川淵三郎さんが振り返ったJリーグに賭けた日々と込めた思い:『虹を摑む』読了

先週、読み始め記⬇︎をアップロードした

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Jリーグ 初代チェアマン/ 現 日本トップリーグ連携機構川淵三郎会長の『虹を掴む』を読了。

Jリーグ構想、開幕、その後の舞台裏

主に、第1章 夢の実現 ー Jリーグ開幕 〜 第6章 最初の試練 ー Jリーグバブルと経営危機 は、Jリーグ設立前から開幕、その後といった内容で

” 松下電器は最初、「ガンバ」ではなく「ジョーズ」と付けるつもりだった。松下が米国の映画会社ユニバーサルを買収した時期と重なって、スピルバーグの映画『ジョーズ』から名前を拝借することが可能になっていたのである。

私も、その報告を聞いて「サメか・・・ いいんじゃないか。強そうで」と喜んでいた。松下の人間も「『オオサカジョーズ』というのは『大阪城ズ』という掛け言葉になっていて大阪っぽいでしょ」と上機嫌。

ところが、もう少しで「大阪ジョーズ」を正式発表する段になって、あの瀬戸内海にサメが出没する事件が起きたのである。

それで松下は「これはまずい」と再検討して、イタリア語で脚を意味する「ガンバ」に修正したのだ。”(p107)

と本書で知ることの出来る数々の裏話しに、

” ほぐれかけた糸が、また、こんがらがった『週刊現代』に私の痛烈な「ナベツネ批判」が記事化されたのである。

いきさつはこうだ。ある日、通勤のために自宅の玄関を出たら、『週刊現代』の記者がふたり立っていた。「クルマに一緒に乗っていいですか?」というので、朝早くから悪いなと思い、乗せてあげだ。

その車中で誘われるままに「だいたいなっていない、野球界を牛耳ってて、企業名うんぬんというのも・・・」という感じで渡邉さんに対する批判を徹底的にやった。

まさか記事になると思っていないから、すると数日後に『週刊現代』編集部から「こういうことで載せていいか」というゲラが届く。

その内容を読むとこれが、いくら何でも記事にするのには痛烈な内容で徹底的に渡邉さんをやっつけている。

・・中略・・

こちらはもとよりことを構える気はない。その時も事前にヴェルディの宮下副社長に「騒動の渦中で頭がカッカしている時に言ったことが『週刊現代』に載ってしまうけど、よろしくねっていう風に一応渡邉さんに言っといてくださいよ」と話していた。

そしたら「渡邉さんは、僕はそんなの見ないと言っているよ」と森下さんからの返事の電話があって、何となく安心していた。

ところが、しばらくしたら「やっぱり記事を読んで烈火のごとく怒っている」という。滝鼻さんが来る前に自宅には内容証明入りの弁護士の手紙も届いていた。”(p167-169)

というマスコミを賑わせた渡邉恒雄さんとの派手な応酬もページ数をかけて赤裸々に述懐されており、

それが (『黙ってられるか』)⬇︎

<< 2019年4月10日投稿:画像は記事にリンク >> 川淵三郎さんが遂げたJリーグ創設、Bリーグ再建の舞台裏:『黙ってられるか』読了

で実現したお二人による対談での手打ちにつながったのかと、二冊読んでの興味深い流れであるものと感じられました。

そして日本代表も

第7章 日本代表・10年の軌跡 ー 代表監督5人のそれぞれ 以降は、対象が日本代表に転じられ、

最後、ジーコ監督が率いたワールドカップドイツ大会の開幕前まで、

” 加茂から岡田への交代が即決で運んだのは、たまたまアルマトイに長沼さんと私が一緒にいたことが大きかったと思う。

日韓戦のあとに長沼さんではなく岡野さんに電話したのは、そのことも先読みしていたからにほかならない。長沼さんの了解を得たら、次は岡田の説得だ。岡田を部屋に呼んだ。”(p243)

加茂周監督を解任して、岡田武史コーチを昇格させた経緯など、Jリーグ、ワールドカップ日本代表に関する事柄の数々が仔細に書かれています。

入手本に書かれていたサイン

資料的価値の高い内容が、読みやすい文面にまとまられており、サッカーファンにとどまらず、スポーツ好きにも読み応えある著書であるように思います。


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