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オーストラリア ライフスタイル&ビジネス研究所:オーストラリア版新幹線実現へ向け、東海岸縦断ルート視野に高速鉄道局発足

オーストラリア版新幹線実現へ向け、東海岸縦断ルート視野に高速鉄道局発足

” オーストラリアで高速鉄道の実現を目指す連邦政府の高速鉄道局が13日、発足した。アルバニージー政権が青写真を描く「オーストラリア版新幹線」の開発計画を担う。

担当大臣のキャサリン・キング連邦インフラ・交通・地方開発・地方政府相は「高速鉄道は東海岸の州間移動に革命的な影響を与える。

持続可能な人口分布と地方に幅広い経済効果をもたらす。時速250キロを超えるスピードで大都市と地方都市間の高速移動を可能にするだろう」と述べた。

オーストラリアでは1980年代から約40年にわたり、高速鉄道建設のビジョンが浮上しては消えていった経緯がある。

今回の構想は、アルバニージー首相の労働党政権が昨年の選挙で公約。政権は手始めに、シドニーと北方セントラル・コースト間の第一期工事に5億豪ドル(約475億円)の予算を計上した。

建設費は10年前の試算で約12兆円

オーストラリア初の高速鉄道が具体化に向けて一歩踏み出した格好だが、全体構想の実現に向けたハードルは高い。史上最大級のインフラ整備の国家予算とされる1,300億豪ドル(2013年調査時の貨幣価値=現在のレートで約12兆4,000億円)もの莫大な建設コストの割には、費用対効果が見込めそうにないことが最大のネックとなる。

もっとも、シドニーとメルボルン、ブリスベンを結ぶ航空路は世界でも有数の混雑路線となっており、高速鉄道が開業すれば一定の需要を取り込めることは確かだろう。

走行時に温室効果ガスをほとんど発生しないため、カーボンニュートラル(温室効果ガス排出量実質ゼロ)を目指す国策にも合致する。

航空機の代替となり得るのか?

ただ、オーストラリアでは主要都市間の距離が長く、その間に一定の規模がある地方都市もほとんどない。シドニー・メルボルン間はおおむね1,000キロ、シドニー・ブリスベン間は900キロ以上離れている。

ルートにもよるが、単純計算すると、政府が想定する時速250キロの車両ではノンストップでも各都市間の所要時間は4時間前後かかる。

高速鉄道の需要が航空機を上回るとされる「4時間の壁」を超えられるかは微妙だ。

仮に、時速360キロを目指すJR東日本の次世代新幹線車両を導入したとしても、航空機に代わる都市間移動の主役になるかどうかは見通せない。

アルバニージー首相は先の選挙戦で「私のビジョンは、ブリスベンから(シドニー経由で)メルボルンまで走る高速鉄道だ」と述べていた。

東海岸の主要3都市を結ぶ南北約2,000キロの「オーストラリア版新幹線」が念頭にあることは明らかだが、現時点で予算化したのは第1期工事のシドニー北方のわずか約80キロの区間にすぎない。

最終的なルートや運行方式、開業時期などははっきりしていない。日本の新幹線全線(約3,000キロ)の約6割にもおよぶ壮大な全体構想の実現は、遠い将来のことになりそうだ。”(出典:NICHIGO PRESS

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オーストラリア ライフスタイル&ビジネス研究所:失業率 − 2023年5月

失業率 − 2023年5月

” 豪連邦統計局が15日発表した5月の雇用統計は、就業者数が予想以上に増加した。失業率は低下し労働参加率は過去最高となった。

労働市場が依然として逼迫していることを示す結果となり、オーストラリア準備銀行(中央銀行)に利上げ圧力がかかるとみられる。 就業者数は前月比7万5,900人増加。

市場予想は1万5,000人増、4月は4,000人減(改定値)だった。4月の減少はイースター休暇が影響したとみられる。 失業率は3.6%と約50年ぶり低水準付近となった。前月は3.7%、市場では横ばいが予想されていた。

労働参加率は4月の66.7%から66.9%へ上昇し過去最高を更新した。女性の労働力人口増加が寄与した。正規雇用者数は6万1,700人増加した。4月は2万8,600人減に改定された。

中銀は政策金利を11年ぶり高水準の4.1%まで計400ベーシスポイント(bp)引き上げているが、インフレ抑制に向けてさらなる措置が必要になるとの見方が高まった。

雇用統計を受けて市場が織り込む7月の0.25%利上げ確率は約50%となった。11月までに政策金利が4.6%に達することがほぼ確実視されている。

豪国債市場ではリセッション(景気後退)の可能性を示すシグナルとされる逆イールドが一段と拡大し、10年債と3年債の利回り差はマイナスに転じた。

ANZのオーストラリア経済担当責任者、アダム・ボイトン氏は雇用統計を受け、政策金利が8月までに4.6%でピークに達すると予想。従来予想の4.35%から上方修正した。

