大村崑さんが語りつくした仰天「昭和芸能史」の舞台裏:『崑ちゃん ボクの昭和青春譜』読了

昭和を代表する喜劇人のお一人である大村崑さんの『崑ちゃん ボクの昭和青春譜』を読了。

先日、参加したサイン本お渡し会&撮影会の対象書籍で、

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イベント参加が縁で巡り合った一冊の本。

意外あふれる「昭和」を彩った舞台裏

最初は、舞台が昭和30年代で、自分が生まれる前の話しに、人名にも馴染みがなく、

昭和芸能史的な感じがとっつき辛かったですが、

程なく、大村崑さんの感性、文体(正確には聞き取りによって製本されたようですが)に引き込まれ、

例えば結婚時のエピソード

” 昭和34年の夏、花登先生が突然、「雁之助も小雁も結婚する。この際、崑ちゃんも一緒に結婚式挙げたらどうや」って言うんです。

つまり、3人がバラバラに新婚旅行に行ったら、番組の放送が困るから、3人一緒に一週間休ませようということなんですね。

雁之助たちは翌春に結婚式が決まってたんです。でも、僕は6年間付き合ってた女性にフラれたばかり。焦りましたよ。

花登先生から「相手から探せ!」とハッパをかけられたんです。

そしたら半年後、テレビ局にシャンソンのオーディションに来ていた遥子さんに出会って運命の一目惚れ。”(p29)

と、本では話し更に続きますが、この時の出逢いが、今でも仲睦まじい夫婦として続いていたり、

或いは大村崑さんの代名詞ともなっている、かの有名なオロナミンCのCMに関して・・

” 僕は、若い頃に肺結核で片肺を取っているでしょ。実際の僕はちっとも「元気ハツラツ」なんかじゃないんです。

ちょっと走っただけでもゼエゼエいっちゃうくらいだし。

そもそも医者には40歳までは生きないだろう、言われた僕ですからね。その時、僕は30代半ば。

もしかしたら5年後にはこの世にはいないかもしれないじゃないですか。

・・中略・・

「やりたいけど、体のことを考えるとできません」

・・中略・・

しばらく経ってから、今度は大塚製薬の専務がやってきたんです。それでも、やはり断りました。”(p67)

と、びっくりな製作秘話に

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本にされていた直筆サイン.-

” 僕がキャバレー「新世紀」で司会をやってた頃、よく美空ひばりさんもショウをやりました。

ひばりさんの楽屋には必ず「田岡のおやっさん」が来ていました。そう、あの山口組三代目組長の田岡一雄さんです。

・・中略・・

僕が本番前に楽屋に行くと、このおやっさんに買い物を頼まれるんです。

「おい、若いもん、ちょっと買ってこい」なんて頼まれて、薬なんかを買ってくる。

戻ってきて、実はひばりさんのサインがもらいたいから、楽屋のところでもじもじしていると、おやっさんが「お前、サインもらいたいの?」と聞いてくるんです。

「はい」と答えたらサインをもらってくれました。

のちに僕がテレビで有名になった時、誰かが僕がキャバレー「新世紀」の司会だったという話を田岡のおやっさんの耳に入れたらしく、ある時、田岡のおやっさんから招待を受けたんです。

・・中略・・

宴が終わって、僕らはたんまりとご祝儀をいただいて、玄関で靴を履いてたら、おやっさんが「おい、おい」と僕らを呼び止めるんですよ。

「ハイ!」と3人が振り返ると、「お前ら言うとくがな、極道とは付き合うなよ」と言うんです。

「はい。付き合いません」って、よういうわ、極道のトップやがな。おやっさん一流のユーモアなんですね。”(p109-110)

という、時代と云うのか、これまた仰天のカミングアウトなど、興味惹かれるエピソードが次から次へ盛りだくさん。

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時を経て遂に明かされた内輪話し

何でも、本書刊行の経緯が、「おわりに」(表紙裏に引用)記されており・・

 ” 僕は家に帰ると、その日にあったことや、昔面白かったことなどを毎晩のように妻の遥子さんに話します。

遥子さんは、そんな話を聞くたびに「あなた、そんな面白い話を喋っているだけじゃもったいないわよ。

本にすればいいのに」と随分前から幾度となく言ってました。それは息子たちも同じでした。

この本を出版しようと思ったのは、そんな家族のすすめがあったのと、僕が辿ってきた戦後から復興の時代、テレビ黎明期の軽演劇の出現と変遷、昭和の芸能の世界を、ちゃんと記録しておきたい ー そんな思いに駆られたからなんです。”(p222)

ご家族の評価に偽りなし!

この他、イメージとは裏腹な気骨溢れるお人柄に、高倉健さんとの出会い秘話に、一回で取り上げられなかった分は機会を改めるとして・・

昭和のど真ん中を生きた多くの人たちには一気に読めてしまう、読むエンターテインメントに仕上がっていると思います。

 


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