百田尚樹さんが紡いだ「地上最強の男」の系譜:『地上最強の男 世界ヘビー級チャンピオン列伝』読了

断続的に約10日に及んで読み進めていた

<< 2020年7月11日投稿:画像は記事にリンク >> 百田尚樹さんが紡いだ「地上最強の男」の系譜:『地上最強の男 世界ヘビー級チャンピオン列伝』中間記

作家 百田尚樹さんの『地上最強の男  世界ベビー級チャンピオン列伝』の全506ページを先ほど読了。

本書の真打ちとでも云うべき、キャシアス・クレイ/モハメド・アリは

” ヨハンソンを弄んだ黒人青年の名前はキャシアス・クレイ、後のモハメド・アリで、十九歳になったばかりだった。”(p371)

371ページ、第19章(冒頭)にして登場。

モハメド・アリという衝撃

当初はNOI(ネーション・オブ・イスラム)、マルコムX等との関係から世間から距離を置かれながらも、

帯びたスター性に、仕掛けた過激な舌戦に、試合を重ねるごとに見せつけた実力に、

次第に、モハメド・アリ中心にボクシング界が動いていくことに。また、入隊拒否の問題からリング外にも影響力が波紋・・

” 彼は家族を養うために金を稼ぐ必要があった。世界チャンピオンでなくなったアリにとって、主な収入源は大学での講演だった。”(p440)

と、本書で初めて知った不遇時代のエピソードなどを乗り越え、フィリピンはマニラで、因縁のライバル ジョー・フレージャーを死闘の末に下すところまでのストーリーに熱く惹きつけられました。

本書を読み始める前に、百田尚樹さんに頂戴したサイン

ヘビー級チャンピオンが突き動かした歴史

終章 で、百田尚樹さんは

” モハメド・アリ以前の世界ヘビー級チャンピオンの中に、アメリカ社会を変えるほどの力を持った偉大な二人の男がいた。

一人は黒人初の世界チャンピオンとなったジャック・ジョンソンである。 ・・中略・・

もう一人は黒人として二人目の世界ヘビー級チャンピオンとなったジョー・ルイスである。”(p407)

と記し、歴代の世界ヘビー級チャンピオンの中でも特に3名を別格視し、発揮した影響力に言及。

” 筆者は敢えて断言する。この三人のチャンピオンこそが、アメリカにおける黒人の地位を変える存在であった、と。

スポーツの一ジャンルに過ぎないボクシングのチャンピオンが、アメリカ社会を動かしたのだ。それは彼らが「地上最強の男」であったからだと、筆者は思う。”(p498)

と、本書が書き上げられた背景が読み取れます。

モハメド・アリが築き、遺したもの

最後半にはマイク・タイソンやキューバ国籍ゆえモハメド・アリ等と拳を交えることのなかったオリンピックで3度の金メダルを獲得したテオフィロ・ステベンソンについても触れられています。

一続きの話しとして、わや〜っと頭にあったボクシング ヘビー級の歴史を時系列で大掴みすることが出来たことに加え、

本書、帯裏面.-

私は完成直後の東京ドームにトニー・タッブス戦を観戦に行った経験から、自身をマイク・タイソン世代に捉えていますが、

同試合後、滞在先のホテルでサインを貰う機会に恵まれたモハメド・アリの伝説たる由縁についてもしっかり学ぶことが出来、500ページ超の厚みが、読後、読み応えとして実感することが出来ました。


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