オーストラリア ライフスタイル&ビジネス研究所:オーストラリアの大学が困惑する物言う中国人留学生

オーストラリアの大学が困惑する物言う中国人留学生

” オーストラリアでは多くの中国人学生が学んでいるが、このところ、授業における西洋的な価値観や中国に対する見方に反発する彼らの行動が大学側を悩ませている。

特定のグループにより、キャンパスにおける言論の自由が制限されるという不安が、豪の大学で広がっているようだ。

◆物言う中国人学生、教授に抗議
中国人学生と大学側の衝突で、最近多くのメディアに取り上げられたのは、「一つの中国」を巡るものだ。

BBCによれば、豪ニューキャッスル大学の授業で「台湾は独立した国」という見解を示した教授に対し、中国人留学生たちが(教授の発言は)不快であり、教授は(クラスにたくさんいる中国人学生に)敬意を示すべきと抗議した。

これに対し教授は、自分の考えでは台湾は別の国だとし、「あなたが私の考えに感化されたくないのであれば、あなたも私の意見に影響を与えようとすべきではない」と反論した。

学生の1人が会話を録画しウェブサイトやソーシャルメディアに投稿したことで、注目を集める事態となった。

この事件を受けて大学側は、授業の教材は第三者団体のレポートを参考文献として引用したもので、レポートでは「国(country)」と「地域(territory)」の両方の意味で国という言葉が使用されていた、と釈明している。

また、教師と学生双方が文化的差異と敏感さに敬意を表することを期待すると述べ、動画が密かに撮られ表に出たことは残念だとしている(BBC)。

◆行動は政府の支持ではなく学生の意志
豪ニュースサイト『new.com.au』は、このところ中国人学生が西洋的な教授法や考え方に公然と不満を述べ、公に謝罪や授業の進め方の変更を要求するようになっていると述べ、オーストラリアにおける中国の影響力の高まりを懸念している。

BBCによれば、中国政府が学生に行動するよう圧力をかけていると疑う地元メディアもあり、今回の事件もその一つという見方もある。

しかし、豪ローウィー研究所のメリデン・ヴァラル氏は、学生の抗議行動は、彼らが自ら選んだものだとする。

1989年の天安門事件以来、中国ではイデオロギーが強化され、学生たちは中国政府におもねる信念を吹き込まれて育っている。

多くの学生が領土や主権には強い意識を持ち、長年に渡り中国は外界の犠牲になって来たと信じているため、外国から「台湾は独立国」と言われれば、非常に感情的になり、客観的な議論は困難だと説明している(news.com.au)。

一方、シドニー工科大学(UTS)の豪中関係研究所のジェームス・ローレンスソン教授は、ローウィー研究所のメディア『Interpreter』に寄稿し、学生の行動を政府のプロパガンダのせいにするのは、事実とフィクションが区別できる中国人の能力を過小評価しているという意見を支持する。

領土的主権に関しては、彼らは全会一致で政府の主張を支持するが、官僚の腐敗、環境汚染、格差といった問題では、多くの中国人が政府を酷評していると述べ、白黒はっきりさせたいオーストラリア人と違い、ほとんどの中国人はより実際的だと述べる。

同氏は、中国人学生は彼らが中国共産党の手先であり人質だという意見を拒絶しているのに、地元メディアが学生達の行動や発言を中国の脅威という狭い既成概念にむりやりはめ込もうとしていると指摘。

それによって学生たちが包囲されていると感じることが問題だとしている。

◆表現の自由は双方に大切。問題解決が急務
モナッシュ大学の講師、ジョナサン・ベニー氏は、中国人学生が意見を言うことに問題はないが、彼らが教師や他の学生が批判的意見を言うことを止めようとすることが問題だとする。

一部の大学では、中国人学生への差別的な落書きなども見つかっており、反中感情の広がりも心配されている(BBC)。

ローレンスソン教授は、現在オーストラリアには30以上の大学に10万人以上の中国人学生が学んでいると述べる。

表現の自由はすべての学生にとっての本質的価値だが、中国人学生はオーストラリアに収入と文化的多様性をもたらす歓迎すべき存在であり、問題は解決するべきだとしている。”(出典:NewSphere

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水野和夫さんが説く、日本が資本主義とは異なるシステム構築のためになすべきこと:『資本主義の終焉と歴史の危機』読了

