古田敦也さん(元 東京ヤクルトスワローズ)に学ぶ、才能を力に変える考え方と努力:『うまくいかないときの心理術』刊行記念 古田敦也さん講演会 参加記

プロ野球(NPB)、東京 ヤクルト スワローズで選手、監督の立場で活躍された古田敦也さんの

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場所は1月下旬の高橋慶彦さん キャンプ直前 トーク&サイン会以来の八重洲ブックセンター

新刊『うまくいかないときの心理術』刊行記念講演会 に行ってきました。

当初、キャッチャーからピッチャーにかける言葉を題材にした出版の企画であったようですが、

100語とのオファーが15語あたりで止まってしまい、古田敦也さんがプロ野球に入ってくる選手たちを見てきた中で

上手くやっている人、力はあるのだけれど上手くいかない人の違いが分かるようになり、

そういった視点で本が仕上げられていったようです(まだ、未読のため詳細について把握していません)。

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参加者80名の枠は、告知後ほどなく満席に。講演60分+サイン会という構成。

プロ入り後、早々に首位打者に輝いた背景に戦略あり

講演では、野村克也監督とのベンチ裏での葛藤や(現在の)東京ヤクルト スワローズに入団してきた外国人選手との交流秘話であったり、

先日2,000本安打を達成した広島東洋カープの新井貴浩選手の話題であったり、1時間近くの講演で話題は多岐に及びました。

印象的であったのは今回初めて口外したとのプロ入り2年目で打率.340の数字を残し、首位打者に輝いた秘話。なお、1年目の打率は.250。

当時の打順は8番であったそうですが、投手心理としては例えば2アウトの時は8番バッター(=古田敦也さん)を抑えれば、

次の回は、9番(打線の中で最も非力な投手であることが多い)から始まることになるので打ち取っておきたい。

方や捕手心理としては8番バッターに打たれてしまうと、ベンチに帰って叱責されるので、危ない橋は渡りたくない。

捕手はベンチの指示でないと敬遠は出来ないことから、投手の苦手なボールを要求し、四球になってもいいようなリードをするようになる。

古田敦也さんは、このバッテリー心理を読み、苦手なボール=コントロールが甘くなる傾向を利用して、安打を積み重ねていったとのこと。

こういったことは他言しないで、黙っていることもプロの世界で生き抜いて上で大事とのこと(これは本に出てこないはず)。

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イベント中の様子.-

変わっていく勇気

また、プロで成績を残せない人は、それまでの前の段階(高校野球なり、大学野球など)成功体験にこだわってしまい、変わることを嫌う。

例えば、そういった選手はオフシーズンに(大学など)古巣に戻り、良い状態のフォームなどを確認しにいこうとするが

ポイントは自分が(バッターであれば)打てなかった理由を把握し、その改善に注力するということ。

かつての居心地の良い場所に戻って、ちやほやされたり、勇気づけられたりしても、良くなって戻ってきた試しはない。

古田敦也さんのお話ししで興味深かったのは「150キロの速球も朝から晩まで打ち続けていれば、誰でも打てるようになる」との指摘。

発言の前段に「プロ野球に入ってくる選手であれば」といった条件が付される感じでもなかったですが、考え方とともに努力によって後付けされる力も大きいようです。

既述の新井貴浩選手は好例で、ドラフト6位で入団してくる選手はコネの場合も多いようですが、そう見做されるほど打力以外のレベルはプロに程遠く、猛練習を重ね偉業達成と相成ったそうな。

変わることに関しては古田敦也さんご自身も、例えば社会人研修の時、トヨタ自動車で「イエスマンになってはいけない」と教育されるも、

プロ入り後の野村克也監督との関係では、状況に応じて最適な選択を行っていったとのこと。部分にこだって、全体に影響(ファーム行き、起用されないなど)されることがあっては不幸。

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滲み出る気さくな人柄

ぶっちゃけ気味の講演で場内がしばし爆笑に包まれる中、余韻を引きづる感じでサイン会へ移行。

一人一人、丁寧に為書きしてくれるファンサービスぶりで必然、古田敦也さんの前にたたずむ時間が長くなることから、質問を発する参加者(ファン)も多く

私から・・

「楽天の監督が変わる場合など、古田さんの名前が出ること多いですが、あれはマスコミが勝手に書いているもんなんですか?」

と問えば、古田敦也さんから・・

「よく出てるよね。俺もヤフトピ(Yahoo!トピック)で見て電話かかってくるのかな?と思ってたら、次の日に決まってたりね。だいたいああいうのが出る時点で決まってるんだよ」

と気さくに回答いただき、直のやり取りが一番嬉しかったです。

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やり取りの最中にいただいた為書き入りのサイン

阪神ファンとしては幾度となく煮え湯を飲まされ続けてきた(当時)古田敦也選手でしたが

次の現場復帰に当たっては、活躍を応援したくなりました。本の内容については、読了時に改めて紹介したいと思います。

 


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