ブルース・ディッキンソンが紛争勃発中のボスニアに乗り込んで実現させた伝説のライヴの軌跡:映画『サラエボの叫び』鑑賞記

ボスニア紛争の最中、当時 IRON MAIDENを離れソロ活動中であったBruce Dickinson:ブルース・ディッキンソン

上映館は何年振り?(改称前)20年越えではあったであろう新宿伊勢丹前のシネマート新宿。

の公演の模様をドキュメントで描いた『サラエボの叫び』を鑑賞。*サラエボはボスニア・ヘルツェゴビナの首都

1週間限りの(東京での)ロードショーは情報解禁時から承知していたものの

IRON MAIDENのライヴ鑑賞歴は2016年の↓一度切り、

<< 2016年4月22日投稿:画像は記事にリンク >> IRON MAIDENが創りだす世界観に魅了されてきた:THE BOOK OF SOULS WORLD TOUR 2016 IN JAPAN 観戦記(後編)

初めてジャケ買いした(カセット)テープが、Killers:キラーズだったり、

POWERSLAVE:パワースレイブ リリース時は聴きまくった時期があったり、

IRON MAIDENから引っ張り出される思い出は種々あるものの、即座に映画館に引き寄せられるまでの引力はなく。

但し、情報展開した九州の友人(→上京)に、他でも目に触れた鑑賞後のレビューとも、

IRON MAIDENの熱心なファンならずとも「観ておく価値有り」といった力の入りようで、

最終日、丁度(上映館のある)新宿界隈で居たこともあり、一連の流れに乗ってみようかと歩を劇場方面へ。

上映館のシネマート新宿にロードショー中限定で設けられたIRON MAIDENグッズ売場

直前まで「どうせDVDで出るんだろうなぁ」とか、当日券500円増し(=2,500円)の損をさせられている感に、

とどめは残り6席で最前列しか空いてない状況などに、心を折られそうになったものの

自分が幼少の頃からあった映画館だけに最前列とスクリーンの距離が不安が過ぎる近さ!右手は鑑賞記念の特典ポスター

そこは金曜夜の解放感に、「劇場体験を侮ってはいけない」との思いから決心。

事前に予告編を通じて映像(作品)のトーンは掴んでいたつもりも、実際始まってみると・・

シネマート新宿内の掲示

無謀と生きざまの狭間で・・

戦時下、ボスニアから公演オファーを受けたブルース・ディッキンソンが

事の深刻さを意に介さず、(映像の感じでは)軽やかに現地行きを即断。

当初、国連のヘリに乗って渡航予定が、戦況の急激な悪化から土壇場で「ヘリは飛ばない」と、、

そこからブルース・ディッキンソンの魂に火が着いて、危険度が一気に高まる陸路(=トラックの荷台)での移動の決断・・

 映画『サラエボの叫び』予告編

そこから先の展開は、おそらく出るであろう日本盤DVDに委ねようと思います。

人生を決めるライヴパフォーマンス

一音楽ファンとして深く共感出来たのが、ライヴ(パフォーマンス)中は現実と切り離される感覚に、

このまま終わって欲しくないの今を存分に燃焼したい感覚。

たまに映画のセリフで「That’s my Woodstock」という表現を耳して、Woodstock:ウッドストックとは音楽史にその名を刻む音楽フェス(ティバル)ですが、誰しも、自分史を変える忘れ得ぬコンサートがあるということ。

私の場合、1988年10月のDavid Lee Roth “Skyscraper Japan Tour”であったりしますが、

『サラエボの叫び』で描かれているのは、戦地で敢行行されたライヴパフォーマンスという特異性にあり、

リスクを冒す必要のない名声を確立したロックスターが、危険を顧みず、その生きざまを示した迫真のドキュメント。

集ったオーディエンスは、それぞれ死を身近に覚悟せざるを得ない状況下、20余年の時を経過した現在「今の自分がいるのは、あの時のライヴがあったからこそ」と言及される一夜の奇跡の舞台裏が描かれた作品です。

訴えられる ひたむきな生きざま

ブルース・ディッキンソン自身のコメントも映画の中で、しばし取り上げられ、一生懸命、生きることの尊さ、リスク回避に走る生き方の空虚さなどについて警鐘を鳴らしています。

字面で追う分には珍しい文面ではないですが、極限の状況で実践された行動は「言うは易し行うは難し」。

ブルース・ディッキンソン自身はそういった素養が元から備わっていた様子ですが、帯同していたメンバーはボスニア行きで人生観が一変したことを涙ながらに語っており、

その凄まじさが大型のスクリーンから伝わる様は、とても強く脳裏に刻まれました。

同系統の映画で黒澤明監督の代表作『生きる』をふと思い出しましたが、

『サラエボの叫び』は命懸けのドキュメンタリーであるゆえの重みがのしかかってきます。

これを書いているのが、(2018年)6月16日の夜。

東京での上映は終わってしまいましたが、大阪は6月21日(木曜日)まで上映があるようなので、チャンスがある方はご検討されてみてはと思います。


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