数日前に中間記をアップロードした

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水野和夫さんの『資本主義の終焉と歴史の危機』を読了。

資本主義の終焉と、その後・・

中間記をアップロードしてからの第三章以降の部分で取り上げると・・

” ここまで見てきたように、資本主義を延命させる「空間」はもうほとんど残されていません。

中国が一時的に経済成長のトップに踊り出ても、そう遠くない将来、現在の先進国と同じように「利潤率の低下」という課題に直面することになります。

その時点で、二一世紀の「空間革命」は終焉を迎え、近代資本主義は臨界点に達することになるでしょう。”(p104)

という時代認識のもと、

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オーストラリア ライフスタイル&ビジネス研究所:Socceroos シリアとの死闘を制し、大陸間プレーオフ進出

Socceroos シリアとの死闘を制し、大陸間プレーオフ進出

” ロシアW杯アジアプレーオフの第2戦が10日、オーストラリアのシドニーで行われ、オーストラリア代表がシリア代表を延長戦の末に2-1で下した。

2戦合計3-2としたオーストラリアが、北中米カリブ海予選の4位と戦う大陸間プレーオフに進出した。

5日に中立地マレーシアで行ったシリアのホーム扱いの第1戦は1-1でドロー。オーストラリアが前半40分に先制したが、シリアが終了間際にPKを獲得し、ドローに持ち込んでいた。

迎えた第2戦。最初に試合を動かしたのはシリアだった。

前半6分、中盤でボールを奪ってカウンターを仕掛けると、スルーパスを受けたFWオマル・アッ・ソーマが左足でゴールネットを揺らし、アウェーゴールを取り返した。

しかしオーストラリアも前半13分に反撃。FWマシュー・レッキーが右サイドからクロスを上げると、FWティム・ケーヒルが頭で試合を振り出しに戻す。2戦合計でも全くのタイになった。

試合はここからこう着。決定機の数ではオーストラリアに分があったが、シリア守備陣も集中力を切らさない。

試合は1-1で終了。2戦合計2-2の全くのタイとなったため、15分ハーフの延長戦に突入した。

しかしシリアは後半終了間際のプレーでMFマハムード・アル・マワスが2枚目のイエローカードを受けて退場。数的不利で延長戦を戦うことになった。

そして延長後半4分、ついにスコアが動く。

一方的に攻め込んでいたオーストラリアは浮き球パスに反応したMFロビー・クルーズが左からクロスを上げると、ケーヒルが頭で合わせる。シュートはGKの手を弾いてゴールに収まった。

試合はこのまま2-1で終了。初のW杯出場を目指したシリアだが、夢はお預け。オーストラリアが4大会連続のW杯出場に望みをつないだ。”(出典:ゲキサカ

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シカゴ・ベアーズ、救世主登場なるか、、 :NFL 2017シーズン 第5週

レギュラーシーズン全16戦が12月31日までの行われる最初の4分の1を

出典:Chicago Bears公式サイト(画像は記事にリンク)

1勝3敗とつまづき、早々に火が着いた展開となり、

当初、シーズンを託されたMike Glennon:マイク・グレノンへの信頼は早々に失われ・・

出典:NFL JAPAN(画像は記事にリンク)

命運はチームの未来、希望に託されることに。

「満を持して」というより、記述の通り、多分に消去法からの起用で、

実績のないルーキーに託すのは酷にも感じていますが、「時が巡ってきた」と捉えるべきなのでしょう。

この機を活かせば、スター街道を歩むことにつながっていくでしょう。舞台が、全米注目のMonday Night(マンデーナイト)となったことも一つの巡り合わせと。

そして迎えた第5週、同地区のMinnesota Vikings:ミネソタ・ヴァイキングス戦。

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オーストラリア ライフスタイル&ビジネス研究所:国民の5人に2人が睡眠不足

国民の5人に2人が睡眠不足

” オーストラリア神経科学研究学会の調査結果によると、オーストラリア人の5人に2人が毎夜十分な睡眠時間を確保していないことが明らかになり、

睡眠不足による経済的コストやメンタルヘルスの犠牲を引き起こすとして警告している。

同研究学会のハナ・ヘンセン医師は、成人の推奨睡眠時間は7時間から9時間だとし「睡眠不足はうつ病や情緒不安定などのメンタルヘルスに悪影響を及ぼす。

十分な睡眠をとることで、健康が改善され、職場での生産性が向上される」と述べた。

また、不適切な睡眠による前会計年度の財務費用は約660億ドルだと概算されており、個人的なコストはさらに上回るとしている。

ダニー・エッカート准教授は、不適切な睡眠は集中力の低下を引き起こすとし、国内では 毎日1人が睡眠不足による交通事故や労働災害で死亡していると報告した。”(出典:Jams. TV

