水野和夫さんに学ぶ、「資本主義の終焉」後に我々が生きることになる世界の姿:『閉じてゆく帝国と逆説の21世紀経済』読了

7月に開催された講演会

<< 2017年7月27日投稿:画像は記事にリンク >> 水野和夫さんに学んだ経済から紐解く蓋然性の高い近未来:『閉じてゆく帝国と逆説の21世紀経済』刊行記念 講演会 参加記

参加した際に対象書籍として入手した(元内閣府大臣官房審議官ほか)水野和夫さんの『閉じてゆく帝国と逆説の21世紀経済」を読了。

タイトルだけ見ると「うわっ、、」と経済学に対して不得手な感を否めず、及び腰にさせられますが、一旦、読み始めると・・

” 利潤をもたらしてくれるフロンティアを求めるために地球の隅々にまでグローバリゼーションを加速させていくと、地球が有限である以上、いつかは臨界点に達し、膨張は収縮に反転するー。

資本の自己増殖を目的とする資本主義が限界に達している現在、これは当然のなりゆきです。”(p5)

“「資本主義の終焉」という「歴史の危機」を乗り越えるために、必要なのはどんなシステムなのか、結論を先取りして言えば、このあと世界が一〇〇年近くかけて移行していくと私が考えるのは、「閉じた帝国」が複数並び立つという世界システムです。”(p16)

” 日本がなぜ経済成長できないのかといえば、「実物投資空間」が閉じたことで生産数量が伸びなくなったうえに、新興国の台頭による交易条件の悪化を受けているからです。

だからといって、交易条改善で成長しても、すべてがうまくいくわけではありません。

この数十年で資本の力が圧倒的に強くなったこの状態を放置しておけば、ますます雇用者所得は減少し続けることになり、世界中で二極化や分断が拡大し、民主主義の基盤が破壊されることになります。”(p52)

といった世界経済の現状認識に、未来予測等が、古典や水野和夫さんの専門性をもとに示され、

「面白そうだなぁ」というのが感じたところです。文末に「だなぁ」とついたのは、多分に自分の経済学に対する基礎理解、ぶつけられる意見の奥深さなどに関わってきますが、

この手の本にありがちな数式を読まされるような箇所は皆無に近い状況で読みやすく、

ズバズバと断定調に近い形で今、自分が生活している時代について経済の側面から言及があり、思いのほかハイペースで読了に至りました。

こういう本こそ、理解度を高めていくべく再読ですね〜。

 


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