青山繁晴議員が鳴らす日中の近未来への警鐘:『日中の興亡2025』読み始め

青山繁晴参議院議員の『日中の興亡2025』を読み始めてから

 始まりの章 滅びの門

 第二の章 中華思想という幻は終わらない

 第三の章 中国は次は東にすすむ

 第四の章 中国が狙っている「第四の資源」

 第五の章 軍事なき外交は無力である

 第六の章 「円」こそ、国際通貨である

 第七の章 二〇一〇年、東アジアは激動する

 第八の章 これが日中略戦の実態だ

 第九の章 日本がすべきこと

 終わりの章 希望の門

と目次立てされているうち「第三の章 中国の東にすすむ」まで読み終えたので、そこまでのおさらい。

迫り来る大国の足音

本書及び同時期に刊行された『王道の日本、覇道の中国、火道の米国』は青山繁晴議員のもとに届いた

“「中国が目に余ります。長い歴史で覇権ばかり追求してきた漢民族ですから、ちょっと経済力をつければこうなりますね。

『日中の興亡』と(その後の拙著の)『王道の日本、覇道の中国、火道の米国』は今こそ、日本国民にとって意義があります。

積み重ねてこられた人脈と考察の賜物です。中国という国家の内在的論理をここまで明快に記された本はこの二冊をおいてほかにありません。

事実上絶版になっている二冊を新書として世に問いたいのです」”(p8)

という編集者から一通のメールにより、再び息を吹き込まれた今回の『日中の興亡2025』は

” 日中の興亡は隣国にありがちな鬩ぎ合いではない。互いの民族が紡いだ永い歴史に沿い、共存するためにこそ、独裁主義と民主主義のどちらなんだという選択の決着を図る、初めての試みだ。

それは世界が固唾を呑む土俵である。初土俵に上がり向かい合うのは、日本の主権者、あなたしかいない。”(p9)

との警鐘、読者への呼びかけが冒頭(「新書の扉をひらく前に」)で示され、

日本を含む高まる周辺諸国との緊張の裏側に脈打つ

” 中国軍の退役将軍は北京でわたしの眼を見ながら「われわれには決心があった。二度と夷狄(周囲の野蛮人の意)に侵されない。そのために周囲を支配する」と明言した。”(p7)

という中国を史実を踏まえての思惑に、

” 漢民族はもともと、よく学ぶ民族である。なぜか。戦争が弱いからである。周りに学び、過去に学び、そうして生き延びてきた。だから外交にも長けている。

日本やドイツとは対照的である。戦争に強い民族は、最後は喧嘩をして勝てばいいという思い込みがある。あるいはあったから、七面倒くさい外交は苦手である。”(p97)

と押し込まれ気味の現実の裏側にあるものに、つい常態化して悪い意味で感覚が慣れてしまっていることに、

黄色信号が、赤色に変わってしまうかの危惧を強めさせられる立ち上がりです。

全346ページと、今回も青山繁晴議員の著書らしく重みを感じさせられる厚みで、紐がほつれてしまって糸口を見出すことも難しいかの日中関係について

控える『王道の日本、覇道の中国、火道の米国』と合わせ、考えるヒントを得たく思います。


Comments

comments