歴史学者ユヴァル・ノア・ハラリが描いた人類が辿ってきた壮大なる軌跡:『サピエンス全史(上)』読了

先週、中間記👇をアップロードした

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『サピエンス全史(上)』を読了。

ところどころ(難解であったりするなど)読み流してしまうところはありましたが、

最もインパクトがあったのは

” ホモ・サピエンスはあらゆる生物のうちで、最も多くの動植物を絶滅に追い込んだ記録を保持していた。私たちは、生物史上最も危険な種であるという。

・・中略・・

私たちがすでにどれほど多くの種を根絶してしまったかを知っていたら、今なお生き延びている種を守ろうという動機が強まるかもしれない。”(位置 No.1449)

という(我々、ホモ・サピエンス)の残虐性に触れた部分で、

筒井康隆さん

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ほか、人類の終焉についての指摘が頭に残っていただけに、

(ホモ・サピエンスの中に)内包されているものが、自分たちに向かっている事態も有り得るのかなと。

その他では、

” 歴史を動かす重大な要因の多くは、法律、貨幣、神々、国民といった、共同主観的なものなのだ。”(位置 No.2208)

という大前転のもと、

” サピエンスは比較的弱い動物で、その利点は、大人数で協力する能力にある。”(位置 No.2906)

” サピエンスの社会秩序は想像上のものなので、人類はDNAの複製を作ったり、それを子孫に伝えたりするだけでは、その秩序を保つのに不可欠な情報を維持できない。

法律や習慣、手順、作法などを守るためには、意識的な努力をする必要があり、それを怠ると、社会秩序はあっという間に崩れてしまう。”(位置 No.2244)

といった我々の特性であったり、

” 今日の一体化された世界の基礎を築いたかを論じる。皮切りは、史上最強の征服者の物語で、

極端なまでの寛容性と適応性を備えたこの征服者は、その特性を活かして人々を熱烈な信奉者に変えた。その征服者とは、貨幣だ。”(位置 No.3105)

” 貨幣は人類の寛容性の極みでもある。貨幣は言語や国家の法律、文化の規準、宗教的信仰、社会習慣よりも心が広い。

貨幣は人間が生み出した信頼制度のうち、ほぼどんな文化の間の溝をも埋め、宗教や性別、人種、年齢、性的指向に基づいて差別することのない唯一のものだ。

貨幣のおかげで、見ず知らずで信頼し合っていない人どうしでも、効果的に協力できる。”(位置 No.3357)

と貨幣の特性について言及した箇所。同箇所をはじめ、読んでみて腹落ちさせられる部分多く、本書の深みであるのかなと。

サピエンス進化に統合される一大ストーリー

広範に及ぶ専門性が、ホモ・サピエンスの進化史、一つのストーリーに見事まとめ上げられており、

我々、自分たちのストーリーであるだけに興味深く、DNA内側に踏み込んでいくような感覚を得られています。

これまで読み終えた上巻は、

 第1部  認知革命

 第2部 農業革命

 第3部 人類の統一

と章立てされており、下巻は第3部の残りと

 第4部 科学革命

となりますが、後半で展開される論も楽しみです。


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