小笠原道大コーチが振り返った指導者として、プロ野球の現役選手時代に貫いたこと:『二軍監督奮闘記』読了

今週、刊行記念イベント⬇︎に参加していた

<< 2020年1月16日投稿:画像は記事にリンク >> 小笠原道大コーチを間近にして実直な人間性を感じてきた: 『二軍監督奮闘記』刊行記念 トーク&サイン本お渡し会 参加記

北海道日本ハムファイターズ ヘッドコーチ兼打撃コーチの小笠原道大さんの中日ドラゴンズ二軍監督時代をまとめた『二軍監督奮闘記』を読了。

指導者として、プロ野球選手として

本書は、

” 2019年の春季キャンプから真夏の公式戦シーズンまで、私が日々感じたこと、考えていることを通して、「二軍監督」という仕事について、とくに「育成」というテーマを中心に語っていきたいと思っています。”(p3)

と「はじめに」にあり、そのことは(本書の)タイトルからも容易に想像できることですが、

実際は中日ドラゴンズで現役生活の晩年を迎えていた際、

” ここまで私を支えてきたのは、毎日の習慣だと思っています。それを「努力」と呼ぶ人もいるかもしれないが、自分にとっては「生活」の一部でした。

一軍の試合で打ちまくって恩返ししたいのが本当の気持ちでしたが、それができないのなら、せめて二軍の若者たちにいい影響を与えられるようにしたい。そんな思いで練習に打ち込みました。”(p30)

という(中日ドラゴンズ移籍して迎えた晩年など)現役選手時代の心がけであったり、

” 野球の中で用いられる動きは、バッティングにしろ、ピッチング(スローイング)にしろ、「スイング動作」です。

下半身を土台として固定し、背骨をひねり、上半身を振るというのが基本動作です。

これに複雑な重心移動や、足先から指先までの細かい動きが絡んできますが、大まかに言うと、下半身で発生させたエネルギーを上半身に伝えて、素早いスイング動作につなげる運動です。”(p69-70)

に、

” 結局、野球の技術に正解などあるわけないのだ。ほんの少しの違いを自分で感知して修正できるようにならないと、打席の中で好結果を残すことはできない。”(p78)

という凝縮された技術論であったり、二軍監督への興味とは別途、(プロ)野球好きには広く楽しめる内容になっていると思います。

更には、中日ドラゴンズファンであれば、根尾昂選手に、石橋康太捕手に、阿知羅拓馬投手等、

次世代の中日ドラゴンズ選手の中心を担うであろう若手についても掘り下げて言及されているので、より楽しめると思います。

書かれてあることの説得力たるや、高校生時代の公式戦ホームラン0本 ⬇︎

出典:高校野球ドットコム(画像は記事にリンク)

指導者の推薦により社会人野球に進み、

” 転機となったのは1996年、社会人5年目でした。都市対抗野球大会予選で所属するNTT関東は敗退してしまいましたが、勝ち上がった新日鐵君津(現・日本製鉄かずさマジック)の補強選手に選ばれました。

この大舞台で活躍することができて、ようやくプロ入りを引き寄せることができたのです。”(p34)

とエリート街道を歩んで来なかった選手が、

プロ入りを遂げてから通算本塁打378本(歴代25位/2018年シーズン終了時点)、史上2人目のセ・パ両リーグでのMVP(年間最優秀選手)受賞をはじめとした19年に及ぶ現役選手として長きに及ぶキャリアを支えた圧倒的努力からずっしり重みを伴って伝わってきました。

努力、習慣の重要性について今一度

本書に類するであろう二軍監督に焦点を当てた本で言えば、現 東京ヤクルトスワローズ高津臣吾監督の⬇︎

<< 2018年12月27日投稿:画像は記事にリンク >> 高津臣吾(東京ヤクルトスワローズ)二軍監督が振り返った指導者としての歩みと挑戦の日々:『二軍監督の仕事 育てるためなら負けてもいい』読了

二軍監督時代の著書を一昨年(2018年)末に読んでいて、本書についてはイベント目当てで、

内容に対する期待は二の次といった心情での読み始めでしたが、野球以外でも

” しんどい習慣でも、習慣になっている限りは比較的容易に継続できるものです。しかし、一度やめてしまうと、もう一度再開するのは意外と難しい。

そして、まずいと気づいたときはもう遅いのです。元の同じラインに戻すのには、大きなエネルギーが必要になってしまっています。”(p83-84)

など、習慣の重要性について認識している自分としても応用の効く内容が散見され、読み応えを実感出来ました。


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