「novel:小説」カテゴリーアーカイブ

又吉直樹さんが描いた、もがき苦しむ者たちの葛藤:『人間』読了

芥川賞作家、ピース又吉直樹さんの新作『人間』を読了。

刊行記念イベント⬇︎に参加し入手していた著書。

<< 2019年10月11日投稿:画像は記事にリンク >> 又吉直樹さんサイン会 『人間』刊行記念 参加記

初の長編小説ということで全366ページに及ぶ分量もあり、読了時の感想は、まず「長かったなぁ」というのが、実感。

大きくは話しが3つに分かれ、シェアハウスの住人中心に作品展をやることになり、そこで話題を集めた主人公の作品に盗作の嫌疑がかけられ・・

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池井戸潤さんが爽快に描き切った左遷人事で奮起したサラリーマンのラグビーチーム運営奮闘記:『ノーサイド・ゲーム』読了

池井戸潤さんが、ラグビーを素材に描いた小説『ノーサイド・ゲーム』を読了。

TVドラマ放映が終わったばかりで、今更感がありながら、本書を手に取ったのは

最後の一冊、となっていたサイン本販売。

立ち寄った書店で、最後の一冊となっていたサイン本を見つけていたことから。

存分に伝わるリアリティ

本の最後、

“この物語はフィクションであり、実在の会社、人物等のモデルはありません。 “(p404)

と注意書きされているものの

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柴田元幸さん訳、スチュアート・ダイベック『シカゴ育ち』読了

柴田元幸さん訳、スチュアート・ダイベック『シカゴ育ち』を読了。

先月(2019年8月)読了した

<< 2019年8月19日投稿:画像は記事にリンク >> 柴田元幸さんが、アメリカにロックもろもろ軽快に語った体温伝わるエッセイ集:『柴田元幸ベスト・エッセイ』読了

『柴田元幸ベスト・エッセイ』に、

” 自分が訳した本はどれも愛着があるが、シカゴのサウス・サイドでの少年時代を描いたスチュアート・ダイベックの『シカゴ育ち』は、とりわけ愛着のある一冊である。”(p26)

とあり、シカゴに滞在歴があり、シカゴ・ベアーズなり、シカゴ・カブスに愛着を持つ者の一人として興味を持った著書(短編集)。

文学で感じてみるシカゴ

シカゴについて、よく入り込んでいける一冊との期待感を持って読み始め

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新海誠監督が描いた、バッテリーがからっぽになるまで力を使い果たしてしまった主人公たちの夏:『小説 天気の子』読了

映画監督新海誠さんの『小説 天気の子』を読了。

映画『君の名は。』の構成が

<< 2017年1月1日投稿:画像は記事にリンク >> 今さらなんだけど映画『君の名は。』を観に行って、新海誠監督が描き切った世界観に浸ってきた

重層的(「観る度に発見がある」と言われている)であったことから、

新海誠作品を本で読むのに苦戦、

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柴田元幸さん訳 スティーヴン・ミルハウザー『私たち異者は』読了

先月(2019年7月)、刊行記念トークイベントに参加した

<< 2019年7月2日投稿:画像は記事にリンク >> 翻訳家 柴田元幸さんに刺激されたアメリカ文学の魅力:柴田元幸 『私たち異者は』刊行記念トークイベント 参加記

『私たち異者は』読了。

イベントに参加していたものの、果たして内容を消化し切れるか自信なく、なかなか手が伸びていかない状況でしたが、

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川村元気さんが綴った失われし恋人への想い:『四月になれば彼女は』読了

川村元気さんの『四月になれば彼女は』を読了。

川村元気さんの作品は、先月(2019年7月)読んだ

<< 2019年7月17日投稿:画像は記事にリンク >> 川村元気さんが描いた認知症を患い日々遠のいていく母の存在:『百花』読了

『百花』に続いて2冊目。

読み始めて「あれ、これ短編集?」と思わされましたが、本作は

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津原泰水さんが描いた一歩踏み出したヒキコモリたちが掴む現実:『ヒッキーヒッキーシェイク』読了

津原泰水さんの『ヒッキーヒッキーシェイク』を読了。

SNSで炎上して本書のことをおぼろげに知り、

出典:ITmedia NEWS(画像は記事にリンク)

洋楽好きとして

Georgia Satellites Hippy Hippy Shake  *オリジナルはThe Swinging Blue Jeans

反応してしまうタイトルに ^^

虎ノ門ニュース」で経済評論家須田慎一郎さんが、津原泰水さんの文書力を絶賛されていて

銀座 蔦屋書店で発見したサイン本

サイン本を見つけて入手していたという経緯。

“「ちょっとした人間造りに参加してほしい」”(p56)

という謎めいたプロジェクトを招集したヒキコモリ カウンセラーと招集されたヒキコモリたちが

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百田尚樹さんが爽やかに描いた少年たちが勇気を得たひと夏の物語:『夏の騎士』読了

百田尚樹さんの小説では引退作となる『夏の騎士』を読了.-

東野圭吾さんに宮部みゆきさんに、更には直木賞&芥川賞受賞作発表など

例がないほど話題作が書店の新刊コーナーに並ぶ中、

三省堂書店有楽町店で文芸部門1位(7/24撮影)

抜き出た売れ行きとなっているようで、百田尚樹さんご自身の並々ならぬ思い入れに自信などから楽しみにしていた新作。

百田尚樹版 スタンド・バイ・ミー

百田尚樹さんに寄せられる感想の中で、「(250ページ)一気に読んだ」との声が目立つところ

出典:百田尚樹さんTwitter(画像はアカウントにリンク)

私自身も、前日にさわりを読んだ翌日に移動時間を取れたことから一気にエンディングまで。

” ぼくは陽介と健太を前にしておごそかに言った。「三人で騎士団を作ろう」

・・中略・・

騎士団を作りたかった本当の理由は、そうすれば勇敢な男になれるかもしれないと思ったからだが、(以下省略)”(p10-11)

という、主人公が『アーサー王の物語』にヒントを得て結成した騎士団を軸に展開される小六の少年たちのひと夏の物語。

百田作品史上最高のマドンナが登場するとのことで「(それって)この人かぁ」と思っていたところ・・

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