高橋源一郎さんが「ひどい小説」と回想した『恋する原発』読了記

作家 高橋源一郎さんの『恋する原発』を読了。

八重洲ブックセンターのサイン本のコーナーにあり、タイトルから原発に関するルポルタージュ的一冊と思いきや

然にあらず、、

本に書かれてあったサイン。

東日本大震災 x チャリティーAV が交差する独創性

東日本大震災から半年強経過した頃の 出版で発売時の帯には

「大震災チャリティーAVを作ろうとする男たちの愛と冒険と魂の物語!」

とあったそうで、

「こんな赤裸々で大丈夫?」と実感せずにはいられない露骨な性描写で、この辺から是非が分かれるところと思いますが・・

私自身は物語で展開されていく筋をフォローし切れず、早々に脱落していく結果に。

それでも最後頁まで読みましたが、本編完結後の著者 高橋源一郎さんご自身の言葉による「文庫版あとがき」に

「ひどい小説」と見出しが付けられ、

” いい機会だから、久しぶりに、この『恋する原発』を読み返してみた。おそるおそる、である。

で、こう思った。ひどい・・・なんて、ひどい小説なんだ・・・。”(p293)

と回顧されており、真意のほどは掴みかねますが・・ 震災直後の執筆時期で何かと振り切れた面もあったろうと。

読者を選ぶ衝撃作?!

本当に「ひどい小説」であれば、文庫本になる前に販売が中止されているようにも思いましたが、

「文庫本あとがき」に続く、作家 川上弘美さんの「速い」と題された解説では

本書を深読みした切り口も紹介されており、読者の感性次第ではヒットする要素が込められているようです。

まぁ、色んな本を読んでいると、こういう時もありますよね・・

 


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