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京極夏彦さんが10代限定特別講座で語った、この世を生きやすくするための言葉と知恵:『文庫版 地獄の楽しみ方』読了

京極夏彦さんの『文庫版 地獄の楽しみ方』を読了。

先月(2022年10月)開催された神保町ブックフェスティバルで本書購入後、サインを頂いていた経緯。

『地獄の楽しみ方』にサインされる京極夏彦さん

ということで中身を確認せず購入しており、タイトルのインパクトから橘玲さんのような現実に発生している事象をデータ等から説明され、それをカウンターしていく術の示唆かとも思いきや

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京極夏彦さん、多田克己さん、村上健司さん、黒史郎さん登壇イベント「帰ってきた、ひどい民話を語る会」参加記

気持ちの良い秋晴れとなった2022年の文化の日は、御茶ノ水駅で下車して、京極夏彦さんが登壇されるイベント「ひどい民話を語る会」へ。

当日券のみで定員80名とあり、

出典:怪と幽 Twitter(画像はTweetにリンク)

「どんなもんだろう?」と、整理券配布の12時より50分ほど早めに会場の東京古書会館前に到着すれば・・ 既に整理券配布が(前倒しで)開始されており、50番台。

「あぶねー」と機を逸せず入場が確定して一安心。ふぅ〜

増枠(100名+)はあったものの早々に札止めとなる盛況。

近場でのコーヒー・ブレイクを経て開場前の会場周辺の様子から女性の多さに、談笑されているグループも目立ち、リピーターなり京極夏彦さんの世界観に魅了されている(であろう)方々の雰囲気に次第に慣れつつ整理券番号順に入場。

物販で対象書籍『ひどい民話を語る会』を購入して、開演待ち。

対象書籍購入特典のサイン色紙(撮影はトーク終了後)

定刻となり、登壇者4名の方々が入場され、京極夏彦さんが進行も兼ねられる形でスタート。

本日の眺め(四列目中央エリア)*開演中の撮影はNG

冒頭、京極夏彦さんが、「あんまりやりたくないイベント」とお話しされ、

出典:大極宮Twitter(画像はTweetにリンク)

その真意は↑上記Tweetから察していましたが、詳細について90分に及んだトークで語られることになり、

笑い話しが基本的にエロスから発生するものという前段に、頻出する素材がおならにうんこと、後世に遺したかった意図が???なお話しが、登壇の黒史郎さん、多田克己さん、村上健司さんから披露され、場内は失笑を含む笑いに包まれながら進行^^;

新たに扉に手をかけてしまった未知の領域

本イベントは『ひどい民話を語る会』の出版を記念して開催されたもので、内容は、これまで2回開催されたひどい民話を語る会の内容をもとに構成されたとのこと。

京極夏彦さんというとお化け、妖怪のイメージでしたが、それらのネタを探すために民話にあたるプロセスがあるようで、そこから脱線して刊行までに至った本書。

(本書の背景に関する)予備知識ゼロ、丸腰でのイベント参加なったため、雰囲気に乗り遅れた部分は買ってきた書籍でひどさのほどに浸ってみようと。

万城目学さんが描いた見た目普通の女子高生吸血鬼と監視役Qのほろっとさせられるストーリー:『あの子とQ』読了

作家 万城目学さんの『あの子とQ』を読了。

サイン本販売機会を捉えて

(確か)在庫最後の一冊で滑り込み入手

入手していた一冊。

本書は、

” 私は吸血鬼だから。”(p14)

という十六歳の女子高校生 弓子と、

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『スタートレック』のカトー役でお馴染みジョージ・タケイさんを眼前にし感慨に浸れた:『<敵>と呼ばれても』刊行記念 ジョージ・タケイ氏 サイン会 参加記

その昔、TVで深夜の時間帯が再放送枠隆盛であった頃、おそらく水曜日であったとの記憶ですが、

いつしか気づけば『スタートレック』を毎週視聴していた時期があり、エンディングに違和感を覚える回はありつつも

真夜中過ぎ、周囲が寝静まった時間帯に『スタートレック』を視聴している状況が自分的にハマって習慣化していたといった。

それからしばしの時が経過し、映画上映で3Dが流行った頃に『スタートレック イントゥ・ダークネス』を思い立つように劇場で鑑賞したのが2013年。

そんなこんな断続的に訪れていた『スタートレック』との接点でしたが、2022年に入り飛び込んできた

出典:八重洲ブックセンター(画像はイベント情報にリンク)

