百田尚樹さんが紡いだ古代から令和に及ぶ日本人の物語:『[新版]日本国紀』中間記

百田尚樹さんが、2018年に出版し賛否を二分するなど話題を集めた『日本国紀』に150ページ増量するなど文庫化にあたり新装された『[新版]日本国紀』を読み始めて

 第一章 古代〜大和政権誕生

 第二章 飛鳥時代〜奈良時代

 第三章 平安時代

 第四章 鎌倉幕府〜応仁の乱

 第五章 戦国時代

 第六章 江戸時代

 第七章 幕末

 第八章 明治維新

 第九章 明治の夜明け

 第十章 世界に打って出る日本

 第十一章 大正から昭和へ

 第十二章 大東亜戦争

 第十三章 敗戦と占領

 第十四章 日本の復興

 終章 平成から令和へ

と、章立てされているうち「第七章  幕末 」(上下巻に分かれた文庫版の上巻相当)まで読み終えたので、そこまでのおさらい。

手に取った(購入したのは)文庫ではなく、オリジナル判子+シリアルナンバー付の愛蔵版 出典:百田尚樹さんTwitter(画像はTweetにリンク)

本書は、

” 日本ほど素晴らしい歴史を持っている国はありません。

・・中略・・

神話とともに成立し、以来二千年近く、一つの国が続いた例は世界のどこにもありません。これ自体が奇跡といえるほどです。”(p1「序にかえて」)

の一文に始まる百田尚樹さんが膨大な書籍を参照してまとめ上げられた日本通史。

本編では

” 初代天皇の神武天皇は瓊瓊杵尊の曽孫にあたり、天照大神からすると五世孫にあたります。つまり皇室は神話と繋がっているというわけです。”(p68)

と神話と皇室の接点であったり、

” 「天が人君を立てるのは人民の為である。だから人民が根本である。人民が貧しいのは、自分が貧しいのと同じである。人民が富んだならば、自分自身が富んだことになるのだ」”(p72)

と、「民のかまど」として知られる日本人らしい価値観に、

” 細部はともかく清盛が頼朝と義経を殺さなかったことは事実です。つまり清盛の温情のようなものがあったのはたしかでしょう。私はそこに日本的なものを感じます。

これは中国やヨーロッパならまずありえないことです。将来、渦の種になりかねない敵の一族の息子などは粛清しておくのが覇道の常識だからです。”(p120)

といった歴史の分岐点に、さまざま史実が興味深い形で綴られています。

考えさせられ、想い及ばされる私たちの物語

序盤の

” 今、この本を書いている私も、そして読者の皆さんも、縄文時代の女性が命懸けで産み、育てた子供たちの末裔です。

飢餓、病気、戦争という過酷な環境の中で生き抜き、出産と子育てという営みが数千年以上繰り返されてきたこと、その結果、自分が今ここにいることを思うと、私は胸が熱くなります。”(p20)

など、随所に百田尚樹さんの想いに、見立てを踏まえながら時代が紐解かれていきます。

購入本見開きのオリジナル判子&シリアルナンバー

教科書のような史実を暗記させるような断片的な記載ではなく、

” ヒストリーという言葉はストーリーと同じ語源とされています。つまり歴史とは「物語」です。本書は日本人の物語、いや私たち自身の壮大な物語なのです。”(p3)

と、日本の歴史を読ませることに力点が置かれており、『日本国紀』と向き合うのは

<< 2018年11月28日投稿:画像は記事にリンク >> 百田尚樹さんが綴った、二千年以上に及ぶ奇跡の日本人の物語:『日本国紀』読了

ほぼ三年ぶりとなり、文庫化にあたって百田尚樹さんご自身「まったく新しい本として」としていったコメントもあったかと思いますが、改めて学びの機会となっています。


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