門田隆将さんが迫った新型コロナウイルスを巡る攻防の舞台裏:『疫病2020』読み始め

作家でありジャーナリストである門田隆将さんが、新型コロナウイルス禍の深層に迫った『疫病2020』を読み始めてから

 第一章 飛び込んできた災厄

 第二章 お粗末な厚労省

 第三章 異変はどう起こったのか

 第四章 告発者の「死」

 第五章 怒号飛び交う会議

 第六章 中国依存企業の衝撃

 第七章 迷走する「官邸」「厚労省」

 第八章 台湾の完全制御作戦

 第九章 リアリストたちの反乱

 第一〇章 「自粛」という名の奮戦

 第一一章 武漢病毒研究所

 第一二章 混沌政界へ突入

 第一三章 中国はどこへ行く

 第一四章 未来への教訓

と章立てされているうち「第五章  怒号飛び交う会議」まで読み終えたのでおさらい。

感染拡大は如何にして防げなかったのか

本作については、門田隆将さんのTwitterで時折言及されており、

出典:門田隆将さんTwitter(画像はTweetにリンク)

帯に記された

” 一〇〇年に一度と言われるウイルス禍の日本、中国、世界。再び「あのとき」を体験し、検証し、本質を抉る全く新しいノンフィクション ”

本書、帯

の文言も刺激的で、購入早々に読み始め。

悲劇の図式

本書について「はじめに」で

” 私は、新型肺炎発生からの事象を細かく追いながら、さらにSARS(重症急性呼吸器症候群)の際の教訓を徹底的に生かした台湾と、それを全く生かせなかった日本を比較しつつ、今回の新型ウイルス発生の意味を描かせてもらおうと思う。”(p5)

と記され、

日本国内初の新型コロナウイルス罹患者が報じられた翌週(1月22日)の時点で

” 私はこの時点で、安倍政権の対策が「原発事故時の民主党政権と同じだ」と感じていた。危機の本質と真実を掴むことができず、ただ右往左往する姿である。”(p21)

と、門田隆将さんが直前に厳重な体制を敷いていた台湾に渡航されていた経緯から両国の認識の差に愕然とされ、

元来、

” 厚労省の官僚にとって「国民の命など関係ない」ということにほかならない。いや、そもそも「国民の命は考慮にない」といった方が正確かもしれない。”(p33)

という過去の対応から浮かび上がる厚生労働省の体質に、

“「武漢が封鎖される一週間以上前から、上海は事実上「封鎖」に近い状態になっていたんですよ。ピリピリした空気に包まれ、居住する街区に居住者以外は入れなくなっていましたし、上海へ入る高速道路も規制が始まっていました」”(p106)

という知られざる中国国内で採られていた(であろう)対応に。

炙り出されるものは?

いまだ出口の見えぬ状況で進行中の新型コロナウイルスを巡る各対応ですが、

これまでの経緯が、門田隆将さんの丹念な取材をもとに解き明かされており、どのような展開を見せるのか、興味深く中、後半へ突入したく思います。


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