寺島実郎さんに学ぶ、イギリスが今も国際社会で影響力を残している本質:寺島実郎特別講演会「『英国』という視座から、世界潮流を展望する」 参加記

TVの報道番組等のコメンテーターとして、国際情勢などに鋭い指摘などでお馴染み

会場は、お馴染み八重洲ブックセンター

寺島実郎さんの『ユニオンジャックの矢』刊行記念「『英国』という視座から、世界潮流を展望する」と題された特別講演会に参加。

寺島実郎さんのことは、落ち着いた語り口から説得力のある独自の見立てが印象的に残っており、以前一度(2011年9月)、紀伊國屋ホールで開催された講演を拝聴して以来二度目。

イギリス(英国)を捉える本質

世間一般的には、今、イギリスに対するイメージを問われると・・

EU離脱のプロセスが難航しており、その後の未来像に関して「大丈夫?」といった見方が、私を含め大勢を占めているのではと思いますが、

寺島実郎さんの見立ては、当然の如く、その次元に非ず、

イギリスの国力をドバイ(アラブ首長国連邦)、ベンガルール(インド)、シンガポール、シドニー(オーストラリア)のラインを面と捉えることで、

・・具体的にはロンドンに立地し世界の金融センターの中心的役割を担っているシティで集めた資金をインドのシリコンバレーと言われるベンガルールなど、成長分野を投資しているという構図・・

イギリスが旧来から世界的な影響力を保持してきたネットワーク力から紐解いていくというもの。

この面で捉える見方は、中国についても同様で、中国本土を単体として捉えるのではなく、香港、シンガポール、そして台湾を含めた大中国圏(構想)として捕まえていく視座が肝要で、

これに関しては、既に著書↑が上梓されているとのこと。

知性=つながりで捉える

講演は50分、寺島実郎さんとのイギリスとの関わり、直近の欧州訪問(オーストリア、イギリス)のお話しに、

世界情勢の勉強の仕方など、それぞれがコンパクトに語られていきました。

講演の本筋は、新刊『ユニオンジャックの矢』に沿って語られ、今日から読み始めて全七章あるうちの三章まで読み終えたので

全編を読んで、今日聞いた内容とオーバーラップさせて、読了時に整理したいと思いますが、

印象に残ったのは、知性はつながりで捉えることとの指摘で、寺島実郎さんが、各国でさまざま専門家の方々と意見を交わされる中で、

「こいつは違うな」といった感じにさせられるのは、共通して(物事を断片的ではなく)つながりで捉えることをしている人たちであるそうな。

本書も、イギリスを一国で捉えず、面としての捉えが前提となっているわけで、その視座は改めて心得ておきたく感じました。

 


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