細田昌志さんが紡いだ格闘技界と芸能界で身を起こした野口修さんの生涯:『沢村忠に真空を飛ばせた男 昭和のプロモーター・野口修 評伝』中間記

今月(2020年12 月)オンライン参加していた刊行記念イベント

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著述家 細田昌志さんの『沢村忠を真空に飛ばせた男 昭和のプロモーター・野口修 評伝』が、二十五章(別途、終章ほか)まであるうちの第一三章まで読み終えたので、そこまでのおさらい。

格闘技興行の礎を築いた人物の軌跡

本の骨格は(上記)イベントを視聴して粗方頭に入れていたつもりで、本の主人公 野口修さんの

“「格闘技の興行をビジネスにしたのは修だよ。修がいなかったら、「格闘技界」はなかった。あったとしても、違う形になっていたと思う」”(p10)

という関係者談から、(本の)序盤は故安部譲二さんの

” 「野口修を書くということは、野口家について書くということです。そこに触れないと意味がない。あなたは、そのことを判っていますか」”(p23)

との助言に従って、色々と手をつけられなかったお父様の存在に、生い立ちに、ビートたけしさんの

 ” 「野口恭の試合は観てるよ。中学生の頃に親父に連れられて、浅草の公会堂で、二、三度観てるかな。左のいい選手でさ」”(p147)

という証言も飛び出す弟さん(=野口恭)の話しから、興行の世界に身を投じ、ボクシング世界タイトル戦を手がけた際には、魑魅魍魎とした人たちに揉まれていった様にページ数が割かれたり、

” 目をつけたのは、タイ式ボクシングだった。

本場の興行をそのまま日本に持って来て、自身が感じた興奮を提供する。

主催者たる自分は、間違いなく日本での興行を独占できるが、はたしてうまくいくか。”(p210)

と、ボクシング興行で次が見出しづらくなった状況から大山倍達館長率いた極真空手に対タイ式ボクシングの白羽の矢が立ち、敵地に乗り込んで歴史的偉業を遂げる・・ といったところまで。

年末年始にぴったりな重量級読書

全534ページに及ぶうちの269ページに到達したところで、まだ、タイトルに掲げられた沢村忠さんの名前も出て来てなければ、もう一つの柱と思わしき芸能界での話しもまだ。

それでも既に本2、3冊読んだような重量感で ^〜^;  広範に及ぶ事柄の丹念な取材が圧巻。

「2020年最後の一冊かなぁ」なんて思っての読み始めでしたが、年始を跨ぎそうな濃厚な読書となっており、興味ある話しが続き、ここからの展開が楽しみです ^^


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