筒井康隆先生が描いた奔放な性なる世界:『陰悩録 リビドー短篇集』読了

2021年末、筒井康隆先生の『陰悩録   リビドー短篇集』を読了。

本書について巻末の藤田宜永さんによる「解説」から引用すると

” すべての短篇のテーマはセックスである。”(p355)

というもので、収録されている作品は全部で十四篇。

描かれているのは

” 射精の寸前、ぱっとある場所を思い浮かべると、必ずその場所へ移動できるようになったのである。”(p52「郵性省」)

やタイトルに冠された作品を解説から引用すると

” 「陰悩録」は、風呂の栓を抜いたら、キンタマが穴に吸い込まれてゆくというブラックユーモア小説である。”(p359)

といったもの。

購入本に書かれていたサイン

官能小説を彷彿とさせられる作品もあり、これまで他の短篇集で部分的に性に寄った作品を読んでいたことはあったものの

約350ページのまとまった形で目を通すと、改めて対象を問わない筒井康隆先生の凄み、奔放さを感じさせられたように ^0^

筒井康隆先生の世界観を多角的に感じられた2021年

2021年最後の一冊となり、それが(たまたま)本書であったという巡り合わせでしたが、新作『ジャックポット』に始まり、

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計10冊。多方面、多岐に及ぶ筒井康隆ワールドに触れることの出来た年間になりました ^^


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