が過去最高に

雇用ブームから、17年第4四半期の賃金及び給与が過去最高に

” 豪連邦統計局が発表した2017年第4・四半期の企業の賃金・給与(季節調整済み)が過去最高に達した。

賃金上昇率は低迷しているものの、雇用者数の増加により、国内の個人消費や購買力の増加に必要とみられていた賃金支払いが膨らんだとみられる。

統計局によると、同四半期の賃金は1,342億豪ドル(1,042億米ドル)と前期比で1.0%増、前年比4.3%増加した。

2017年の賃金総額の伸びは、個人の賃金の伸びの2倍以上となった。同年の総雇用者数は差し引きで40万3,000人増加した。

AMPキャピタルのチーフエコノミスト、シェーン・オリバー氏は「賃金上昇ではなく、雇用の増加が要因だ」と分析。

「個人レベルでは感じていないだろうが、少なくとも企業は、より多くの人にお金を支給しており、家計収入や国内総生産(GDP)を押し上げている」との見方を示した。

7日発表予定の第4・四半期GDPは1億8,000万豪ドルと、前期比0.6%前後の増加が見込まれている。

これは年率で2.5%増と、第3・四半期の2.8%から鈍化する見込み。ただ、リセッション(景気後退)なしに続いている経済成長は26年以上になるとみられている。

一方、統計局が発表した2018年1月の住宅着工許可件数は季節調整済みで前月比17.1%増加し、市場予想の5%を大きく上回る伸びとなった。12月は20.6%減少していた。”(出典:gooニュース

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オーストラリア ライフスタイル&ビジネス研究所:17年10〜12月期のGDP 前期比0.4%増

17年10〜12月期のGDP 前期比0.4%増

” オーストラリア統計局が7日発表した2017年10~12月期の実質国内総生産(GDP)は、季節調整済みで前期比0.4%増だった。

市場予想の同0.5%増を下回った。企業投資や輸出が振るわず、7~9月期の同0.7%増に比べ成長が鈍化した。

前年同期比では2.4%増だった。産業別では鉱業が前期比1.3%増、情報メディア・通信が同2.9%増など。農林水産業は同2.7%減だった。”(出典:日本経済新聞)

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オーストラリア ライフスタイル&ビジネス研究所:エストニアに期間限定のオーストラリア大使館オープン

エストニアに期間限定のオーストラリア大使館オープン

” オーストラリア政府は、エストニアの首都タリンに初めて、大使が1年のうちの2か月間だけ実務に携わる「期間限定の大使館」を開設すると発表した。

ジュリー・ビショップ外相は今月7日に声明を発表し、在エストニア豪大使館は短期間のみ開館し、それ以外の期間は、IT大国エストニアのネット上で開館すると述べた。

ビショップ外相は、「エストニアは世界で最も技術的に進んでいる国の一つだ」「この新しい大使館は、サイバー化、電子政府化、デジタル化への移行を目指すわれわれの取り組みを発展させ、

こうした問題に絡んだ、数多くの高水準の事象へのオーストラリアの関わりを支援するものでもある」と述べた。

駐エストニア豪大使には外交官のケリン・アヤララジュ氏が任命された。

2011年の調査によると、オーストラリアには8551人のエストニア系住民がおり、海外で最大規模のエストニア人コミュニティーとなっている。”(出典:AFPBB News

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