オーストラリア ライフスタイル&ビジネス研究所:国内経済、個人消費や住宅投資が低迷で10年ぶり低成長

国内経済、個人消費や住宅投資が低迷で10年ぶり低成長

” オーストラリア統計局が4日発表した4~6月期の実質国内総生産(GDP、季節調整済み)は、前年同期比1.4%増と2009年7~9月期以来約10年ぶりの低い成長率となった。

前期比では0.5%増だった。住宅価格下落の影響でGDPの約6割を占める個人消費がさえず、住宅投資も不調だった。輸出拡大を支えた鉄鉱石は価格が下落し始めており、豪経済には不透明感も漂う。

豪州は一般的な景気後退の定義とされる「2四半期連続のマイナス成長」を経験していない期間が4~6月期で112四半期(28年)となり世界最長記録を更新した。

フライデンバーグ財務相は4日の記者会見で4~6月期のGDPが前期比マイナスに転じたドイツなどを挙げ「豪州は比較的うまくやっている」と強調した。

4~6月期の成長を支えたのは輸出と政府消費支出だ。輸出は鉄鉱石や液化天然ガス(LNG)など資源が好調で前期比1.4%増となった。

一方で豪ドル安や個人消費の低迷で消費財などを中心に輸入が同1.3%減少したことで純輸出が拡大し、成長率を0.6ポイント押し上げた。

政府消費支出は道路など交通インフラ整備などで同2.7%増となった。

一方、家計消費支出は前期比0.4%増と低調だった。2017年終盤から続く住宅価格の下落で、資産価値低迷を懸念した消費者が財布のひもを締めており、自動車購入などが前期を割り込んだ。

前期比1.7%減となった総固定資本形成でも、住宅投資が同4.4%減と大きく減少している。

住宅情報会社コアロジックは2日、8月の豪州の住宅価格が1年10カ月ぶりに前月を上回ったと発表した。中古住宅を中心に価格下落に歯止めがかかったとの見方も出るが、見通しはなお不透明だ。

米中貿易戦争の激化による中国経済への先行き懸念から、好調な輸出を支えてきた鉄鉱石価格は8月初旬から下落に転じている。

6月末、1トン110ドル(約1万1千円)を超えていた中国向けの豪州産鉄鉱石価格(鉄分62%)は、現在90ドル前後で推移しており、ある鉄鋼関係者は「年内に70ドル台まで落ちるのでは」とみる。

豪準備銀行(中央銀行)は3日の理事会で政策金利を過去最低の1%に据え置くと決定した。

中銀は6月、7月と2会合連続で利下げしているが、市場では「11月と来年2月に利下げする」(英キャピタル・エコノミクスのマーセル・ティエリアント氏)との声が上がるなど、年内の再利下げを確実視している。”(出典:日本経済新聞

プラス成長であることから、ヘッドラインほどネガティヴな受け止めはしませんでしたが、今後を見通す上で黄信号であるとの認識は必要であるようです。

オーストラリア ライフスタイル & ビジネス 研究所

スクリーンショット 2015-12-30 22.46.27
Facebookページ:オーストラリア ライフスタイル&ビジネス 研究所(画像は記事にリンク)オーストラリアに関する情報を日々発信しております。是非、いいね!を宜しくお願い致します。

上記はFacebookページ「オーストラリア ライフスタイル&ビジネス研究所」の2019年9月20日分の掲載記事です。

オーストラリアにご興味をお持ちの方、Facebookページへの「いいね!」を是非宜しくお願い致します。


Comments

comments