百田尚樹さんが綴った、二千年以上に及ぶ奇跡の日本人の物語:『日本国紀』中間記

百田尚樹さんが、

” 本書は日本人の物語、いや私たち自身の壮大な物語なのです。”(p3)

と、溢れる日本愛を一冊に込めた『日本国紀』を読み始めて

 第一章 古代〜大和政権誕生

 第二章 飛鳥時代〜平城京

 第三章 平安時代

 第四章 鎌倉時代〜応仁の乱

 第五章 戦国時代

 第六章 江戸時代

 第七章 幕末〜明治維新

 第八章 明治の夜明け

 第九章 世界に打って出る日本

 第十章 大正から昭和へ

 第十一章 大東亜戦争

 第十二章 敗戦と占領

 第十三章 日本の復興

 終章 平成

と章立てされているうちの「第七章 幕末〜明治維新」(〜280p/505p)まで読み終えたので、そこまでのおさらい。

ストーリーで読む「日本の歴史」

先日、開催された本書の刊行記念サイン会👇で入手してきて

<< 2018年11月16日投稿:画像は記事にリンク >> 『日本国紀』刊行記念 百田尚樹さんサイン会 参加記

やがて読み始めていたという、その後の時間経過。

まず、紙の本で500ページ超のボリュームに圧倒されますが、本書が

” 日本の通史を見る “(p137)

ことに力点が置かれており、特定の史実、認識を固執することなく、

大づかみで日本史を辿るスタンスが貫かれており、読みやすいです。

歴史本にありがちな教科書的な「****年に、****があった」という表面的なアプローチではなく、

重要事の背景について時に百田尚樹さんの見解を含め、簡潔に触れられており、読み物としても興味深く読み進められます。

百田尚樹さんに頂戴したサイン

歴史から紐解かれる日本人

これまでのところで特に刺さってきたのは、

” 聖徳太子が制定したといわれる、日本初の成文法「十七条憲法」は、驚嘆すべき先進性を秘めている。

そこには為政者である天皇の権威と力を誇示する文言はほとんどなく、人々が平和に暮らしていくための道徳規範が記されているからだ。

そして何より驚くべきことは、第一条にある(原文には一条ではなく、「一に曰く」とある)。

「和を以て貴しと為し、忤ふること無きを宗とせよ」(原文は漢文)

これが第一条の書き出しだが、まず「仲良くすることが何より大切で、争いごとは良くない」といっているのだ。この後、「何事も話し合いで決めよう」と続く。

これは言い換えれば「民主主義」である。

世界の国のほとんどが専制独裁国であった時代に、「争うことなく、話し合いで決めよう」ということを第一義に置いた憲法というのは、世界的にも珍しい画期的なものであったといえる。”(p42)

或いは江戸時代に火事に地震で多大な被害を受け、人命が失われたこと箇所での言及で

” 私たちの祖先は決して挫けなかった。悲しみと痛手を乗り越え、そのつど力強く立ち直ってきたのである。

日本人の持つ独特の「忍耐強さ」「互いに助け合う心」「過去を振り返らない強さ」「諦めのよさ」などの精神は、もしかしたら繰り返しやってくる災難に立ち向かってきたことで培われたのかもしれない。

その意味では、私たちの性格は日本という風土が生んだものといえるのだろう。”(p197)

と、日本人としての特性、矜持といった部分に言及されている点は、読み手として心鼓舞される内容でした。

核心の近現代へ

本は、百田尚樹さんが本書を通じて最も伝えたかったであろう学校の授業では殆ど触れられない近現代史に突入。

実際、本編が505ページ(別途【編集の言葉】)あるうちの約220ページ割かれており、

近隣諸国と埋めがたい溝が生じているデリケートな部分ですが、

どのような物語(含.百田尚樹さんの解釈)が辿られてきたのか、心して読み進めていきたいと思います。


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