副島隆彦さんに学ぶ、個人資産を守り抜くための金融近未来:『ユーロ恐慌 欧州壊滅と日本』読了

先日、中間記↓をアップロードした

<< 2017年1月30日投稿:画像は投稿にリンク >> 副島隆彦さんに学ぶ、個人資産を守り抜くための金融近未来:『ユーロ恐慌 欧州壊滅と日本』

副島隆彦さんの『ユーロ恐慌  欧州壊滅と日本』を読了。

 1章 ユーロ恐慌が私たちを襲う

 2章「氷づけ経済」が続く世界

 3章 追いつめられた銀行

  特別レポート「欧州壊滅」と日本経済の寿命

 4章 個人資産を守り抜くために

 5章 「実物経済」の地政学

 6章 帝国の衰亡とマイナス金利時代の終わり

という目次立てのもと、第4章以降の後半では

” ● ブレくジットの落とし穴

英ポンドを支えたのは、中国である。中国の人民元(人民弊が正しい表記)の信用力が、ポンドの信用を支えたのだ。

ロンドン・シティで次々に起債している人民元舘野中国国債(10年もの金利=2.7%)の信用が、ポンドを裏打ちし、保証したのだ。 “(p140-141)

”  ● イギリスの高級不動産を中国人が買っている

ヨーロッパにおける中国の影響力が一段と大きくなるために、中国はイギリスと組んでいる。このことを私たちは知るべきだ。

今のイギリス人も中国人を不愉快に思い、見下し嫌っている。しかし、もうそんなことは言っていられない。

ロンドン郊外の邸宅や高級住宅を中国人が「え。立ったの400万ポンド(5億円)。安い、安い」と安値で拾って買っている。”(p145)

と、水面下で進行している現実の掌握に、2016年7月、未遂に着したトルコで起きた軍事クーデターに関して、

” トルコのエルドアン大統領は殺されずに済んで、権力を維持した。エルドアンを救ったのは、ロシアのプーチン大統領である。

マルマリスというトルコ南部の保養地のホテルにいたエルドアンに、プーチンが直前に電話をかけて「エルドアンよ、殺されるぞ、逃げろ」と緊急で連絡した。

エルドアンの警護部隊も何人か死んでいるので、本当に危機一髪だったようだ。”(p170)

プーチン大統領が動いた背景は本書に譲りますが、

” プーチン(ロシア)にとっては、収入源の大半が石油と天然ガスだから、天然ガスの供給ルートの重要なところを押さえられたら、ロシアの死命を制せられるぐらいの大きな問題(ロシアの死活問題)だった。”

暗躍する国際情勢の裏側に、或いは

” 日本がアメリカ政府に払っている用心棒第(傭兵代とも言える)は、毎年たったの6,500億円などという端金ではない。

本当は30兆円ぐらいずつ払っている(貸している)。

・・中略・・

日本国は、アメリカ国債をこれまで40年間に買った残高を、総額1,000兆円ぐらいを抱えている。それを隠し持っている。

毎年30兆円前後で30数年間分だ。この1,000兆円は、日本政府の8つある政府系銀行の中に「外債保有残高」として年々、積まれている。絶対に公表しない。できない。

この他に、機関投資家と呼ばれる大銀行や大証券、農協をはじめ各種共済団体などが買って持っている。

さらに、トヨタなど日本の輸出大企業が、ニューヨークで、米国債で資金を運用しているものを含めた総額が、それが1,000兆円である。”(p197)

という驚愕の実態に・・

国際情勢から紐解く個人資産防衛の守り方

マクロ的な動きを捉えて、それらを読者レベルにまで落とし込み、

4章のタイトルに掲げられている「個人資産を守り抜くために」という視点が意識されてという(本書の)骨格。

難しく感じるところもありましが、報道等を通じておぼろげに理解していた解釈とは異なる深層に触れた思いで

最後には、副島隆彦さんの本らしく、日本株の秘密銘柄の推奨など、

巻末付録 日本株の超プロが推奨する秘密銘柄10 ここは「コバンザメ株」を買いなさい!(p239)

考えさせられ、学ばされ、金融リテラシーを高めるに大いに支えるになる一冊であると感じました。


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