瀧本哲史さんに学ぶ、「戦略」を持って生きる人たちの時代:『戦略がすべて』読了 ②

先週、読了記をアップロードした瀧本哲史さんの『戦略がすべて』で

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引用が、最終の第7章:「戦略」を持てない日本人のために に偏っていたため、それまでの 第1章から第6章までの間で

付箋した箇所など、印象的であった部分を自分自身への復習の意味合いを込め三箇所紹介したいと思います。

勝てる土俵で、楽勝できることを、徹底的に

” 勝つための良い戦略を立てるにはどうすればいいか。

まず、「どの土俵なら勝てるかを見極め、勝てる土俵を選ぶ」ことにある。あまり頑張らなくても構造的に勝ちやすい場所を選ぶことが何より重要だ。

ビジネスにおけるこうした土俵のことは「事業ドメイン」という。

その上で、「楽勝できることを、徹底的にやる」。これは私の好きな言い方なのだが、大きなリターンを得る秘訣である。”(p94-95)

ここは本書で一番印象に残った箇所で、「楽勝できることを、徹底的にやる」は私自身のマインドセットとして心に留めておきたいことです。

イノベーションが有する最大の価値

“「多数決や合議制が価値を持たない」という法則は、不確実性の高いイノベーションに関する意思決定においても普遍的に存在する。

ベンチャー企業に投資を行う「ベンチャーキャピタル」の投資決定も、この典型例である。

大成功したベンチャー企業でも、ほとんどのベンチャーキャピタルから断られ、ごく少数の、ときにはただ一社のベンチャーキャピタルに支持されて投資を受けているところが多い。

逆に多くのベンチャーキャピタルが投資を希望して、投資が殺到した会社に限って、失敗するということも少なくない。

・・中略・・

三人よれば文殊の知恵ということわざもあるように、多くの人が知恵を出したほうがより良い結果をもたらしても不思議はないのに、なぜこのようなことが起きるのか。

それは、イノベーション、さらに言えば、資本主義というものは、少数意見が、既存の多数意見を打ち破り、新しい多数意見に変わっていくプロセスにおいて最も大きな価値が生じるからである。”(p106-107)

心の声がその人にしか聞こえないのと同様、自分が見ている未来は必ずしも他者と共有されている未来ではないという・・ 解を安易に他者に求めない戒めとして。

未来の見付け方

” 未来を予測する方法として、今、最も注目されている手法は、俗に「ビックデータ」と呼ばれるものだ。

大量のデータを元に、統計的な手段を使って未来を予測するものである。

しかし、私が必要とする未来予測は、このような手法にはなじまない。

というのも、私が投資するような企業は多くの場合、事業の基本的なコンセプトと創業メンバー、言い換えれば、「紙とヒト」しかないような企業だからだ。

過去の延長線上にある未来に企業を合わせていくのではなく、むしろ積極的に未来を創っていくような企業だ。

こういった企業の未来予測に、過去のビッグデータは役に立たない。

それでは、どのようにして未来を予測するのかというと、「ビックデータ」とは真逆の方法を利用する。

つまり、他のやや極端なケースを観察して、その特徴をヒントに未来を予測するという「アナロジー(類推)」を活用したものだ。

アナロジーの元になるのは、過去の歴史だったり、他の国の事例だったり、全く違う分野で起きたことだったりする。

たとえば、一八四〇年代からイギリスで発生した鉄道開発バブルを観察すれば、二〇〇〇年以降のインターネットバブルの帰趨を予測することは容易だった。”(p121-122)

また、瀧本さんの日頃の心掛けされていることとして・・

 ” 私は自分の身近にすでに起きている小さな未来(可能性)をたくさん持っている・知っていることが極めて重要だと考えている。・・中略・・

近頃の若者に苦言を呈する人たちは、自分の頭の古さや、あるいはダメな若者しか集まってこない自分のネットワークに危機感を持つべきだ。”(p157)

歴史を紐解くとともに、身近なところ、中でも若者を介して未来が見ゆる状況を認識され、留意されているようです。

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未来を思い描くヒント

本書を通じて得られるヒントは読者それぞれと思いますが、具体的事例に基づいて解を見出していくプロセスが明示されており、

頭の体操というのか、私自身が強く関心を寄せている近未来を思い描くのに

上記で引用した箇所を中心として示唆を得られたような感覚が、読後心地良く、飲み込めなかった部分はこれからの課題として、また改めて本書を手にとって理解を広げたいと思います。

 


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