秋元司 衆議院議員/KIWAMIプロジェクト研究会代表が、提唱する観光先進国実現の道筋:『世界から大富豪が訪れる国へ 日本の極みプロジェクト』読了

秋元司 国土交通副大臣兼内閣府副大臣兼復興副大臣が代表を務めるKIWAMIプロジェクト研究会での議論内容がまとめられた

『世界から大富豪が訪れる国へ 日本の極みプロジェクト』を読了。

<< 2018年7月28日投稿:画像は記事にリンク >> 秋元司 国土交通副大臣『日本の極みプロジェクト』刊行記念 トーク&サイン会(ゲスト 小沢仁志さん、元木大介さん)参加記

先月末(2018年7月)に開催された↑(本書)刊行記念イベント(トーク&サイン会)の対象書籍として入手していたもの。

一口に「お金持ち」と云っても、上には上がいるもので、本書でターゲットされているのは

” 一般的には、100万ドル以上の投資ができる資産を所有する世帯が富裕層と定義され、さらに富裕層(HNWI/high-net-worth-individual)の中でも、3,000万ドル以上の投資ができる資産を所有する世帯が超富裕層(UHNWI/ultra-HNWI)とされています。”(p23)

と後者で定義されている「超富裕層」。

日本は

” イギリス出身で日本の文化財の専門家であるデービッド・アトキンソン氏は、観光立国に必要な4つの条件を提示しています。

その4条件とは「気候」「自然」「文化」「食事」であり、彼によれば、日本はこれら4条件を満たす世界でも稀有な国だそうです。”(p26)

恵まれた条件を有しながらも、これまで日本で採られてきたインバウンド投資促進策は・・

” 主に広報・情報発信、企業の誘致活動やマッチング支援などが中心で、彼ら超富裕層の誘引を念頭に置いた戦略は採られてきませんでした。”(p13-14)

そして、

” 超富裕層を惹き付けるためには大きく3つの観点が重要になりそうです。

第1に、日本での滞在場所となる施設=「ハコ」、第2に、移動手段=「アシ」。そして、第3に、滞在を楽しめる「サービス」。

この「ハコ」「アシ」「サービス」の充実をいかに図っていくかが、ポイントになります。”(p35)

と、本文では海外の事例などをもとに日本の課題、取り組むべき提案が記されています。

興味深かったのは、既述のアトキンス氏(『新・観光立国論』の著者)の指摘に基づく

” わが国の「おもてなし」は、日本人だけが共有している価値観の押し付けになっているきらいがあるというのです。

むしろ、超富裕層を念頭におけば、日本人の価値観ではなく、彼らの価値観を踏まえた上で、有償であっても十分評価されるサービスは何かを考えるべきなのです。”(p46)

との見解。

観光で輝かす日本の未来

要は、インフラの整備もなければ、意識もまったくといって良いほど確立されておらず、

ようやく日本国内でも、虎ノ門ヒルズレジデンスや、フォーシーズンズホテル京都などの先行事例が登場したものの

例えばアジアでは香港、シンガポールといった競合国に太刀打ち出来る次元に達しておらず、

まず、その辺の意識づけ、啓蒙といった役割を果たすことになる一冊といえそうです。

私自身が馴染んでいる庶民の感覚とは隔たりが大きく、読んでいて楽しい気分にさせられる著作ではないですが、

一つ日本(日本人)の進むべき道筋は示されており、まっさらである分、今後、台頭してくるカテゴリーではあり、先行すれば先行者利益ということにも!?

なお、イベントに登壇されていた俳優の小沢仁志さん、元讀賣ジャイアンツ 元木大介さんは、俳優の橋本マナミさんとともに第5章 日本の極みプロジェクト<座談会>で、秋元司さんの進行のもと幾つかの提言をされています。


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