中村倫也さんがエッセイで綴った人気俳優の等身大の日常:『THE やんごとなき雑談』読了

俳優 中村倫也さんのエッセイ集『THE やんごとなき雑談』を読了。

Twitterで本書に関する話題がヒートアップしており、「サイン本買えたら・・」

(最大25倍の)抽選に挑み、訪れた好運。

の希望叶い、手元に引き寄せていた一冊。

変わりゆく周囲、等身大の姿

ダ・ヴィンチ』誌での2018年11月号〜2020年11月号に掲載されたエッセイに書き下ろし2本が加えられた構成で、

” 確かに、二〇一八年は激動の一年だった。注目度が桁違いに上がったし、ちょっとしたコメントなどもすぐにネットニュースになって、多くの方に広めていただいた。”(p47)

とキャリアの飛躍を遂げた時期に

” どうやらいつの間にか、「気を使われる人」になってるっぽい。・・中略・・

なんだろう、この気持ちは。謝られると会話が止まってモヤモヤするし、庇われると正しい出方を探ってしまう。

気を使われると、落ち着かない。椅子を差し出されたら「立って考え事するのが好きなのです」と断り(本当は座りたい)、

褒めてくれる人がいると「そういえばこの前のアレですが」と話を変え(本当は誉められたい)、ふと、「もしかして、めんどくさい俳優だと思われて気を使われてる・・・?」と心配になる(十分めんどくさいよ)。

ずっと欲しかったものなのに、この気持ちは何なんだろう。”(p60-61)

と変わりゆく環境への戸惑いあれば、

” 最近いよいよ、積もり積もった「猫か犬と一緒に住みたい欲」が爆発しそうなのである。僕だって寂しいのだ!!独りの夜が!!”(p165)

と、華やかなキャリアとは裏腹な?!プライベートに、

中村倫也 初エッセイ集『THE やんごとなき雑談』本の製作過程を公開 〜PART①〜

或いは

” 今思えばとても恥ずかしい内容の曲を作って、「誰かに聞いて欲しいな」と、まだ少年だったあの頃の僕はその先にある評価など気にせず、純粋で真っ白な羽根を実家の子供部屋にのびのびと広げていた。そして今の事務所の社長と出会った。”(p176-177)

という現在地に至るまでの生い立ちに、幅広く等身大の中村倫也さんを感じられる内容となっています。

飾らぬ人がら伝わるエッセイ集

” ちなみにキリンは、自治体の許可さえ取れれば飼育することが可能である。残念ながら売っている店舗がないし、こんな知識を持っていることが末期なのだが。”(p166)

と動物好きとして知られる横顔も随所にみられたりもしますが ^^

最初(の頃)不慣れな感じもした文体が、次第にそれまでのフリが最後見事オチていたり、読み進めるほど共感がしっくりくることも多く、人気(好かれる)の人がらの源泉を見た思いを抱いた28本のエッセイ集でした〜


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