日本軍の失敗を現代の文脈に生かす狙いで上梓され話題沸騰の『失敗の本質 日本軍の組織論的研究』中間記

とある受講予定のセミナー教材で、数日前に読み始めた『失敗の本質 日本軍の組織論的研究』

が、全400ページあるうち200ページを突破したので、そこまでの振り返り。

書店に立ち寄った際に平積みに、POP付きでの紹介に、或いは小池百合子東京都知事の愛読書?としても

文庫版の帯、裏側

初版が1991年8月ながら今でもバンバン売られている様子ですが、

思いのほか、書かれてある内容の読解に苦慮(人名、用語の馴染みの無さ、戦況について書かれてあることが情景として思い浮かばなかったり)しており、

皆さん、どのレベルまで噛み砕かれて読まれているのか、?というところもありますが、

大きくは

 序章 日本軍の失敗から何を学ぶか

 一章 失敗事例の研究

 二章 失敗の本質 ー戦略・組織における日本軍の失敗の分析

 三章 失敗の教訓 ー日本軍の失敗の本質と今日的課題

と分かれる構成で、そこに書かれてあることは・・

” ミッドウェーとガタルカナルは、よく知られているように、それぞれ大東亜戦争における海戦と陸戦のターニングポイントであった。

それまで順調に軍事行動を進ませてきた日本は、この二つの作戦の失敗を転機として敗北への道を走り始めたのである。

とくにミッドウェーは、作戦の成功と失敗の分岐点を明らかにする事例としても、注目される特徴を有している。

この作戦の失敗には、作戦目的の二重性や部隊編成の複雑性などの要因もからんでいるが、

米軍の成功と日本軍の失敗とを分かつ重大なポイントとなったのは、不測の事態が発生したとき、それに瞬時に有効かつ適切に反応できたか否か、であった。

ミッドウェーのケースでは、この点に着目して分析がなされるであろう。

他方ガタルカナルでは、やはり他の失敗した作戦と同じく、情報の貧困や兵力の逐次投入といった点が指摘されると同時に、

太平洋戦場で反攻に移った米軍が水陸両用作戦を開発しそれを効果的に用いたのに対し、日本軍がそれにまったく成功しなかった点にも注意が向けられる。

陸戦のターニング・ポイントとしてのガタルカナルには、日本軍がそこで実施すべき水陸両用の統合作戦の開発を怠ってきたことの欠陥や失敗という一面もあったのである。”(p29-30)

と、引用を序章から拾っているため二つの作戦の要点が大まかに絡めて記載されていますが、

現在、読み進めている一章では大東亜戦争の作戦ごとの掘り下げがなされています。

日本史なのか、世界史に属するのか、或いは一般教養なのか・・ バックボーンの理解度によって腹落ちする次元は異なってくると思いますが、

一冊を通じた読み進めの中で、研究を行ったグループが訴えたかったであろう大事なエッセンスは抽出されてくるであろうと、

残り半分、心して読書を継続したいと思います。学びの整理は、読了時点にまた改めて。

 


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