「軟調だった第1・四半期国内総生産(GDP)は雇用の伸びが今後数カ月でかなり鈍化することを示唆しているが、年初からの雇用データが全般的に強いことは否定できず、経済にある程度の勢いが続いていることがうかがえる」と語った。

オックスフォード・エコノミクス・オーストラリアのマクロ経済予測責任者ショーン・ラングケーキ氏は「労働市場は依然としてかなり引き締まった状態で、2023年の賃金上昇を後押しする」と述べた。

「豪中銀は6月の利上げ後もタカ派的なトーンを維持し、基調的なインフレの持続に懸念を表明している。今回の結果はこうした懸念を和らげることには全くならない」と指摘した。”(出典:REUTERS via Yahoo! JAPAN

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オーストラリア ライフスタイル&ビジネス研究所:フレーザー島 改め クガリ。アボリジニの言葉を公式名に

フレーザー島 改め クガリ。アボリジニの言葉を公式名に

” オーストラリア北東部クイーンズランド州は7日、州東岸の離島の公式名称を英語の「フレーザー島」から先住民アボリジニの言葉「クガリ」に変更した。過去に迫害を受けた先住民との和解を促進する狙いがある。

広大な砂浜を持つこの島は、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界自然遺産に登録され、観光客も多い。

もともとアボリジニから、精霊を意味するクガリと呼ばれていたが、英国の植民地統治下の1836年に付近で遭難した英国人船長ジェームズ・フレーザーにちなみ、フレーザー島となった。改称で古来の名前に戻る。

パラシェ州首相は改称式典で「昔の過ちを変えることはできないが、州民がお互いに尊重し合う未来を築くための一歩となる」と語った。

豪州では1990年代に北部準州の景勝地の公式名称が英語のエアーズロックから先住民の言葉のウルルに変更された前例がある。”(出典:JIJI.COM

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オーストラリア ライフスタイル&ビジネス研究所:最低賃金、2023年7月1日から8.65%引き上げで時給約2,100円に。

最低賃金、時給約2,100円に。2023年7月1日から8.65%引き上げ

” オーストラリア連邦政府の「フェアワーク・コミッション」(公正労働委員会)は2日、全国統一の成人の最低賃金を時給23.23豪ドル(約2,100円)に引き上げると発表した。最低週給(38時間労働)は882.80豪ドル(約8万1,000円)となる。

オーストラリアの物価水準は日本と比べて高いため単純に比較できないものの、最低限の仕事でも月曜日から金曜日まで毎日働けば、月給で手取り32万円程度稼げる計算になる。

現行の最低賃金(時給21.38豪ドル、週給812.60豪ドル)と比べて8.65%上昇する。新しい最低賃金は、オーストラリアの新会計年度が始まる7月1日から施行する。

公正労働委員会は年に一度、物価変動などに合わせて最低賃金を改訂している。引き続き激しいインフレに見舞われていることを踏まえ、引き上げ幅を今年度の5.2%から加速させる。

オーストラリアの直近1月〜3月期の消費者物価指数(CPI)上昇率は、前年同月比7.0%と依然として歴史的な高水準にある。

今回の決定は、労組の要求を上回る異例の引き上げ幅となった。与党労働党の支持母体である「オーストラリア労働組合評議会」(ACTU)は今年はじめ、新年度の最低時給を7.0%引き上げて時給22.38豪ドルとするよう求めていた。”(出典: NICHIGO PRESS

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オーストラリア ライフスタイル&ビジネス研究所:西オーストラリア州マーク・マッガーワン首相 任期半ばで辞任

西オーストラリア州マーク・マッガーワン首相 任期半ばで辞任

” オーストラリア西部、西オーストラリア州のマーク・マッガーワン首相(55)が29日の記者会見で、「疲れた。消耗した」として辞任を表明した。

州議会議員も任期を2年弱残して辞職する。不祥事や病気以外での突然の辞任は異例。

労働党のマッガーワン氏は2017年3月の州議選勝利に伴い州首相に就任。21年選挙も圧勝して再選されたが、新型コロナウイルス禍対応や経済対策に一定の道筋が付いたとして「今が辞め時」と判断した。後任も多数派の労働党から選出される見通し。

同州は鉄鉱石や天然ガスなど資源が豊富で、最近はレアアース(希土類)開発でも注目されている。岸田文雄首相が22年10月に同州パースを訪問した際には地元経済関係者らと共に意見交換した。”(出典:JIJI.COM

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オーストラリア ライフスタイル&ビジネス研究所:失業率 − 2023年4月

失業率 − 2023年4月

” 豪政府統計局(ABS)が18日に発表した2023年4月の失業率(季節調整値)は、3.7%となり前月から0.2ポイント悪化した。

ただ、過去数カ月は50年ぶりの低水準となっており、チャルマーズ財務相は「依然として非常に低水準」とした。

先に発表された今年第1四半期(1~3月)の賃金上昇率は前期比0.8%とオーストラリア連邦準備銀行(RBA)の予想範囲内だったこともあり、市場ではRBAの来月の追加利上げ観測は弱まっている。

