神田昌典さんが示す「優雅な国、日本」から導かれる未来:『挑戦する会社』読了

神田昌典さんの『挑戦する会社』を読了。

>> 神田昌典さんが教えてくれる、お金が必要な時の考え方:『挑戦する会社』読了直前 <<

今回は、先日、読了直前のタイミングでアップロードした上記の「お金が必要な時の考え方」周辺以外のところから。

コミュニティが創る現実

本の序盤では、環境が生み出す力について言及されていて・・

” コミュニティは「予想を大きく超える現実を作り出す」ということだ。” (p18)

神田さんが主催されている実践会の事例(抜粋)をもとに

“・ホームレスすれすれの白タク運転手が、1年後には年収3,000万円超に。

・たった1通の手紙を書きあげて以来、15年間、その手紙だけで集客を続ける業界リーダーに。

・今まで本を書くなんて夢の夢だった人たちが、続々とミリオンセラー作家に。” (p20)

神田さんご自身の体験談として

” 私は受験校として有名な開成高校に通っていた。昔も今も同じだけれど、開成高校は世間のイメージと異なり、受験教育なんてまったくやらない。

生徒が力を入れるのは、運動会と文化祭だけ。その影響で、私も3年生になるまで受験勉強なんてやらなかった。

それでも3年生になると、誰もがみんな東大を目指す。なぜなら、周りが当たり前のように東大を目指しているからだ。

東大に行くのが当たり前、それが開成の風土であった。 ・・中略・・

これと同じようなことが、私が学んだウォートンスクールでもあった。

ウォートンは毎年MBAランキングで世界トップ3以内に入るビジネススクールだが、

ここも周りが当たり前のようにベンチャーを興すし、一流企業に行くし、自分のビジネスを世界ベースで考えている。

だから、私も気がつけば世界ベースでビジネスを考える思考になっていた。 ・・中略・・

ダントツの結果を出したいなら、ダントツの結果を出す人の多い環境に身を置くべきだ。

コミュニティに入り、パワフルな仲間に囲まれていることで、自分を急加速させることができる。

さらに言うと、ライバルの存在で人は強くなる。自分ひとりでいると緩きに流れてしまうが、

いいライバルがいれば自分の能力に何十倍ものレバレッジをかけられるのだ。 ” (p22)

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時流に運ばれていく嗅覚

続いて、本の主題ともなるこれからの事業像に関して・・

” これからの時代、事業で成功するための鍵は何か?30年以上も前から、故・船井幸雄先生は 「時流が大事」と言っていた。

当初は、何を当たり前のことを言っているのかと思ったが、しかし・・・

私自身、経営コンサルタントとして成長してみてあらためて実感するのが、

時代を見る目が命だということだ。結局、すべては流れなのだ。

いったい、世界にはどんな流れがあり、それぞれがどこに向かっているのか?

時代が進む方向へと流れていく主流に乗って行けば、必ず可能性の大海にたどり着く。

しかし、時代の進む方向性とは異なる亜流に入り込んでしまうと、一時的に儲かったとしても持続するのは一瞬。

数年後には、そこの水は枯れ果てている。

大きな流れに乗って行けば、ことさらにテクニックを使うことなく、時代の先頭に踊り出すことが可能になる。” (p39-40)

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この点に関して、神田さんはここ数年の動きに対して・・

” 具体的に言うと、2004年あたりから、数々のIT企業が盛んに拝金主義的なビジネスをやり始めた。

逆に私自身は「これは、ヤバい」と察知した。拝金主義から一線を画し、家族との関係、社会への関わりの重要性を訴え始めた。

・・中略・・

その時、私が一番怖かったのは2015年あたりを目途に、世の中が大きく切り替わっていくことだった。

私はその先の時代 ー つまり拝金主義、お金だけ儲けていればいいというような価値観がはびこる時代の次にくるものをすでに予見していた。

次の時代にくるもの、それは何か?

ただお金が儲かればいいのではなく、世の中をどう発展させて収益を得るのか。

もしくは得た収益で世の中を、そして次世代をどう豊かにしていくか。

そういった社会性が関わるようになるということだった。” (p23-25)

” 賢い人はこれからもゲームのように稼ぐかもしれない。私たちが「日本がつぶれる前に海外へ脱出する」という考えであれば、

お金を拾うテクニックだけに頼っていてもよいのかもしれない。

しかし、私は思う。日本人に生まれたからには、日本人としてやるべきことがあると・・・。

誇り高い国を次世代にも引き継ぐのであれば、誇り高い背中を見せようじゃないか。

日本がお金を拾う国、テクニックで稼ぐ国になってしまったら、社会的な責任とか、徳とか、品格とか、誇りとか、そういうものが全部なくなってしまう。

だから今、考えるべきは、日本が豊かになるための新規事業だ。次世代の日本が生きていくために、真の意味で豊かになれる産業。

お金を拾う姿じゃなく、社会のために奮闘する姿を見せられる産業。そういう新しい産業の糧が今、必要だ。” (p28-29)

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優雅な国、日本を構成する8つの視点

この前提をもとに、神田さんは

” これから10年間、重要になる8つの潮流を見ていただきたい。

G(=Graying Society)・・・高齢化社会、ポスト資本主義のモデル社会

R(=Reuse/Recycle/Reinvent)・・・循環型社会、物々交換、社会の再創造

A(=Asia/Art)・・・アジア経済圏、誰もがアーティスト

C(=Community/Care)・・・コミュニティの時代、ケア・ホスピタリティ尊重

E(=Education/Empathy)・・・教育の時代、思いやり、共感

F(=Free Agent/Finance)・・・フリーエージェントネットワーク型社会、新たな金融コンセプト

U(=Utilities/Ubiquitous)・・・エネルギー革命、ユビキタス社会

L(=Legend)・・・誰もが英雄になれる時代

以上8つの潮流の頭文字を取って、私はこの潮流を「GRACEFUL JAPAN(優雅な国、日本)」と呼んでいる。

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日本の行く先を読み解く “GRACEFUL JAPAN”

時代が経つにつれ、この8つの流れが合流する先に、すべての産業が医療・健康産業に、何らかの形でリンクしてくるだろうと私は思っている。

だからこそ、これから誰もが予想もしない大変化が起こる。” (p41-42)

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 やがて訪れ来る未来

以上の前提をもとに、これからの時代を生きる姿勢であったり、実際に起こり始めている兆し

神田さんが見据える未来について本の中盤から後半にかけて綴られています。

コミュニティの時代である事は、神田さんが本書を上梓される前から述べておられたことで

私自身も、セミナーを受講するのでもアフターフォローとしてコミュニティが用意されている場を数多く選択して

例えばFacebookを例にすると、自分が取った行動によってタイムライン上に流れてくる情報の質も変わってきました。

今、インターネットを検索すれば有償無償を問わず、オフ会、勉強会、読書会、セミナー、交流会は容易に検索出来て

自分が所属するコミュニティは選べる時代と思います。

ここ数日の間、学んでいたラーニングエッジ清水社長のマーケティング 講座で

どういった情報が自分に入ってきているのか、自分が普段、どういう言葉を使って話しているかを常に意識されているとのお話を聞いて

進化を続けておられる人の心構えに触れた思いでしたが、

訪れるであろう未来と、それに応えるべく、自分自身の足元、環境を意識する二つの視野が大事である事を意識させられました。


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