主要キャストの一人であるカトーことヒカル・スールーを演じたGeorge Takei:ジョージ・タケイさん登壇イベント情報。

もっともその時はタイミング悪く「満員御礼」となった後でしたが、後日、追加(集合時間75分 後ろ倒し)がアナウンスされ、「これは〜」と募集時間に照準を合わせ滑り込み ^^

イベント当日の敬老の日、台風情報を脇目で意識しながら傘を鞄に仕込みつつ会場の八重洲ブックセンターへ。

1Fで対象書籍『<敵>と呼ばれても』を買い求め

対象書籍『<敵>と呼ばれても』

8F ギャラリーに移動すれば、サイン会を終えられた方が会場前で熱気を共有するかの如く語らわれており、

会場となった 八重洲ブックセンター 8F ギャラリー(撮影はイベント終盤)

聞けば、ジョージ・タケイさんが一人ひとりの声に丁寧に耳を傾けるいわゆる神対応で、ゆっくりとした進行になっていると。

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佐藤究さんが仕掛けた唯一無二異次元の短編集:『爆発物処理班の遭遇したスピン』読了

前々回、読み始め記 ↓

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をアップロードしていた佐藤究さんの『爆発物処理班の遭遇したスピン』を読了。

稀有な設定から激変していくストーリー

その(読み始め)後、読み進めたのは

 シヴィル・ライツ

 猿人マグラ

 スマイルヘッズ

 ボイルド・オクトパス

 九三式

 くぎ

の六話。

容易に全貌を捉えづらい重厚、濃厚な世界観、展開は最初の二話から変わらずも、

” シリアルキラーが制作した作品は現実にいくつも存在し、そのほとんどはアメリカの法律のおかげで流通することになった。

アメリカでは刑務所にいる囚人にも多くの自由が与えられる。家族や弁護士以外の他人 ー 取材目当てのノンフィクションライター、文通目当ての一般人のファン ー と手紙をやり取りしたり、ときには電話で話すこともできる。

彼らは刑務所内の売店で買い物をし、そろえた資材で絵を描き、そして檻の外に向けてその作品を売ることすら可能なのだ。”(p174)

と連続殺人鬼のアートコレクターとしての顔を持つ銀座の画廊経営者のもとに

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佐藤究さんが仕掛けた唯一無二異次元の短編集:『爆発物処理班の遭遇したスピン』読み始め

小説家 佐藤究さんの短編集『爆発物処理班の遭遇したスピン』を読み始め

 爆発物処理班の遭遇したスピン

 ジェリーウォーカー

 シヴィル・ライツ

 猿人マグラ

 スマイルヘッズ

 ボイルド・オクトパス

 九三式

 くぎ

と八話収録されているうちの二話目の ジェリーウォーカー まで読み終えたので、そこまでのおさらい。

購入のきっかけは

最後の一冊という巡り合わせで入手したサイン本

サイン本で、通算五冊目となる佐藤究さん本。

一話目の 爆発物処理班の遭遇したスピン のあらすじを帯裏面から拾うと・・

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筒井康隆先生が文壇に放った問題作:『大いなる助走』読了

週中に、読み始め記↓

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をアップロードしていた筒井康隆先生の『大いなる助走』を読了。

読み進めたACT 2の中途からACT 5まで、筒井康隆先生作らしく話しは次第に混沌としていき、

” 小説の基本はなんといってもリアリズムですからね。そのためにはやっぱりあなたの体験を生かしたものでなければ。”(p40)

という指南の下、同人雑誌を作品を載せていた主人公が

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筒井康隆先生が文壇に放った問題作:『大いなる助走』読み始め

筒井康隆先生の『大いなる助走』を読み始めてから

 ACT 1

 ACT 2

 ACT 3

 ACT 4

 ACT 5

と段階分け?されているうちの ACT 1 を読み終えたので、そこまでのおさらい。

読み始める前は短編の先入観を持っていましたが、然に非ず。

” 小説の基本はなんといってもリアリズムですからね。そのためにはやっぱりあなたの体験を生かしたものでなければ。たとえばこの『赤い鱗』という恋愛小説にも、あなたの体験らしいものがちらほらうかがえますが、やはりその部分だけは生き生きしていますよ。借りものの部分は駄目です。水と油です。”(p40)

に、

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