筒井康隆さんが描いた生涯をかけ旅した男の生きざま:『旅のラゴス』読了

筒井康隆さんの『旅のラゴス』を読了。

「(筒井康隆さん作品の中で)何を読もうかなぁ」と考えていたところ、旅x筒井康隆ワールドに興味を持って購入。

電車内など細切れの時間などを利用して読み進めていたことから、当初は描かれている情景を描きづらかったものの

中途からグッと物語に引き込まれてくるのは、さすが。

” 三十年昔に気まぐれから突然旅に出て”(p209)

旅の道中では、奴隷として囚われの身になることもあれば、腰を落ち着けた先で、いつの間にか王様として処遇されることになったラゴスの旅。

そこには転移、読心術などの超能力も駆使され、一筋縄ではいかぬ旅物語となっていますが、

不遇に屈せず、押し上げられて驕らず、一人の男の生きざまが堂々と描かれており、すっきりとした読後感を与えてくれた長編作品です。


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