鈴木忠平さんが肉薄した落合博満監督の現場舞台裏:『嫌われた監督 落合博満は中日をどう変えたのか』中間記

ライター鈴木忠平さんの『嫌われた監督  落合博満は中日をどう変えたのか』を読み始めて

 第1章 川崎憲次郎  スポットライト

 第2章 森野将彦  奪うか、奪われるか

 第3章 福留孝介  二つの涙

 第4章 宇野勝  ロマンか勝利か

 第5章 岡本真也  味方なき決断

 第6章     中田宗男  時代の逆風

 第7章 吉見一起  エースの条件

 第8章 和田和浩  逃げ場のない地獄

 第9章 小林正人 「2」というカード

 第10章 井出峻  グラウンド外での戦い

 第11章 トニ・ブランコ  真の渇望

 第12章 荒木雅博  内面に生まれたもの

等(別途、プロローグ、エピローグ、あとがき)に章立てされているうち 第5章 岡本真也 味方なき決断 まで読み終えたので、そこまでのおさらい。

奥付を確認すると、本書が出版されたのは2021年9月。その後の評判については承知していたものの

購入に至っていなかった状況で、百田尚樹さんの呟きを目撃して

出典:百田尚樹さんTwitter(画像はTweetにリンク)

決断(購入)に至っていた経緯。

読み始める前は全476ページに及ぶ厚みに腰が引け気味でしたが、

落合博満監督一年目の開幕戦を託された(当時)川崎憲次郎選手の

” 何という孤独だろう、と川崎は思った。落合の電話以来、かつてない孤独に苛まれていた。

もともと独りは嫌いではない。そもそもマウンドとはそういう場所だ。ただ、落合の電話によってもたらされた孤独はまったく異質のものだった。”(p40)

と、監督就任直後の電話で(落合博満監督から)

” 「これは俺とお前だけしか知らないから、誰にも言うな。母ちゃんにだけは言ってもいいぞ」”(p34)

との約束を守るべく直面した日々に、

” 自分がいると、場の空気が硬く張りつめていくのがわかった。

立浪を信奉している者はチーム内に数多くいた。一七三センチの決して大きくない身体で、もう二十年近くもレギュラーを張り続けている。

プレーヤーとしてだけでなく、球団の選手会長も、労組プロ野球選手会の副会長も務めた。

技術と精神力に加えて、統率力も兼ね備えたリーダーであった。その聖域を奪おうとする者は、どうしても集団から孤立せざるを得なかった。”(p85-86)

と、

“「お前、レギュラーを取りたいか?」”(p76)

の落合博満監督からの問いに始まった森野将彦選手の各方面に立ちはだかった壁に・・

鈴木忠平さんの筆致から登場人物(監督、選手等)との距離感の近さ(≒緊張感)が伝わり、

早々に惹き込まれ、3日で半分弱のところまで。

厚み以上の読後感は間違いなく得られるであろうと、中、後半の記述がとても楽しみです。


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