筒井康隆先生が描いた九篇の混沌:『東海道戦争』読了

筒井康隆先生の『東海道戦争』を読了。

サイン本入手機会に

たくさん購入出来た筒井康隆先生サイン本、2021年はこれで最後!?

即反応して入手していた一冊。

本書は、

 東海道戦争

 いじめないで

 しゃっくり

 群猫

 チューリップ・チューリップ

 うるさがた

 お紺昇天

 やぶれかぶれのオロ氏

 堕地獄仏法

の九篇を収録した短篇集。

“「東海道戦争?」

「ええ、東京と大阪の戦争だから、そう呼ぶのがいちばん適当でしょう」

「何ですって、じゃあ、さっきから敵だ敵だといっていたのは、東京のことなんですか?」”(p21)

というタイトルに掲げられた「東海道戦争」に、

” 先ほどから非常に奇妙な、そしてまた重大な事態が発生しています。

この現象は、正確には二十二日午前八時四十一分十秒から、同五十一十秒までの十分間、時間が連続的にくり返しを行なっているものであります。”(p117)

なる筒井康隆先生らしい特異な状況設定された「しゃっくり」に、

” 恍瞑党が政権を握ってから足かけ四年 ー だがその間、法王にしろ、総花学会会長にしろ、また、そのほとんどが理事長クラスの総花学会最高指導者を兼ねている恍瞑党の中央幹部会のメンバーにしろ、発表するメッセージの内容は、みな同じようなものだった。”(p265-266)

と、本書は1973年8月出版ながら今も影響力を持つ政党に矛先を向けた(であろう)毒づきに・・

購入本に書かれていたサイン

前半は(移動)ながら読みでの情景掴みに苦戦気味であったものの次第に感覚を掴め!?全315ページ(別途、石橋喬司さんによる「筒井康隆の宇宙」)九種の混沌とした世界を二日で読了に至りました〜


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