王谷晶さんが描いた暴力至上の女用心棒と会長一人娘の逃避行の結末:『ババヤガの夜』読了

「何かサイン本出てるかな〜」ふらっ〜と立ち寄った書店で

作品への興味刺激された帯及び売り出しの面での迫力。

> 日本人作家初!世界最高峰のミステリー文学賞 英国推理作家 > 協会主催 ダガー賞受賞作 2025 翻訳部門 訳:サム・ベット

と記された帯から作品に興味を持った王谷晶さんの『ババヤガの夜』を週初め(2025/11/3)読了。

ジャンルがミステリーで、あまり数を読めていないカテゴリーながら読書中のワクワク度の高さから気になる分野で興味惹かれたのも購入に至った一因。

ストーリーは、暴力沙汰から組員に拉致され、会長の一人娘の用心棒を強いられた血の気の多い女性を主人公(新道依子)を軸に展開。当初、育った環境の違いから相容れぬ関係もとある出来事から距離を狭め、陥った追っ手から逃れる事態を経て迎える結末・・

裏表紙には

> 血が逆流するような描写と大胆な仕掛けで魅せる不世出のシス> ター・バイオレンスアクション

とあり、そういった生々しい描写に、購入時に少々気になった

賞を取るくらいの作品だから特異な設定に複雑な展開等でストーリーに入り込めない或いは落ちこぼれるのでは?といった懸念は読み始め後早々杞憂に終わり快調にラストまで。

最後はスト〜ンと一発で腹落ちさせられるほどシンプルに非ず、また想像していたミステリーとは趣を異にする(<どんでん返し)読後感ながら

購入本に書かれていたサイン

巻末の 深町秋生さんによる 解説  クラッシュ&フリーダム での

” この快作はいきなりノーモーションで繰り出されたわけではない。女性同士の様々な関係を描いた短編集『完璧じゃない、あたしたち』(ポプラ社  2018年)、女性はこうあるべきという洗脳や偏見に対して中指を突きつけるエッセイ集『どうせカラダが目当てでしょ』(河出書房新社  2019年)で、本作の原型やテーマ性を見ることができる。”(p193-194)

という論評を含め、王谷晶さんが描く世界観にしかとフラグを立てられた著書でありました。


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