青山繁晴さんが読者に問う、日本人として新世界を切り拓く覚悟:『王道の日本、覇道の中国、火道の米国』読了

独立総合研究所の創設者で、現在は参議院議員の青山繁晴さんの『王道の日本、覇道の中国、火道の米国』を読了.-

年末、手持ちの本が切れ、「次は何にしようか」という状況から手が伸びた一冊。

当初は、2009年 初版とあり「国際情勢に関した本で7年前は・・」と及び腰になったものの

「青山繁晴さんの著書で学びを継続するにはベストタイミングかな」と購入。

表紙で色分けされた世界地図

日本人が取り戻すべき矜持、本来の地図

” この書物の赤い扉にある、日本領と中国領は、それぞれ日中の学校で教える地図とは異なっている。白い色は日本領だ。

学校で「北方領土」と教わってきた島々である択捉島、国後島、色丹島、歯舞諸島の四島が、それを不法に占領するロシアの手から離れて、ほんらいの日本領に無事に戻っている。

しかし、それだけではない。

ロシア名ではサハリンと呼ばれる樺太、その南半分と、さらに千島列島の全島も、白い色の日本領だ。”(p12)

の一文に始まり、

” 「二〇〇〇年を超える歴史を持つ、この国で、ただ一度だけ戦争に負けたからといって、なぜ、そうせねばならないのか。

世界の諸国は、隣の中国であれ朝鮮半島であれ、ヨーロッパであれ、多くの国々が、勝ったり負けたりを繰り返してきた。

そして勝ったときではなく、負けたときこそ、どうやって、みんなが育んできたものを護り抜くのか、それを諸国は練習し、学び、鍛えてきた。

この日本は、一九四五年の夏までは、ただの一度も外国軍に負けて国土を占領されるということがなかった。

それは、ほんとうは、わたしたちの誇りだ。

しかし、歴史を一枚の紙とみて、その裏を見ると、負けたときにどうするか、それを学ぶ機会がなかったということだ。

だからこそ、一九四五年八月一五日に初めて負けたとき、勝った側の言うことに染まらねばならないと思い込んだのじゃないか」”(p16)

という青山繁晴さんの著書で共通する読者への問題提起であったり、本の最後部では、

” このつたない書では、わたしたちの祖国が再生の王道をゆくには、国境の問題から逃げないことがまず大切ではないかという問題提起から、出発した。

最後に、その現場に、みなさんと一緒に入りたいと思う。”(p290)

との誘(いざな)いから

日本の海の最前線の隠岐の島(島根県)や対馬(長崎県)の現地に足を踏み入れられた際の渾身のレポートが綴られ、

読者一人ひとりに日本の状況を示し、姿勢を問うています。

そして中国、日本が認識すべき現実

また、本では中国に関してもページ数が割かれ、北京オリンピックの見えざる実態であったり、

チベットで宗教の自由が侵されている状況に対して、圓教寺(姫路市)の高僧がTVの生番組(関西テレビ「ぶったま!」)で告発に近い形で決起される舞台裏からその模様まで・・

日本、そして日本が取り巻かれている状況が克明に記されており、

当初、抱いていた時間の経過より、得られる学び、刺激される部分が多かったです。

本の最後、「終の節」で青山繁晴さんが読者へ向け

” いよいよこの書を閉じられるにあたって、どうか世界の扉をひらいてくださいとお願いしたいのです。

この先、世界が何十億年、続こうとも、あなたは二度と生まれない。

永遠にただ一度切りの命を、あなたが生きるのは、壊れゆく旧世界なのか。新世界を、みずからつくって生きるのか。”(p321)

と、今一度、問題提起がなされ、この一文をエールと受け止められるのか否かが突きつけられていますが、

324ページに及ぶ迫力とともに、青山繁晴さんのメッセージが重量感と伴って突き刺さってきた一冊です。

 


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