失業者数は前月比1万8,400人増加し、52万8,000人だった。このうち、フルタイム求職者は2万2,000人増の36万4,200人、パートタイム求職者は3,500人減の16万3,900人だった。

就業者数は、4,300人減の1,388万2,100人。フルタイム就業者は2万7,100人減の972万6,500人で、パートタイム就業者は2万2,800人増の415万5,600人だった。

4月の総労働時間は4,900万時間増加の19億7,400万時間。労働参加率は0.1ポイント低下の66.7%だった。希望する就労時間が得られない不完全就業者の比率は0.1ポイント改善し6.1%だった。

男女別の失業率は、男性は前月から0.3ポイント悪化の4%、女性は0.1ポイント改善の3.3%だった。

■大半の州で悪化

州別の失業率では、それぞれ0.1ポイント低下したタスマニア州(3.9%)と北部準州(NT、3.4%)のみが改善。このほかは、◇ニューサウスウェールズ州:3.4%(0.1ポイント上昇)◇ビクトリア州:3.9%(0.2ポイント上昇)◇クイーンズランド州:3.9%(横ばい)◇南オーストラリア州:4.3%(0.6ポイント上昇)◇西オーストラリア州:3.6%(0.2ポイント上昇)◇首都圏特別区(ACT):3%(0.2ポイント上昇)――だった。

■利上げリスクは減少

ABSで雇用統計部門を率いるジャービス氏は、「イースター前後で休暇を取った労働者が今回は例年より少なかった」とし、人手不足が背景にある可能性を指摘した。

ナショナル・オーストラリア銀行(NAB)のチーフエコノミスト、コールフン氏は、予想されていたように雇用市場の圧迫が緩和されつつあるとした。

同行やオーストラリア・ニュージーランド銀行(ANZ)は、先の賃金上昇率が前期比で市場予想を下回ったこともあり、来月の利上げの可能性は低下したとの見方を示している。”(出典:NNA ASIA

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オーストラリア ライフスタイル&ビジネス研究所:失業率 − 2023年3月

失業率 − 2023年3月

” オーストラリア統計局(ABS)は4月13日、2023年3月の雇用統計を発表し、失業率が、前月から横ばいの3.5%だったと発表した。

2022年6月以降、10カ月連続で1974年8月以来の最低水準が続いている。

雇用主が多くの求人を出しても、必要な労働者数を採用することは難しく、労働者不足が緩和されていない状況だ。長く続く労働市場の逼迫に終わりが見えない(2023年1月30日記事参照)。

就業者数は前月比で5万3,000人増加し(0.4%増)、1,388万4,400人となった。一方、前年同月比(原指数)でみると、就業者数は3.1%増だった。

不完全雇用率は前月から0.4ポイント増の6.2%となった。また、労働力の未活用率は0.3ポイント増の9.7%だった。

失業率を州別にみると、タスマニア州(前月比0.4ポイント増の4.0%)、ニューサウスウェールズ州(0.1ポイント増の3.3%)、クイーンズランド州(0.1ポイント増の3.9%)、で失業率が上がっている。

一方、北部準州(1.1ポイント減の3.5%)、西オーストラリア州(0.4ポイント減の3.4%)、ビクトリア州(0.1ポイント減の3.6%)、南オーストラリア州(0.1ポイント減の3.7%)、首都特別地域(0.1ポイント減の2.8%)で失業率が下がっている。

現地メディアは、今回の雇用統計の発表を受け、オーストラリア準備銀行(RBA、中央銀行)が賃上げやインフレ圧力を落ち着かせ、2023年内に労働需給を緩和することを期待して、5月に再び政策金利を引き上げる可能性が高まったとみる専門家の見方を報じている。”(出典:JETRO

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オーストラリア ライフスタイル&ビジネス研究所:オーストラリアの著名人㉙ 〜 訃報 バリー・ハンフリーズ

オーストラリアの著名人 ㉙ 〜 訃報 バリー・ハンフリーズ

” デイム・エドナ・エバレッジ(Dame Edna Everage)という架空の主婦を演じたことで知られる豪コメディアン、バリー・ハンフリーズ(Barry Humphries)さんが22日、シドニーの病院で死去した。89歳だった。

広報担当者は、ハンフリーズさんは家族に囲まれ「安らかに亡くなった」とメディアに述べた。「彼の生み出したキャラクターは大勢に笑いをもたらし、これからも生き続ける」

ハンフリーズさんが演じたエバレッジら架空のキャラクターは世界中で親しまれ、2007年には、エンターテインメントへの貢献で大英勲章第三位(Commander of the Order of the British Empire、CBE)の勲章を授与された。”(via JIJI.COM AFP BB News via Yahoo! JAPAN

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