小泉純一郎元首相が振り返った、議員活動を通じて実現しようとした日本への思い:『決断のとき ー トモダチ作戦と涙の基金』読了

小泉純一郎元首相が、自身の政治家としてのキャリアを振り返った『決断のとき ー トモダチ作戦と涙の基金』を読了。

先月参加した講演会↓の対象書籍で、

<< 2018年3月10日投稿:画像は記事にリンク >> 小泉純一郎元首相が原発ゼロを通じて説く日本への思い:『決断のとき ー トモダチ作戦と涙の基金』刊行記念 小泉純一郎講演会「日本の歩むべき道」参加記

 序章 ルポ・「涙」のアメリカ訪問記 常井健一

 第一章 仁 小泉純一郎

 第二章 義 小泉純一郎

 第三章 礼 小泉純一郎

 第四章 智 小泉純一郎

 終章 「信」を問う 常井健一

という章立てのもと、主として小泉純一郎元首相が語ったことをかつて『小泉純一郎独白』を出版されている

<< 2016年2月26日投稿:画像は記事にリンク >> 小泉純一郎元首相の本音が、本を越えて次々と突き刺さってきた:『小泉純一郎独白』読了

(取材・構成)常井健一さんが、まとめられて上肢された一冊。

小泉純一郎元首相を突き動かした一言

序章と第一章は記述の重複が散見され、引っかかるところもありましたが、先日の講演会のテーマにもなった

トモダチ作戦被害者支援基金」に、小泉純一郎元首相が携わることになった経緯がまとめられており、復習的な意味合いで読めました。

東日本大震災後、韓国行きを変更して復興支援に当たってくれた米兵の

” 作戦終了後に生じた重い症状を知らされた。小泉がひとりの元兵士に「日本に行ったことを悔やんでいませんか?」と質問すると、意外な返事が返ってきた。

「いまでも日本が好きです」

・・中略・・

「思い出すだけでも波が出てくる。だから、ずっと上を向いていたよ、涙がこぼれ落ちないように。遠くの鳥やグライダーを眺めながら」”(p22)

という原体験に、

” 日本に戻ってきた後も、講演中にあの話をしているうちに思い出して、壇上で感極まることが何度もありました。みっともないので、もう話さないことにしています。”(p84)

と述懐されていますが、

先日の講演会で言及され、やはり涙ぐまれているシーンが思い出されました。

本書に装着されている帯の裏側

小泉純一郎元首相の人生訓

本を手に取ったのは、第二章以降の内容に大きな興味を持ってのことでしたが、

初めて選挙に挑んだ選挙に落選し、捲土重来を期した日々に、総理大臣に上り詰めるまでの道程に、電撃訪朝(北朝鮮訪問)の舞台裏に、

” 人生は不思議な縁ばかり、人間の考え方というものは、出会いによって変わるもんだなと七十を超えて実感しています。”(p116)

” 人から信頼を獲得するためには、まず決められた約束の時間を守ること。そして自分の置かれた立場で、自分はなにができるかを考えること、言われたことだけやっていればいいというのではない。

自分でいまなにをすればいいかを考える。そこからなにかを思い立って、仕事をしたり、勉強したりする。

そういう姿を必ず誰かが見ている。信頼を得れば、仕事も金も付いてくる。そういう気持ちを持つ人と、持たない人では大違いなんだと説いています。”(p118)

といったご経験から導かれた小泉純一郎元首相の人生訓を散りばめられており、

全263ページとやや長尺ながら、実質2日(の隙間&自由時間)で一気に読了に至りました。

本書が陽の目を浴びるまでの暗闘

意外であったのは、本書刊行の過程について常井健一さんが言及された

” 実際、大手出版社のなかで理解者を探すのは、これまでになく難航を極めた。

人々の頭から東日本大震災の記憶が薄れはじめ、永田町では「安倍一強」の磁場が強まるなか、出版関係者のあいだでは「原発ゼロ」という小泉の持論は求心力を失いつつあった。

さらに、総理経験者の周囲に群がる自称・他称の利害関係者による介入を乗り越えるという厄介な作業にも追われた。

ようやく執筆にこぎつけてからも、国境を越えて起こるミステリアスな出来事に悩まされた。

たった一年のあいだに、何度、出版を断念しようと思ったことかー。”(p239)

の部分。

読書の過程で、それほど鋭角な印象も抱きませんでしたが、反原発への根深さを実感させられた次第。

本全体では、総理大臣在任中は距離を置いていた感も、就任前に就任後に、その生きざまに刺激を受けるお一人で

本書で初めて知る「小泉純一郎」も多く、内容的にも読み応えを実感しました。


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