織田信成さんが誘(いざな)うフィギュアスケートのただならぬ奥深い魅力:『フィギュアほど泣けるスポーツはない!』読了記 前編

フィギュアスケーターで、現在は関西大学アイススケート部や解説者などとしても活躍の場を広げられている織田信成さんの

『フィギュアほど泣けるスポーツはない! オリンピックをきっかけに僕が皆さんに伝えたいこと』を読了。

フィギュアスケートは自発的に視聴することはないものの、織田信成さん人間味溢れるキャラクターに

本に書かれているサイン。イベントに参加出来なかったものの(イベント後に)ストックされた在庫を入手。

サイン本という入手(の機会という)巡り合わせから「これもいい機会」と内容に興味を持った次第。

本を読む前は一冊、織田信成さんの半生に迫ったものかと思いきや・・

第一章 僕はフィギュアスケートが大嫌いだった

 第二章 フィギュアを大好きになった僕の波乱万丈の競技人生

 熱血対談 松岡修造 x 織田信成

 第三章 オリンピックそしてその出場権を巡る戦い

 第四章 羽生結弦が体現する「フィギュアスケート本来の芸術」を見よ

 最終章 戦友・浅田真央さんのこと

という目次立てのもと、本を手に取った段階で想定した内容は本の半分ほどまでで

第三章以降は、開幕を間近に控えた全体的であったり、或いは選手の視点からスコープした平昌オリンピックの見どころなど。

涙なくして、、の織田信成さんのライフストーリー

本書で印象に残ったところを以下に抜粋すると・・

” 僕のアスリートとしての原点、と言いたいのはやまやまですが、皮肉なことに僕は、当時も今も運動オンチです。

体を動かすのが苦手で、いじめられても反撃できずによく泣いていました。体が本当に小さかったので、走っても圧倒的に遅かった・・・。

走れども走れども、誰にも追いつけないほどで、また、他の園児たちが軽快に遊んでいる遊具も、僕の場合は遊べるようになるのに倍くらい時間がかかりました。”(p22-23)

というオリンピックに出場するまでのキャリアを持ちながら、意外なカミングアウト?!だったり、

” みんなが寝静まった夜中に、のどが渇いてお茶を飲みに下へ下りたら、母が家計簿を眺めてため息をついている・・・ そんな漫画みたいなシーンも何回か目にしました。

母が金銭面で苦労している様子を、僕はそばで見ていたのです。

僕のスケートにまずお金がかかり、さらに姉と兄に対して愛情を示すためにも二人がやりたいことにはお金を惜しまない。

・・中略・・

僕には常に「スケートを辞めたほうが楽になるんじゃないかな」という思いがつきまといましたし、衣装も一緒にスケートを習っている子のお母さんに作ってもらったりしてました。”(p38)

というお母さまの献身的なサポートであったり、

” フィギュアスケーターにとって、怪我や故障は付きものです。幼いころから氷に乗り、まだ筋肉も骨も成獣しきっていないにもかかわらず、衝撃を膝や腰に受け続けているのですから。”(p71)

肉体的な酷使に、或いは

” 世界ジュニア選手権に出場するため、僕は修学旅行に行くことができませんでした。世界ジュニア選手権に出場するため、僕は修学旅行に行くことができませんでした。

すると、先生が練習先まで寄せ書きを送ってくださいました。それを見て号泣です。おかげで頑張ることができて、優勝することができました。

また、卒業式に出ることができませんでした。すると、特別に僕一人だけ校長室で校長先生から卒業証書を授与していただきました。もちろん号泣しました。”(p50)

と、らしさ織田信成さんのらしさ溢れるエピソードに、あらゆることを犠牲に打ち込んだフィギュア漬けの日々に、

ここまで本の半分程度ですが、情感たっぷり伝わる文章に自然と惹き込まれていきました。

と、ここでまとめに入ってしまうのは、勿体ないので・・

予想どおり(笑)熱さ充満してくる伝わる松岡修造さんとの対談の模様に、羽生結弦選手や浅田真央さんなど、他のフィギュアスケーターが登場する件は次回に分けて紹介したいと思います。


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