スライ・ストーンが魅せた才能と身を潜めるまでに至った暗闘:『スライ・ストーン』鑑賞記

『スライ・ストーン』をDVD鑑賞。

そのきっかけは、鑑賞したばかりの『ジェームス・ブラウン 最高の魂を持つ男 』をレンタルした際に

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<< 2016年1月31日投稿:画像は記事にリンク >> ジェームス・ブラウンが伝説の裏側で直面した苦悩と狂気:『ジェームス・ブラウン 最高の魂を持つ男』鑑賞記

隣に本作が置かれていたためで

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『ジェームス・ブラウン 最高の魂を持つ男』&『スライ・ストーン』が横並びの眺め

見るなら一気に、同じタイミングで見るのが効果的!?であろうと。

Sly Stoneが築いた伝説

ジェームス・ブラウンと同じ、ミュージックシーンのレジェンドであることは理解しているものの

思い入れはアルバムを辛うじて1枚持っていて、爆音(ライヴ)でSLY & THE FAMILY STONE の曲を体感したのは・・

2009年2月、Jeff BeckとEric Claptonが共演した際に、ショウの締めで (I Want to Take You) Higher が、カバーされた時くらい。

(I Want To Take You) Higher performed by Eric Clapton & Jeff Beck 2/13/2010  @ The O2

そんなんで、Slyに対する前提知識は殆ど有していない状態での視聴。作品の形式はドキュメンタリーで、尺も75分と短め。

『スライ・ストーン』予告編
SLY & THE FAMILY STONEのコレクターで、その魅力にどっぷり浸かった本作のナビゲーターの双子が

Sly Stone:スライ・ストーンの自伝を執筆しようと、バンドメンバーであったり、関係者であったり、周辺に接触を重ねるも・・

Sly 本人は、世に出た後の人気に翳りが出てからは社会との接触が少なくなっていた事情があり、肝心の本人には会えない。

そんな中、蜘蛛の糸にもすがるような思いから情報を仕入れては接近を試みるうち・・

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念願の対面の時(中央がSly Stone).-

遂に念願が叶う。

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非凡な才能、方や深まりゆく苦悩

Sly本人に関して私が受けた印象は、才能が程なく花開くも、アーティスティックに偏ったパーソナリティで

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勢い良く、才能に花咲かせていくも・・

一般の人と同じ行動を取ることは不得手で、それが周囲の人に対して遠心力を働かせてしまったり、ビジネスの餌食になってしまい、余計に人を遠ざけるようになってしまうという悪循環。

業界の悪しき慣行的な話しとして、よく耳にする類の悲劇が描かれています。

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スーパースターゆえの光と影は、Sly Stoneに色濃く・・。

映像の後半で、主人公のコレクター兼伝記著者との交わりようを見ると、純粋な人で、その良さと時代が交差したのが世に出始めの頃で、

ネガティブな状況に見舞われていくうちにSlyの良さを消し去って(アーティストによっては悲劇によって哀愁が良い方に出る場合有り)しまったとの印象。

双子のSly Stoneへの純粋な思いと執念。Sly本人を交えた形で作品が仕上がっていることに、本作もまた、音楽史における貴重な一本となっていることは間違いないです。

 


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