橘玲さんが紐解く「幸福の条件」を実現する人生設計:『幸福の「資本」論』読了

橘玲さんの『幸福の「資本」論』を読了。

一旦、読み始め↓をアップロードしてから

<< 2017年7月14日投稿:画像は記事にリンク >> 橘玲さんが紐解く「幸福の条件」を実現する人生設計:『幸福の「資本」論』読み始め

時間がかかりましたが、276ページに及ぶボリュームもさることながら

読後直後の付箋添付具合

↑の通り、付箋箇所も多岐にわたり、

一読しただけでは腹落ちしづらい部分も点在し、読み応えを伴い、読後感に浸っています ^^

「幸福」を実現するための最善の戦略とは?

本の中間部で橘玲さんの既刊本にある通り、

<< 2015年7月14日投稿:画像は投稿にリンク >> 橘玲さんに学ぶ、超高齢化社会を生き抜くために採るべき唯一の戦略:『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方2015 知的人生設計のすすめ』読了

” 人生100年時代の人生戦略は、いかに人的資本を長く維持するかにかかっています。そのためには、「好きを仕事にする」ことが唯一の選択肢なのです。

60代、70代になっても人的資本を維持できるかどうかで、超高齢社会の格差はさらに拡大していくでしょう。

私たちは、「好きを仕事にする」以外に生き延びることのできない残酷な世界に投げ込まれてしまったのです。”(p182)

とあるのですが、本書では更に突っ込んでいるのが、特徴的で、結論的なところは

” 「幸福な人生」の最適ポートフォリオは、大切なひととのごく小さな愛情空間んを核として、貨幣空間の弱いつながりで社会資本を構築することで実現できるのではないでしょうか。

これをかんたんにいうと、「強いつながり」を恋人や家族にミニマル(最小)化して、友情を含めそれ以外の関係はすべて貨幣空間に置き換えるのです。”(p260-261)

に要約されると思いますが、結論に至る専門書からの引用やデータも説得力を伴っており、

また、著者が日本人ということから

” 日本人は幸福になろうと「つながり」を求めますが、その結果、(間人として)関係のなかに埋め込まれ身動きがとれなくなってしまいます。

相次ぐ過労死や過労自殺を見てもわかるように、これはきわめて危険な環境でもあります。

会社は嫌いだけれど、会社なしでは生きていけないというのが、日本人の悲しい性なのです。”(p238)

と「幸福」を得る対象を日本人に限定していることで、腹落ち感にも重みを感じます。

なお、貨幣区間、間人などの専門性を有した語彙は本書に委ね、こちらでは割愛させて頂きます。

幸福=ほんとうの自分 x 戦略

その他、最終章の、「ほんとうの自分」はどこにいる?では

” いったいどこに?それは、あなたの過去です。

友だち集団のなかでは「キャラがかぶらない」のが大原則で、リーダーが同じグループに2人いることはありません。

リーダー適性のあるメンバーが複数いたとしても、1人がリーダーの座を占めればほかは(参謀やはぐれ者など)別のキャラを(無意識に)選ぶことになります。

「リーダーキャラ」の子どもは、政治家や経営者などひとの上に立つ地位を目指すでしょう。

「道化キャラ」の男の子はお笑いの道に進み、「人気者キャラ」の女の子はアイドルに憧れます。

「スポーツキャラ」はプロ野球やJリーグの選手になろうとするかもしれません・・・。

ところが大人になると、リーダーキャラでないひとが上司の役割を担わされたり、本来は道化キャラなのに公務員などかたい仕事をすることもあります。

そしてこのような「キャラちがい」が起きたとき、ひとは「ほんとうの自分じゃない」と感じるのです。

「ほんとうの自分」とは、幼い頃に友だちグループのなかで選び取った「役割=キャラ」の別の名前です。”(p264-265)

など、幸福に至るまでの疑問、プロセス等が明瞭に記されており、難解な箇所はありながら

結論はしっかりまとめられ、言い切られて、それらがしっかりメッセージとして伝わってきます。更に、橘玲さんご自身の

” 40歳でフリーエージェントになったとき、人生をできるだけシンプルにしたいと考え、

それ以来、日々の生活は本を読むことと文章を書くこと、そしてときどきサッカーを観ることだけで、ほとんどなんの変化もありません。・・中略・・

経済的に独立した一介のもの書きとして、どんな組織にも所属せず、誰に遠慮する必要もなく好きなことを書き、

(批判を含めた)読者の声を社会資本とし、誰も読んでくれなくなったらそれでお終いだと思っています。

ささやかなものですが、私にとってはこれ以上望むもののない人生です。”(p275-276)

という現在の領域に至る実体験も含めた(現時点の)結論と思い、対象を限定しない多くの方にとってヒントを得られる一冊であると思います。

 


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