伊東潤さんが描いた戦艦大和が背負った哀しき宿命:『鋼鉄の城塞 ヤマトブジシンスイス』読了

作家  伊東潤さんの『鋼鉄の城塞 ヤマトブジシンスイス』を昨日読了。遡ること2年半ほど前、(建替え前の)八重洲ブックセンターで開催されたイベント時の結びで、

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「これから戦艦大和について取り掛かる」といった内々でのお話しを覚えていて、注目していた作品。

本書は、

” 京都帝国大学工学部造船学科を出て海軍に入り、呉海軍工廠に配属されて携わった最初の仕事が「大和」の建造だった。”(p483-484)

という造船士官を軸に、秘密裏に遂行された戦艦大和建造計画が進められる中

“「君たちの造ったフネは、無用の長物と化すかもしれんぞ。それだけは覚悟しておけ」”(p85)

と戦艦大和が背負った宿命、悲哀に

” ー そうか。奴らは誰かを使って新型戦艦を爆破しようとしている。”(p388)

と反政府活動家による敵対行動も絡み、やはり最終的には悲劇的な最期を迎えた戦艦大和を巡っての物語が綴られています。

入手本に書かれていたサイン(+落款)

伊東潤さんの著書らしく読み始め前は500ページに迫る厚み(491ページ)に腰が引け気味になるも、読み始めてから早々文中で繰り広げられるストーリーに吸引され、

大和と聞くと宇宙戦艦ヤマトを先ず想起してしまう世代であったところ、本書を通じ戦艦大和が背負った宿命、果たした歴史的役割、辿った軌跡について学ぶことが出来ました。

また、エピローグ に登場する霞が関ビル(ディング)に関してはリアルな接点を有していたことからこれから見え方変わるであろう契機にも。


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