筒井康隆さんの「最初で最後」との人生論が痛快だった:『老人の美学』読了 

書店にふらっと立ち寄った際に、サイン本の発売を見つけ、即買いしていた

サイン本発見!で、即レジへ

筒井康隆さんの『老人の美学』を読了。

・・という経緯から、タイトルに即しているであろう内容は一先ず置いといて、という状況で読み始めましたが、

思いの外、

” そもそも何かに打ち込むということは他人の目など気にしてはいないのだから、作業というものの殆どが本来孤独なのであって、これは当たり前だ。

だから逆に、仕事をしなくてすむ境遇になった人の仕事は、孤独に耐えることである、と言ってもいいだろう。”(p73)

” 我儘、頑固、怒りっぽさというものは、老人なら誰にでも起り得る負の感情だ。

これを無理に押し殺さない方がいい。インテリであればあるほど、こういう感情を非人間的なほどの強い自制心で押し殺そうとするが、これはともすれば爆発する。”(p86)

購入本に書かれていたサイン

或いは

” こういう局面になってくると、実は学歴などまったく関係なく、実社会でどれだけ苦労したかが問われてくるのである。

下積みの職業や生活を強いられてきた人ほど、時には世故いと言われたりもするこうした世間知を身につけているものであり、

これは多くの老年になってから、思いがけぬ局面で発揮されるものなのかもしれない。”(p101)

などなど、

思いのほか多くなった付箋箇所

付箋を貼り付けた箇所が多く、

八十五歳を迎えた筒井康隆さんの人生観といったものに触れられた感覚が、読後、読み応えとして感じられました〜


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