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ジャック・バウワーからエリック・カーターへ、連休中に『24』シリーズ最新作を一気見した:『24:レガシー』鑑賞記

世の中的に体育の日を絡めた3連休、自分の場合は2.5といった感じでしたが、

目ぼしい予定もなく、まとまった時間を利用して『24:レガシー 』を一気見。

全6巻/12話を一気に

当初、タイトルに準じて24時間で24話は、各エピソードで経験済みも「(今さらながらに)長いなぁ」なんて思っていたものの

レンタル店に行けば全12話(12時間)と知り、これなら連休中に全部行けるぞと。

【FOX】「24:レガシー」予告編

土日月(10月7〜9日)と、程よくバラけて鑑賞出来ましたが、『プリズン・ブレイク シーズン5』の2巻を借りた時に

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オーストラリア ライフスタイル&ビジネス研究所:メルボルン発祥のICAN、ノーベル平和賞を受賞

メルボルン発祥のICAN、ノーベル平和賞を受賞

” 2017年ノーベル文学賞にはイギリス人のカズオ・イシグロ氏が選ばれ、話題になっているが、平和賞は、2007年にメルボルンで始まり、同年にオーストリアのウィーンで正式発足、現在はスイスのジュネーブに本部を置く、核兵器廃絶を目指す非政府団体、核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)に贈られた。ABC放送(電子版)が伝えた。

ICANは現在101か国の468団体が加盟とされており、核兵器使用の破滅的結果を世界的に訴える活動を続け、2017年の国連での核兵器禁止条約成立をもたらしたとしている。

ノーベル賞選考委員会のベリット・ライシュ=アンデシェン委員長(情報源によっては副委員長とも)は発表の中で、「ICANは、世界の国々が核兵器を非難し、禁止し、最終的に廃絶するための協力を誓うことを目指して活動してきた」と語っている。

さらに、「化学・生物兵器、地雷、クラスター兵器、についてはすでに同様の禁止条約が結ばれており、核兵器はさらに破壊的でありながら国際的な禁止条約を免れてきた。

同団体は、核兵器の使用が人道的に破滅的な結果をもたらすことを訴え続け、核兵器禁止条約を実現するために努力してきた」と語っている。

ICANのベアトリス・フィン事務局長は、「今回の受賞は、すべての核兵器所有国と、安全保障のために核兵器に依存しているすべての国に対して、それが容認できない行為であることを宣言するものだ。国家安全保障の名で何十万もの非戦闘員を無差別に殺戮すると威嚇することはできない。国家安全保障はそのようなことで得られるものではない」と語っている。

広島被爆者で日本原水爆被害者団体協議会代表委員の坪井直氏(92)は、「私が生きている限り、ICANやその他大勢の人々と核兵器のない世界の実現を目指して努めていきたい」と語り、今回のICANのノーベル平和賞受賞を祝福している。”(出典:NICHIGO PRESS

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水野和夫さんが説く、日本が資本主義とは異なるシステム構築のためになすべきこと:『資本主義の終焉と歴史の危機』中間記

三菱UFJモルガン・スタンレー証券チーフエコノミストから内閣官房内閣審議官など政府で要職を務められ、経済に精通されている水野和夫さんの『資本主義の終焉と歴史の危機』を

読み始めて全五章あるうちの第二章まで読み終えたので、そこまでのおさらい。

<< 2017年9月27日投稿:画像は記事にリンク >> 水野和夫さんに学ぶ、「資本主義の終焉」後に我々が生きることになる世界の姿:『閉じてゆく帝国と逆説の21世紀経済』読了

2週間ほど前に読了した『閉じてゆく帝国と逆説の21世紀経済』

が学び多き一冊であったのと、これも先日読了した佐藤優先生の『世界史の極意』で

各章の終わりで紹介されている本紹介(■「資本主義」「帝国主義」を考えるための本)の中で、本書が取り上げられており、さっそく入手し、読み始めたという経緯。

出典『世界史の極意』p90

資本家が誕生して以来の大転換期

第一章 資本主義の延命策でかえって苦しむアメリカ

第二章 新興国の近代化がもたらすパラドックス

第三章 日本の未来をつくる脱成長モデル

第四章 西欧の終焉

第五章 資本主義はいかにして終わるのか

という章立てをもとに構成され、第一章ではまず

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「冒険」に出たものだけが、大きな果実を手にすることができる