オーストラリア ライフスタイル&ビジネス研究所:失業率 − 2021年6月

失業率 − 2021年6月

” 豪統計局(ABS)の最新労働統計でオーストラリア国内の失業率が10年ぶりに5%を下回り、4.9%になった。前月は5.1%だった。7月15日付ABC放送(電子版)が伝えた。

ただし、この数字は連邦政府の経済政策の成果ではなく、1年以上に及ぶ国境閉鎖で移入労働力がほぼ完全に途絶えていることによるものとされている。

現在のNSW州大シドニー地域のロックダウンは、この地域が国内で最大の経済地域であるだけに今後何か月かの雇用データに大きな打撃が予想される。

さらに7月15日深夜にはデルタ株アウトブレークが18人になったVIC州も5日間の緊急ロックダウンに入るため、同日、スコット・モリソン連邦首相が記者会見を開き、VIC州労働者向けの緊急経済刺激交付金計画を発表した。

今回大シドニー地域のアウトブレークはシドニー都市圏東郊で拡大していった後、ロックダウンが遅れたため、シドニー都市圏南西部などに飛び火して震源地がそちらに移動した。

VIC州政府は今回のデルタ株アウトブレークでシドニー同様の結果になることを防ぐために早めに短期ロックダウンに踏み切ったと見られる。

この2つの経済中心地がコロナウイルス・アウトブレークとロックダウンで経済が停滞することで今後のオーストラリアの経済回復に大きな影響が出るものと見られている。

コモンウェルス銀行豪経済部のガレス・エアード氏は、「2021年度のオーストラリア労働市場は異例なほど強力に推移した。

しかし、大シドニー地域がロックダウンに入ったため、その動向も大きく転回している。

労働市場はロックダウンがどれくらい続くかで大きく左右されることになる。

2つの主要経済地域がロックダウンに入ったことで経済見通しは短期的には不明確になっている。

NSW州のロックダウンのため、かなりの数の労働者が一時帰休に入っている。

2020年4月5月の事例から考えれば、雇用が20万人減少し、今後何か月かは失業者が5万人程度増えることが予想される」と語っている。

また、国境閉鎖のため、30万人の雇用が減じているが、国境が閉鎖されているため、移入労働力が激減しており、その結果、失業率が押し下げられてきた。

エコノミストは揃って、「大シドニー地域とメルボルンのロックダウンの影響は今後2、3か月の失業率に現れてくるだろうと予想している。”(出典:NICHIGO PRESS

失業率の推移をフォローして5年超になりますが、確かに4%台の記憶はなく。コロナ禍でしばし実感と乖離した数値、統計に遭遇していますが、本文では波乱含みの展開も示唆されていますが、さて中長期的にはどのように推移しますか・・

上記はFacebookページ「オーストラリア ライフスタイル&ビジネス研究所」の2021年7月16日分の掲載記事です。

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