落合陽一さんに学ぶ、停滞に終止符を打ち、戦況を好転させる日本再興のグランドデザイン:『日本再興戦略』読了

先日、中間記↓をアップロードした

<< 2018年2月19日投稿:画像は記事にリンク >> 落合陽一さんに学ぶ、停滞に終止符を打ち、戦況を好転させる日本再興のグランドデザイン:『日本再興戦略』中間記

落合陽一さんの『日本再興戦略』を読了。

時代を風を捉えるリーダー 2.0

本の後半、まとめ的なところ、これからの個人の在りようについて・・

” これから日本全体が非中央集権化していきますが、リーダーのあり方にも同じような変化が起きています。

これまでのリーダーの理想像は、一人で何でもできて、マッチョで、強い人でした。中央集権的なリーダーです。これをリーダー 1.0と名付けましょう。

しかし、これからのリーダーは、一個の独立した完璧な個人である必要はありません。

そもそも独立した個人という考え方じたいが、近代が生んだ幻想です。それ自体が古くさい。日本には合わない考え方です。

リーダー 2.0時代のリーダーは、すべて自分でできなくてもまったく構いません。

何かひとつ、ものすごくとがっている能力がよくて、足りない能力は参謀などほかの人に補ってもらえばいいのです。

リーダー 2.0時代のリーダーのひとつ目の条件は「弱さ」です。共感性の高さが求められるのです。

2つ目の条件は、「意思決定の象徴と実務権限の象徴は別でいい」ということです。

言い換えると、個々人は自分の得意分野に特化すればよくて、すべての実務権限を統括している人がいないということです。

・・中略・・

たとえば、スティーブ・ジョブズのように「俺がかっこいい製品をつくるから、意思決定も全部やらせろ」という独裁的なスタイルは、リーダー 2.0的ではないのです。

3つ目の条件は、後継者ではなく後発を育てる」ということです。自分の後を継ぐ人ではなく、新しいジャンルや会社をつくっていくような人材を育てられる人です。

たとえば、米国のペイパルという会社からは、ペイパルマフィアと呼ばれるくらい、多くの有名起業家たちが生まれました。

こうしたリーダー 2.0の逆が、まさにリーダー 1.0のリーダーです。マッチョで強く、意思決定と実務決定をすべて握り、後発ではなく後継者を育てるリーダーです。

いうなれば、リーダー 1.0の時代は、歌謡曲のボーカルの時代でした。エルビス・プレスリーのようなカリスマ的なボーカルが活躍する時代です。

政治家でいうと、トランプも完全にリーダー  1.0タイプでしょう。田中角栄もリーダー 1.0です。

それに対して、リーダー 2.0はバンドです。とがった個人が集まって音楽を奏でるビートルズのような形です。

リーダー 2.0に大切なのは愛されることです。カリスマというと、憧れみたいな感じなので近寄りがたい。

愛されるのはもっと貴重で、「この人が地球上からいなくなってしまったら、寂しい」という感情です。

愛されるためには、「自分は何でもできる」と言ってはいけません。

つまり、偏りのある人、ある分野にとても才能があるけれども、全然だめなところもあるような人のほうが、周囲が手を差し伸べやすいですし、バンドとしてうまくいきやすい。”(出典:位置 No.-2760-2777)

100の生業をマネジメントしていく考え方

或いは、

” 新しい時代に磨くべき能力とは何でしょうか。それは、ポートフォリオマネジメントと金融的投資能力です。

(中略)これからほぼすべての日本人が百姓になります。百姓とは100の生業を持つ人という意味ですが、

ひとつの職業訓練を受けて永遠にその職業についていれば大丈夫という考え方はなくなるということです。

これからの時代は、あらゆる人が、職業のポートフォリオを組みながら、暮らしていくことになります。

僕の場合も、大学教員としての稼ぎだけでは研究に関わるお金を自分で払いながら暮らしていくのは不可能です。

そもそも僕は、大学教員としての賃金を自分の会社から大学に入金しています。

それよりも本を書いたり、講演をしたり、自分の会社を経営したりすることから多くの収入を得ています。

それでも大学教員をやることは自分のミッションとして大事なのでやっているわけです。

つまり、これからの時代は、複数の職業を持った上で、どの職業をコストセンター(コストがかさむ部門)とするか、どの職業をプロフィットセンター(利益を多く生む部門)とするかをマネジメントしないといけません。

・・中略・・

今の教育スタイルは、ポートフォリオマネジメントの考え方がないので、どうしても専門家を育てようとしてしまいます。

すると、コストセンターとプロフィットセンターを分けるような考え方が出てこないので、優秀な人はみんな医者か弁護士か金融屋になってしまうのです。

・・中略・・

これまでの価値観では、ひとつのことを専門家としてするほうがかっこよく見えていますが、今後は、いくつもの職業を掛け持ちすることが大切になってきます。

・・中略・・

トップ研究者になるためには、時代感覚をつかむことが大事なのですが、日本人はこれがすごく苦手です。時代感覚をつかむ能力は、実は投資能力と近い。

だからこそ、ポートフォリオマネジメントの能力に加えて、金融的投資能力が求められるのです。

金融的投資能力とは、「何に張るべきか」を予測する能力です。

たとえば、うちのラボでも、つねにどのテーマに張るべきかを考え抜いた上で決めて、ライバルとの戦いを繰り返しています。

このサイクルで戦い続けるには、時代性を理解しなければならないのです。

一般的に、日本人は時代を読むのが苦手ですが、それは時代性に分かれたからだと思います。

ポートフォリオマネジメントをしたり、いろんなところに行ったりしていないので、タコつぼでしかものを見られないのです。

タコつぼにならないようにするためのコツは明確です。横に展開していけばいいのです。

ひとつの専門性でトップレベルに上りつめれば、他の分野のトップ人材にも会えるようになります。”(位置No.-2820-2853)

といった具合。

近未来を視る目

先日、読了した佐藤航陽さんの『お金 2.0』と同じく、

<< 2018年2月17日投稿:画像は記事にリンク >> 佐藤航陽さんに学ぶ、お金の問題を解決し、未来から歓迎される生き方:『お金2.0 新しい経済のルールと生き方』読了

時代の風を捉え、それを個人の生き方に落とし込んでいけるような内容、構成となっており、

読後、近未来への視界がクリアとなり、爽快な感覚を得られるものと思います。


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